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初心者必見!国土交通省のBIM/CIMガイドラインで使い方を確認

建設業界で導入が進んでいるBIM/CIMですが、次世代の3Dモデリング技術であるだけに、どのように活用すれば良いかがわからない、従来のCADモデリングと何が違うのかわからない、といった問題も聞かれます。

今回は、初めてBIM/CIMを運用するという方に向けて公開されている、国土交通省のBIM運用ガイドラインをご紹介します。ぜひこちらの文章を参考にして、BIM運用を進めてみてください。

国土交通省のBIMガイドラインとは
BIMガイドラインの目的と効果
BIMガイドラインで確認しておきたいポイント
今後のBIMガイドラインの運用方針

国土交通省のBIMガイドラインとは

国土交通省は、2014年3月にBIMガイドラインの策定を発表しました。BIMモデルの作成方法やその運用プロセスについての基本的な手続きをまとめ、同年より官庁営繕事業の設計業務、及び工事に適用されています*1。

2020年9月の第4回BIM/CIM推進委員会では、新たに2023年度までに小規模を除く全ての詳細設計・工事においてBIM/CIMを原則適用するという方針も定められ、BIM運用の更なる加速が進むと予想されます*2。土木インフラ向けのCIMについてもBIM/CIM活用ガイドライン(案)への再編が行われ、2020年3月に公開されました。一度はBIMから枝分かれしたCIMですが、BIMとの統合が進められています。

BIMガイドライン策定の効果

国土交通省が主体的にBIMガイドラインを策定することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。国交省は、以下二つの目的を掲げています。

BIM利用目的の明確化

一つ目は、BIM利用目的の明確化です。BIMに対する認知度がまだまだ発展途上の今日では、BIM導入が進まない理由の一つに「BIMをどうやって使えばいいかわからない」という悩みを抱えている事業者が多いというものも挙げられます。

民間ではなく、国交省が行政として主体的にBIM運用のスタンダードを定義づけることで、BIM運用に関する共通理解を深め、更なる普及を後押しできます。

BIMモデル作成の目安の提供

二つ目は、BIMモデル作成における目安の提供です。BIMモデリングを使って具体的にどのようなことができるのか、実際のケーススタディを紹介してインスピレーションを与えるとともに、パラメータやディテールをどれくらいの粒度で設計するのかを例示します。

これによって、BIMを導入する受注者のBIMモデル作成の効率性が高まることが期待されています*3。

BIMガイドラインで確認しておきたいポイント

BIMガイドラインが言及しているのは、設計業務と工事におけるBIM運用についてです。それぞれの注目すべきポイントを確認しておきましょう。

設計業務について

設計業務において、ガイドラインではBIMモデルをとにかく効率的に活用することが求められています。設計業務においてそもそもどのようにBIMを適用するのか、技術的検討を行う場合にはどのように実施すれば良いのかについて、業務計画書への記載なども含めた定義づけがされています*4。

内外観の様子や納まりについて、BIMを使った可視化をしながら干渉チェックを行うことで、統一された企画での設計図書の運用を進められるようになります。

工事について

工事については、主にBIMモデル作成がどのような範囲までを対象としているのかについて、定義づけが行われています。完成図として扱えるデータ形式や、納品の際の手順、そしてどういった手続きの際に協議が必要なのかについて、細かに指定されています*5。

また、BIMガイドラインとはいえ必ず全ての工程にBIMを使用しなければならない、とはしておらず、利用目的に応じて適用範囲を適宜設定することで、業務効率化を目指すべきとしています*6。過度にサービスに依存することなく、あくまでも手段の一環としてBIMを用いることを推奨しているのが特徴です。
今後のBIMガイドラインの運用方針
BIMガイドラインの策定によって、BIM運用のスタンダードは以前に比べて大幅に強固なものになったと言えます。最新テクノロジー活用を促すBIMガイドラインは、最新の運用状況に合わせてアップデートも繰り返されるため、定期的に確認することが推奨されます。

今後、BIMガイドラインはアップデートを前提としながら、以下のような運用方針を定めています*7。

幅広い公共発注機関への周知

一つは、より多くの公共発注機関へのBIMの周知です。BIM運用を妨げている、BIMへの理解不足を補うべく、BIMガイドラインは策定されています。建築分野におけるBIMの普及、及び発展への寄与が期待され、それらのメリットを最大化するためにも、多くの関係者にガイドラインへ触れてもらうことが重要視されています。広く普及が始まれば、次第にBIM運用は事実上義務付けられることにもなるため、今日のような過渡期においてはとにかく周知の拡大が重要になるでしょう。

更なる実施例の拡充

BIM運用のイメージを固めてもらうためには、更なる実施例の拡充が必要です。実際にガイドラインに則って建設されたプロジェクトの事例を増やしていき、あらゆる事業での適用可能性を広め、使い方を理解してもらうために重要です。

すでに公共事業を中心に、ガイドラインに則ったプロジェクトの開発は次々と進められています。今後5年から10年の間で、ガイドライン策定の結果が現れてくることになりそうです。

まとめ

BIM運用は民間での取り組みが重要になりますが、運用の基準を作っているのが国土交通省です。特定のサービスやプロジェクトに偏ることなく、フラットな視点からBIM運用の効果的な方法についてまとめてくれているため、ガイドラインに則った運用は有意義であると言えます。

BIM運用に悩まされている場合には、ひとまずガイドラインを読み込むところから始めてみるのも良いでしょう。

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*1 国土交通省「「BIMガイドライン」の策定とその運用について」
https://www.mlit.go.jp/report/press/eizen06_hh_000019.html
*2 けんせつPlaza「いまさら聞けない BIM/CIMの始め方」
https://www.kensetsu-plaza.com/kiji/post/35665
*3 国土交通省「報道発表資料:「BIMガイドライン」の策定とその運用について」
https://www.mlit.go.jp/report/press/eizen06_hh_000019.html
*4 国土交通省「BIMガイドライン(設計業務編)」p.7
https://www.mlit.go.jp/common/001029776.pdf
*5 国土交通省「BIMガイドライン(工事編)」p.23
https://www.mlit.go.jp/common/001029777.pdf
*6 国土交通省「「BIM ガイドライン(官庁営繕事業における BIM モデルの作成及び利用 に関するガイドライン)」の概要」
https://www.mlit.go.jp/common/001029774.pdf
*7 *3に同じ

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