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フリーで使えるオープンソースの点群データまとめ

3Dモデリングの需要が高まる中、注目を集めているのが点群データです。点群データを有効活用する上では、まず広く共有されている点群データを把握し、必要に応じて使い分けられるのがベターです。

この記事では、そんな点群データをフリーで使える、オープンソースのデータ集を紹介します。

目次:

  1. 点群データとは
  2. フリーで使える点群データまとめ
  3. 点群データ活用のメリット
  4. 点群データの3Dモデル化を無料で行う方法

点群データとは

点群データは、直線によって形成された立体データではなく、無数の点の集合体として形成されている3Dデータのことを指します。

構造物の3Dモデルは設計時に作成・保存される機会が増えているものの、3Dモデル活用が普及する以前の建設物や、自然に生まれた地形などは3Dモデル化がされていないため、3Dモデルを一から作成しなければなりません。

そこで専用のレーザースキャナなどを使って点群データ形式でデータを取得し、点群データを直線的な3Dモデルにリモデルすることで、3Dデータ運用を進めていくことができます。

フリーで使える点群データまとめ

点群データはさまざまな機関から無料で公開されており、主要なデータを自由に利用することができます。ここではフリーで利用可能な主な点群データを紹介します。

東京都内の点群データ

東京都内の点群データを探している場合、代表的なデータサイトとしては

  • 東京都 オープンデータ カタログサイト
  • 3D CITY EXPERIENCE LAB.

が挙げられます。

東京都オープンデータカタログサイトは、東京都建設局が監修しているICT活用工事の点群データを閲覧することができるサイトです。道路や護岸の工事、車両基地の工事など、東京都内のあらゆる建設土木に関する点群データをまとめて閲覧することができます*1。

3D CITY EXPERIENCE LAB.は、ライゾマティクスが運営する都市データ活用プラットフォームです。都市の3Dデータの有効活用を促進するべく、活動で得られたデータをクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンス(CC-BY)に基づき公開しているのが特徴です*2。渋谷駅周辺や渋谷駅近の広大な点群データなどを自由に利用できます。

ダウンロードしたデータはリサーチ業務や作品制作、シミュレーションなど自由に使うことができます。

その他の点群データ

その他の地域の点群データを利用したい場合には、

  • G空間情報センター

の利用がおすすめです。G空間情報センターは、無償・有償を問わず国内のさまざまな機関が公開しているデータセットを一覧でまとめてくれているサービスです*3。東京都内はもちろん、その他の地域におけるプロジェクトの点群データを豊富なバリエーションで提供しています。

また、各自治体で独自に点群データを公開しているケースも見られます。例えば奈良県香芝市の「香芝RID」は、同市の3D道路データをWeb上で自由に使うことができます。MMSとクラウドデータを活用した、高度な点群データが利用可能です*4。

最近公開された、長崎県のプロジェクト「オープンナガサキ」も画期的な取り組みです。長崎県全域の点群データを全て閲覧することができる膨大なプロジェクトとなっており、長崎県をテーマにした壮大なデータ活用を推進することができます*5。

民間が独自でこれだけの点群データを確保することは困難であり、行政でしかできない強みを生かした企画です。

点群データ活用のメリット

点群データは、通常の3Dモデルに比べて軽量のモデルであるため、測量から生成までのスピードが速い強みがあります。ただでさえ巨大な3Dデータなので、効率的にデータとして収集し、活用できることは大きな強みです。必要に応じて点群データを具体性のある3Dモデルに落とし込んでいくことで、効率的な作業を実現します。

また、点群データはシミュレーション業務に落とし込むこともでき、大まかな構造物の効果測定を行いやすい点も強みです。3Dモデルへのリモデルはもちろん、2D図面としても運用ができるため、平面図や立面図、断面図を作成したい時にも役立ちます。

点群データの3Dモデル化を無料で行う方法

点群データはそのままだとできることには制限がありますが、3Dモデルへと変換することで、より有効活用することができます。点群データを3Dモデルへ変換するには、専用のCADツールなどをあらかじめ用意する必要があります。

主な点群データ運用に対応している無料のソフトとしては、

  • Open3D
  • Unity
  • Unreal Engine

が挙げられます。Open3Dはインテルが開発している、オープンソースのサービスです*6。PythonとC++を使った解析機能を備えており、点群データを読み込んで分析や3Dモデル化を行うことができます。

UnityおよびUnreal Engineは、基本的にゲーム開発に用いられるゲームエンジンと呼ばれるソフトですが、近年は土木建設の分野でも利用されている、高度な3Dソフトです*7。基本無料で点群データの活用など高度な操作も利用でき、マイナーなフリーの3Dソフトよりもはるかに高度な操作が可能です。

また、ハイエンドな点群データ活用を推進したい場合には、やはり有償のソフトを活用するのがおすすめです。AutodeskのCivil 3Dは、建設土木に特化した3D CADソフトで、高度なデータの作成やシミュレーションに最適化しています*8。

今後多くの3Dモデリングや点群データ活用が想定される場合、思い切ってこのようなソフトをインストールしておくのもおすすめです。

まとめ

この記事では、土木建設の領域で重宝する点群データをフリーで利用できるサイトや、点群データ活用に役立つソフトについて紹介しました。

点群データはその取得のしやすさや汎用性の高さから、近年のデータ活用推進のトレンドの中で重宝しているデータ形式の一種です。点群データはレーザースキャナーなどを使って簡単に収集ができることもあり、今後は公開サイトなども増えていくことが期待できるでしょう。

運用に当たっては専門のソフトが必要ですが、Unityをはじめ、無料で点群データを展開・分析できるサービスも増えています。ただ、点群データをフル活用する上ではやはり有償のサービスを導入しておくのがベターであるため、こちらの導入も検討しましょう。

 
 

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参考:

*1 TOKYO OPEN DATA「ICT活用工事3D点群データ」

https://catalog.data.metro.tokyo.lg.jp/dataset/t000014d0000000027

*2 3D CITY EXPERIENCE LAB.「DATA DOWNLOAD」

https://3dcel.com/opendata/

*3 G空間情報センター「データセット」

https://www.geospatial.jp/ckan/dataset

*4 香芝RID

https://www.insiek.co.jp/ksb-rid/

*5 長崎県「オープンナガサキ」

https://opennagasaki.nerc.or.jp/

*6 Open3D

http://www.open3d.org/

*7 Unity/Unireal Engine

https://unity.com/ja

https://www.unrealengine.com/ja/

*8 Civil 3D

https://www.autodesk.co.jp/products/civil-3d/overview

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