1. TOP
  2. ブログ
  3. 「Apple Watch Series Xが大型画面になるという噂」が悩ましい点について

「Apple Watch Series Xが大型画面になるという噂」が悩ましい点について

イギリス調査会社のアナリストが、「Apple Watch Series X」が大画面になるとの予想を発表しました。これは、2023年秋に登場予定の「Series9」の話ではありません。さらにその翌年の2024年モデルの話です。
今回はこの噂を軸に、「Apple Watch」の大画面化と「Series9」についての話題なども織り交ぜてまとめてみたいと思います。

・Apple Watch Series Xは2インチを超える大画面になるのか
・Series 9に関する予想のまとめ
・普通の時計の大きさについて

Apple Watch Series Xは2インチを超える大画面になる?

今回のソースは、英市場調査会社「Omdia」のアナリストである、David Hsieh氏から発信されました。
2024年のリリースが予想されている「Apple Watch Series X」に、1.89インチと2.04インチの2種類が採用されるというものです。2.04インチはメートル法だと約51.8mmになります。

ただし「Series X」という名称は、Appleが正式に発表しているものではなく、Hsieh氏が仮の名称として使っています。Apple Watchのナンバリングは初代の後に「Series1」があり、そこから順次加算され現在は「Series8」が最新モデルです。

この順番で進むのであれば、2023年秋に発表されるものが「Series9」、2024年秋発売が「Series10」になると思われます。
2024年モデルはSeriesでいうと10、初代を加えた「世代」でカウントするならば11世代目に相当します。

実は、「X」というナンバリングはMacOSで初めて採用されました。旧来のOSと異なり、カーネル部分がBSD UNIXベースになり、プリエンティブマルチタスクの実現や強固なメモリ保護など、信頼性と安定性を実現することに成功しています。

このようなOSの画期的な進化をアピールすることもあり、それまでの算用数字によるナンバリングから、ローマ字表記で10を表すXに変えられました。
その後はXが固定され、小数点以下を使ってバージョンの進化を表現しています。AppleにとってXは、それだけ重要な意味を持っている表記です。

またiPhoneでは、8の次に9を飛ばしてXが採用されました。
ホームボタンをなくすなど、それまでのiPhoneとは一線を画す機種だからという見方もありますが、どちらかというと「プロダクトとしての到達点」に達したという、ブランディングの意味が強いのではないでしょうか。

では、Apple Watchの話題に戻りましょう。
2024年はちょうどApple Watch登場から10年目にあたります。プロダクトとしての機能は十分完成形に近づいていることもあり、Xを冠するにふさわしいタイミングとも思えます。

その記念すべきモデルであるにもかかわらず、なぜ「画面の大型化」が一番の話題として出てくるのでしょうか。
もちろん、マイクロLEDの搭載なども期待できますが、スマートウォッチとして、機能面での進化はもうそれほど期待できないから、というのも理由の一つかもしれません。
「画面が大きくなる」ことくらいしか特筆すべき特徴がない、そんな可能性も否定できません。
 
元々Apple Watchは、iPhoneと連携した「サブ情報端末」として登場しました。この段階では「メールの着信がわかる」とか「スケジュール機能」などに多くの人が注目していたはずです。

しかし徐々に、「手首に常時装着して使用する」=「身体情報の測定ができる」を有効に活用した、フィットネス分野や健康管理分野での比重が高くなってきました。
最近のモデルでは、特にこのような分野での機能拡充がメインとなっており、コミュニケーション分野やPDA的な機能はそれほど進化していません。

「Series8」で登場した「Ultra」では、防水機能の強化などダイビング分野に特化した新たな展開を見せています。しかしこれもフィットネス分野の延長線と捉えれば、自然な流れなのかもしれません。

Apple Watchの心臓部であるプロセッサは、モデルに合わせて「Sシリーズ」が搭載されています。Series6にはS6チップというように、Seriesとナンバリングを合わせています。しかし、そのSiP(System in a Package)の識別コードは、6から8まで全て同じであることがわかっています。
これは、Apple Watchの心臓部はSeries6も7も8(Ultraも含む)も、ほぼ同じことを意味します。もちろん、搭載されているセンサー類などは少しずつ進化していますが、パフォーマンスに大きく影響するプロセッサは、ここ数年進化を止めています。

このような事情から、「画面の大型化」ぐらいしか目立った話題がない、という少し悲観的な見方もできそうです。*注1

Series 9に関する予想のまとめ

ここで一旦「Series X」の事は置いておき、2023年秋にリリースが予想される「Series9」についての噂を少しまとめてみましょう。

「Series 9」の予想

 ・発売予定 2023年9月

 ・価格   据え置き(日本発売価格)

Apple Watchの発売は毎年9月です。特に大きな理由がない限り、このスケジュール通りに進むでしょう。
また、日本での発売価格は為替レートに依存します。「Series8」で大幅な値上げがあったため、これ以上の値上げは考えにくいのではないでしょうか。むしろ、少し下げて欲しいというのが、国内ユーザーの共通する願いでしょう。

 ・衛星通信機能の搭載

「iPhone14シリーズ」に採用された、衛星経由の緊急SOS機能の搭載が噂されています。しかし技術的な問題があり、実際に実現するかどうかは微妙なところです。

 ・新チップの搭載

最近になって、「iPhone 13」で採用されたA15ベースのチップが搭載されるのでは?という噂が出てきました。もしこれが本当なら、大幅にハードウエア性能の向上が期待できます。

