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Navisworksの干渉チェックに際して知っておきたい基本事項

建設設計業務においては繊細な作業が多く発生するため、必要に応じてソフトを切り替えながら対処する必要があります。Autodesk社が提供するNavisworksは、建設現場では重要な役割を果たすソフトとして普及していますが、中でも人気の機能が干渉チェックです。

この記事では、そんなNavisworksの干渉チェック機能について、基本的な運用方法を解説します。

目次:

  1. Navisworksの概要
  2. Navisworksの干渉チェックとは
  3. Navisworksにおける干渉チェックの進め方
  4. 干渉チェック以外に知っておくべき便利な機能

Navisworksの概要

NavisworksはAutodeskが提供する、3Dモデルのレビューソフトです。建設設計において、設計図や3Dモデルは作成して終わりではなく、要件を満たした図面であるか、運用上問題のないモデルであるかどうかを確認しなければなりません。レビューを経て修正という作業を繰り返し、質の高い図面や3Dモデルを完成させられます。

Navisworksは、レビューソフトとしてはさまざまな機能を有するハイエンド製品です。設計業務の効率化を図れるのはもちろんのこと、修正や設計そのものの品質向上や、設計にかける時間を短縮し、竣工までのスケジュールを短縮することにも繋がります。

Navisworksの干渉チェックとは

Navisworksの代名詞とも言える機能の一つが、干渉チェック機能です。干渉チェックを確実にこなすことは、予想外の設計ミスなどによる工期の遅れを回避したり、プロジェクトのクオリティを担保したりする上で欠かせません。ただ、干渉チェックを手動で行うには多くの時間を必要とするため、負担の大きい業務でもあります。

Navisworksの干渉チェック機能は、自動で干渉チェックを実行できるという、非常に便利なツールです。チェックを自動で実行し、確認が必要な箇所を短期間で洗い出すことができるため、調査にかかる時間を短縮できます。また、ケアレスミスによる干渉チェック漏れのようなアクシデントも回避できるため、業務品質の向上にも役立つでしょう。動きのあるオブジェクトとの干渉チェックや、時間経過で発生し得る干渉のチェックについても、Navisworks上で確認できます*1。

BIM導入の最大の魅力でもあるフロントローディング導入を促す上で、Navisworksの干渉チェック機能は非常に魅力的です。

Navisworksにおける干渉チェックの進め方

Navisworksを使った干渉チェックは、Autodeskによって以下の手順で実行できるとまとめられています*2。どのような操作が必要になるのか、ここで確認しておきましょう。

クラッシュテストの追加・選択

Navisworksを使った干渉チェックを実行する際、用いるのがClash Detectiveというツールです。このツールを活用することで、Navisworksに取り込んだ3Dモデルで干渉している箇所を特定し、ユーザーに報告することができます。

まずはホームタブからツールパネルを選択し、Clash Detectiveを選択しましょう。すると専用のウインドウが開きます。ウインドウから[テストを追加]をクリックし、新しいクラッシュテストを設定するか、以前実行したクラッシュテストを読み込みます。

クラッシュテストのルール設定

クラッシュテストのルール設定では、どのような条件で干渉チェックを行うのかを定義します。ルール設定をある程度行っておかなければ、大量の干渉箇所が発見され、解消すべき問題を見失ってしまう可能性もあるからです。

ひとまずこの干渉チェックにおいて調べたいことがわかるよう、どのような干渉が発生した時に指摘をするのか、この段階で定義します。[ルール]タブをクリックし、確認したい事項のみチェックボックスが記入されているよう設定しましょう。

干渉チェック対象の設定・チェック内容の確認と実行

続いて、どのモデルの干渉チェックを実行するのかを決定します。[ホーム]タブから [選択と検索]パネルを選び、 [項目を検索]をクリックします。するとウインドウが開くので、検索機能を使ってリストからチェックを実行したい項目を選び、チェック内容を確認しましょう。

Navisworksの干渉チェックではチェック対象をした後、どのようなチェックを行うのかをさらに詳しく指定することができます。各オブジェクトが交差しているものを検出するハード、干渉可能性を含んだオブジェクトも含めたハード(慎重調査)、オブジェクト間の距離が許容できる値以下であるものを検出するクリアランス、重複オブジェクトを示す重複と、バリエーションは豊富です。

チェック内容を設定できたら、テストを実行します。

干渉チェックの結果確認とレポート作成

クラッシュテストを実行した場合、テスト時の設定内容は保存することができます。設定内容をファイルに書き出し、以降はそのファイルを読み込むことで、全く同じ条件下でのテストを繰り返すことが可能です。

干渉チェックの結果が出たら、確認作業を行います。干渉箇所を確認し、必要に応じて修正作業が発生するでしょう。干渉チェックの結果はレポートを作成し、保存・共有します。問題の箇所は担当者に割り当て、修正してもらうよう依頼します。

問題が解決したかどうか、もう一度干渉チェックを行い、確認する工程も必要です。全ての干渉が解消されれば、チェック作業は完了となります。

干渉チェック以外に知っておくべき便利な機能

Navisworksの干渉チェック機能は非常に便利ですが、それ以外にも覚えておきたい機能を複数抱えているのがこのソフトの特徴です。

モデル統合

Navisworksは、複数のBIMモデルを一つのプロジェクトに統合し、運用できるレビュー機能を備えています。一つずつモデルを扱うのは手間がかかりますし、確認漏れなどを招くこともありますが、モデルを統合運用すればその心配はありません。

シミュレーション

Navisworksは施工スケジュールをインプットすることで、施工の様子をアニメーションでシミュレートすることができます。現場管理のシミュレーションや、理想的なマネジメントのあり方を、施工前に確認ができるでしょう。

まとめ

この記事では、Navisworksの干渉チェック機能について、主なメリットや具体的な実施方法について解説しました。Navisworksはハイエンドなレビューソフトということもあり、干渉チェック機能のクオリティも高いレベルに達しています。運用にはある程度のノウハウが求められますが、高いパフォーマンスを期待できるのは間違いありません。

Navisworksの正しい使い方を学び、品質と生産性に優れた業務を実現しましょう。

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参考:
*1 Autodesk「適切な計画を立てて施工に臨むために」
https://damassets.autodesk.net/content/dam/autodesk/www/pdfs/ebooks-jp/bim-for-construction-in-trial-navisworks-ebook-ja.pdf p.4

*2 Autodesk「Navisworks Manage 干渉チェック入門」
https://bim-design.com/infra/training/file/Navisworks/NW_ClashDetective_Guide_outline.pdf p.3

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