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Civil 3D 2024とは?なにができる?どう違う?導入事例とよくある質問までわかりやすく解説

Civil 3D 2024は、2023年4月4日にリリースされたオートデスクのCIMソフトウェアです。(1)(2)
同シリーズの最新版は2024年4月2日リリースのCivil 3D 2025となるため、一つ前のバージョンになります。(*1)(記事執筆時点2024年7月31日)

CIMとは、コンストラクション・インフォメーション・モデリングの略で、土木工事の生産性向上を目指す取り組みのことです。(*3)
具体的には、設計、施工、数量などの情報を含む3Dモデル(CIMモデル)を作成し、関係者間で共有することで、工事全体の業務効率化を実現します。

この記事では、オートデスクのCIMソフト「Civil 3D 2024」について解説します。
ソフトウェアの概要のほか、大きな成果を上げている導入事例と、よくある質問をご紹介します。
これからCivil 3D 2024の導入を予定している方は、ぜひご一読ください。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

1.Civil 3D 2024とは?
2.Civil 3D 2024の導入事例
3.よくある質問(Civil 3D 2024の動作環境、価格など)

Civil 3D 2024とは?AutoCADとの違いは?

まずは、Civil 3D 2024とはどんなソフトなのかを見ていきましょう。
Civil 3D 2024は、オートデスクの土木インフラ設計ソフトウェアです。
設計だけでなく、CIMに活用できるよう、ドキュメント作成の機能もついています。

3Dモデルの作図といえば、AutoCADなどのソフトもありますね。
しかし、土木インフラ設計においてはCivil 3D 2024を使う大きなメリットがあります。

その一つが、作業時間の短縮です。(*4)
土木インフラ設計では、まず測量データを読み込んでサーフェス(地形)の作成をする必要がありますが、Civil 3D 2024の機能を使うと、その作業時間を最大で96%短縮することが可能です。
また、図面作成、数量算出、集計表の作成など、設計作業のあらゆる場面において作業時間が短縮できるため、総合するとAutoCADよりも最大で95%生産性が向上するという結果が出ています。

Civil 3D 2024の新機能は?

Civil 3D 2024は、土木インフラ設計の作業時間を短縮することが可能なソフトウェアです。
ここからは、具体的にどんな機能があるのか見ていきましょう。

測量機能の強化

Civil 3D 2024では、測量データ作成のスピードアップが可能になりました。(*5)
測量データをダウンロードして、地形モデルを作成、解析することができます。
また、現場で取得した測量データをオフィスに転送できるため、作業プロセスが合理化でき、作業のスピードアップにつながります。
さらに、点群データを使ったサーフェスモデリングも可能です。

コリドーモデリングの機能強化

Civil 3Dには、道路や鉄道などの3Dモデルが作成できる「コリドーモデリング機能」があります。(*6)
Civil 3D 2024では、コリドーの摺り付け(直線と曲線を滑らかに接続する)部分を作成する機能が強化されました。
新機能では、異なる図面への摺り付けセットのコピーと貼り付けができるようになっています。
また、コリドーの編集中に、複数の基線を追加できるようになりました。
さらに、コリドーの生成中に複数の基線を作成する機能も追加されています。

設計と書き出しのスピードアップ

土木インフラ設計に取り組む中で、「毎回同じことをしているから自動化したい」と思う部分はないでしょうか?
Civil 3D 2024では、設計と書き出しの自動化が可能になりました。(*7)

設計では、ビジュアルプログラミングツール「Dynamo for Autodesk Civil 3D」を使って、タスクを自動化することができます。
自動化するためのヒントとなるサンプルが用意されているため、初めての方にも取り組みやすくなっています。

また、図面や集計表の書き出しが素早くできる「Project Explorer」も用意されています。
Project Explorerを使うと、Civil 3DのデータからAutoCAD 図面を作成したり、表の数値を編集して直接図面を編集することができます。

Civil 3D 2024の導入事例

Civil 3D 2024には、生産性向上に役立つ機能が多く用意されています。
ここでは、Civil 3D 2024の導入事例から、どのような過程で生産性向上が実現できるのかを見ていきましょう。

富山県富山市の総合建設コンサルタント「NiX JAPAN 株式会社」の導入事例です。(*8)
同社では、Civil 3DほかBIM/CIMソフトウェアを活用して、業務成績の評価点アップを実現しました。

導入のきっかけは、2023年度からスタートした国土交通省による BIM/CIM 原則適用でした。
最初は少数の社員による試験的な形でCIMモデルを作成していましたが、徐々に全社での取り組みにシフトしていきます。
BIM/CIM活用のためにPCやソフトウェアなどのソリューションを積極的に整備するなど、社内方針を転換して積極的な導入を行いました。

その結果、導入の翌年には埼玉県の橋梁耐震補強設計、さらに次年度には東京都水道局の水管橋耐震補強設計でそれぞれ高得点を獲得し、優秀表彰も受賞しています。
Civil 3D 2024の導入により、社内の生産性向上はもちろんのこと、発注者からの評価も向上しています。

Civil 3D 2024のよくある質問

Civil 3D 2024について、大まかに把握していただけましたでしょうか。
ここからは、Civil 3D 2024に関するよくある質問をご紹介します。

Civil 3D 2024の動作環境は?

Civil 3D 2024の動作環境はこちらです。(*9)

OS:64 ビット版 Microsoft Windows 11 または Windows 10
プロセッサ:推奨 3GHz以上のプロセッサ(ベース)、4GHz以上(ターボ)
メモリ:推奨 32GB
ディスプレイカード:DirectX 12 互換
ディスク空き容量:推奨 20.0 GB(SSD)

なお、点群データなどの大規模なデータセットを扱う場合はさらに次の環境が必要です。
メモリ:16 GB 以上のRAM
ディスク空き容量:6 GB 以上のハード ディスク空き容量(インストールに必要な空き容量を除く)
ディスプレイカード:3840 x 2160 (4K)以上の True Color 対応ビデオ ディスプレイ アダプタ
12 GB 以上の VRAM
Pixel Shader 3.0 以上
DirectX 対応ワークステーション クラス グラフィックス カード

Civil 3D 2024の価格はいくらですか?

Civil 3D 2024の価格は、432,300円(1年・1ユーザー)です。(*10)
もしオートデスクのほかのソフトウェアをお使いの場合、AEC Collectionとしてセット購入したほうがお得に利用できる場合があります。

AEC Collectionは、AutoCADやRevitをはじめとしたオートデスクのソフトウェアが9つ含まれています。
AEC Collectionの価格は、554,400円(1年・1ユーザー)です。(*11)

Civil 3D 2024の体験版はありますか?

Civil 3D 2024には、無償で使える体験版があります。(*10)
体験版の利用期間は30日間です。
およそ一か月の間、製品版のソフトウェアで機能を確認することができます。

ダウンロードは公式サイトから可能です。
サンプルやチュートリアルも用意されているので、気軽に使ってみましょう。

Civil 3D 2024とAuto CADの違いは?

Civil 3D 2024は、CIMに適した土木インフラ設計のソフトウェアです。
対して、Auto CADは2D・3D作図ソフトです。

3Dモデルの作成のみならAutoCADでも可能ですが、CIMに適した機能はCivil 3Dのほうが豊富です。
2D・3Dの作図のみならAuto CAD、CIMに適応した土木インフラ設計ならCivil 3Dが適しています。

Civil 3D 2024とRevitの違いは?

Revitは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のためのインフラ・建築設計ソフトウェアです。
Civil 3Dは土木インフラ設計のソフトウェアなので、建築物の設計には向いていません。
そのため、BIMの建築設計にはRevitを、CIMの土木インフラ設計にはCivil 3Dが適しています。

まとめ

Civil 3D 2024は、土木インフラ設計を行う上で欠かせないCIMソフトウェアです。
導入実績では、積極的な導入で生産性が向上し、発注者からの評価アップにつながる事例がありました。
大規模なデータセットを扱う場合、動作環境は推奨スペック以上のものを準備しましょう。
導入には、数百万円規模のコストがかかる場合もあります。
社内での運用イメージを固めながら、長期的な計画を立てていきましょう。

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◆参考URL

*1 Autodesk Support「Civil 3Dソフトウェアリリースに基づいてCivil 3Dビルドバージョンを判断する方法」

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/How-to-determine-the-Civil-3D-build-version-based-on-Civil-3D-software-release.html

*2 AUTODESK BIM Design 土木・インフラ向け「AUTODESK® CIVIL 3D® 土木インフラ設計、ドキュメント作成ソフトウェア」

https://bim-design.com/infra/product/civil3d/

*3 国土交通省 BIM/CIMポータルサイト「初めてのBIM/CIM」

https://www.nilim.go.jp/lab/qbg/bimcim/bimcim1stGuide_R0109___hidaritojiryomen_0909.pdf

*4 AUTODESK BIM Design 土木・インフラ向け「Civil 3D と AutoCAD のメリット比較」

https://bim-design.com/infra/assets/file/ACAD-vs-Civil3D-StudyHighlights.pdf

*5 ヘルプのホームページ Autodesk Civil 3D「概要 – 測量」

https://help.autodesk.com/view/CIV3D/2024/JPN/?guid=GUID-3F6B8540-C1EE-491E-B0D8-5FC0E845EBF8

*6 AUTODESK「概要 – コリドー モデリング」

https://help.autodesk.com/view/CIV3D/2024/JPN/?guid=GUID-F2246A0B-809E-4801-97A5-EFACFA05EE46

*7 AUTODESK「Civil 3D の主な機能」

https://www.autodesk.com/jp/products/civil-3d/features

*8 AUTODESK BIM Design 土木・インフラ向け「NiX JAPAN 発注者から評価されるツールに成長 業務成績アップの効果鮮明に」

https://bim-design.com/infra/case/nix-japan.html

*9 Autodesk Support「Autodesk Civil 3D 2024 の動作環境」

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/System-requirements-for-Autodesk-Civil-3D-2024.html

*10 AUTODESK「Autodesk Civil 3D: 包括的かつ詳細な土木インフラ設計とドキュメント作成のためのソフトウェア」

https://www.autodesk.com/jp/products/civil-3d/overview?term=1-YEAR&tab=subscription

*11 AUTODESK「Autodesk Architecture, Engineering & Construction Collection」

https://www.autodesk.com/jp/collections/architecture-engineering-construction/overview?term=1-YEAR&tab=subscription

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