 ・血圧、血糖値測定機能の搭載

新たなモニタリング機能が搭載されるという噂ですが、これについては「SeriesX」になるという予測もあります。

他にも「Digital Crown」の廃止や、光学センサーを利用したジェスチャー操作なども噂されています。またケースサイズはこれまでと同じという見方が主流です。

いくつかの噂・予測をまとめてみましたが、すでに他社のスマートウォッチでは実現している機能もあり、それほど「目新しさ」は感じません。
 もし新型チップの搭載がなければ、マイナーバージョンアップ程度の内容です。

マイクロLEDの採用も期待されていますが、もし「新型チップ+マイクロLED」が実現するなら、それこそ「SeriesX」の名を冠し、高々と発表するのではないでしょうか。
「Series9」でハードウエアが大幅に進化し、来年の「SeriesX」がマイナーバージョンアップというのでは、AppleのXブランドに傷がつきかねません。

あくまで個人的な予測ですが、2023年モデルで新型チップとマイクロLEDを採用するなら、ナンバリングは9を飛ばしてXで登場。
そうでないなら、新型チップとマイクロLEDの少なくともどちらか一つは2024年のSeriesXへ、というのがAppleらしいのではないでしょうか。*注2

普通の時計の大きさはどのくらい?

ところで皆さんは「Apple Watch Series X」の大画面化について、肯定的でしょうか?否定的でしょうか?

スマートウォッチは、2つの矛盾するテーマがせめぎ合った結果で、画面の大きさが決まります。

1つ目は「情報端末である」という性質です。
表示される情報は画面が大きければ大きいほど見やすく、わかりやすいはずです。この観点から設計するなら「大画面は正義」と言えるでしょう。

2つ目のテーマは「手首に装着する大きさには限界がある」ことです。
ただ装着するだけなら、ある程度の大きさまでは問題ないでしょう。しかし、服装とのバランスやシチュエーションなど、「腕に装着していることがあまり主張しすぎない」大きさが求められることもあります。

従来の腕時計は、40mm以下のサイズが主流でした。ビジネスシーンでは、スーツの袖に隠れてあまり主張しないサイズである38mmモデルなどが良いとされています。

日本を代表する時計メーカーであるセイコーのフラッグシップモデル「グランドセイコー」は、長い間37mmが主流でした。また、ロレックスのデイジャストは31mmから41mm、サブマリナーは40mmです。

クロノグラフの代表格であるブライトリングのクロノマットでさえ、大きさは44mmです。クロノマットはそのデザインのせいもありますが、主張が激しく一目で「ブライトリングをつけている」というのがわかります。とてもスーツの袖に隠れるなんて奥ゆかしいものではありません。

ところが「Apple Watch Series X」は、この44mmを大きく上回るケースサイズで登場するというのです。
デザイン的には腕時計をイメージした大きさからスタートした「Apple Watch」ですが「情報端末」としてのテーマを追求した結果、大画面化が優位となっています。

腕時計の方も、1997年にパネライが高級腕時計市場に参入してから、いわゆる「デカ厚」ブームが業界を席巻します。
ビジネスシーンであっても「大きくて分厚い」腕時計をつける人も増えてきました。実は私、この「デカ厚」が苦手で、自分では「薄くて標準サイズ」の腕時計を好んで使っています。そのため、個人的には「スクエア型・大画面」の「Apple Watch」は、あまり好きなデザインではありません。

主張が強すぎる上に、手首の細い人が装着しているのを見ると、不恰好にすら思えてしまいます。常々そう感じていたところなのに、さらなる大型化の噂。
この記事のタイトルを「悩ましい」としたのにも、このような事が理由となっています。*注3

【まとめ】
今回は「Apple Watch Series X」の大画面化についての噂を中心に、やや個人的な感想も交えて記事にしてみました。
Apple Watchに限らず、スマートウォッチの大型デザインがあまり好きではない、そんな方も多いはずです。
高性能かつ自然に装着できて、主張の激しくないデザインと大きさのスマートウォッチ。Appleにもう一度「スマートウォッチデザインの再設計」をお願いしたいと考えるのは私だけでしょうか。

建築・土木業向け BIM/CIMの導入方法から活用までがトータルで理解できる ホワイトペーパー配布中!

❶BIM/CIMの概要と重要性
❷BIM/CIM導入までの流れ
❸BIM/CIM導入でよくある失敗と課題
❹BIM活用を進めるためのポイント
についてまとめたホワイトペーパーを配布中


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

■参考文献
注1
Yahoo! News(PILE WEB) 「2024年に画面大型化した「Apple Watch Series X」登場の予想」
https://news.yahoo.co.jp/articles/1e673307113d310a0f6d0e9e038e8d03cd8328f9

GetNavi Web 「「Apple Watch Series X」と「SE 3」は2024年に登場? 画面は最大10%大きくなる予想」
https://getnavi.jp/digital/832059/

注2
iPhone Mania 「Apple Watch Series 9でついにSoC刷新か!?新機能、仕様など予想」
https://iphone-mania.jp/news-527124/

ガジェットブログ イマジネーション 「【2023年新型】Apple Watch 9はどう進化する?発売日・スペック・新機能まとめ」
https://www.maturikun.com/applewatch-9-2023

GIZMODO 「Apple Watchシリーズ8/UltraのCPUはシリーズ6、7やSEと変わらない」
https://www.gizmodo.jp/2022/09/apple-watch-cpu-not-changed.html

「Apple Watch Series 9、大幅スペックアップを果たしそう!」
https://www.gizmodo.jp/2023/05/apple-watch-series-9-soc.html

注3
ロデオドライブ 「自分に似合う腕時計のケースサイズは?主要ブランドのサイズも解説!」
https://kaitori.rodeodrive.co.jp/column/watch-size/

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP