1. TOP
  2. ブログ
  3. Appleから折りたたみモデル発売のウワサ再び!今度は実現するのか?

Appleから折りたたみモデル発売のウワサ再び!今度は実現するのか?

Appleの折りたたみiPhoneについては、2017年頃から時折ウワサが流れては消えてきました。折りたたみスマホの分野はサムソンが市場をリードしており、他にもHuaweiやOppoなど、いくつかのモデルを市場に投入しています。
昔のガラケーを彷彿とさせるコンパクトな折りたたみ携帯や、タブレット並みの大画面を実現するタイプなど、根強いニーズがあります。
果たして今回の「折りたたみiPhoneのウワサ」は、どの程度の信憑性があるのでしょうか。

この記事でわかること
 ・Apppleの折りたたみモデルに関するウワサについて
 ・折りたたみモデル発売の可能性はについて
 ・他メーカーの折りたたみモデルについて

Apppleの折りたたみモデルに関するウワサ

今回のウワサは2023年2月に、Appleが申請していた「折りたたみ式の電子デバイスに関する特許」が承認されたことがきっかけとなっています。この特許は2021年に申請されていたものであり、2023年になってUSPTO(米特許商標庁)の審査を通過し、無事承認されました。

また2023年5月には、Googleが新たな折りたたみスマホ「Pixel Fold」を発表したことから、市場ではAppleも対抗してくるのでは?という期待が高まっています。
現在、折りたたみスマホ市場はサムスンがリードしており、ファーウェイやOppoがそれに続いています。そこにGoogleも参入してくるということは、いよいよ次はAppleか?という流れが考えられます。

かつてのガラケーのようなコンパクトに折りたためるタイプや、大画面を実現するタイプなどを求めるユーザーにとって、折りたたみモデルは非常に魅力的です。
しかし、Androidにしか折り畳みスマホの選択肢はないため、今回のウワサが本当であれば、iPhoneユーザーで不満を持っている人にとっては朗報となりそうです。

ここまでは状況証拠にすぎません。しかしAppleは製品発表まで、公式には情報を一切出さないことで有名です。事前に何らかの発表をすることはまず考えられません。他にこのウワサを補強するような情報はあるのでしょうか?

有名リーカーであり、これまでも精度の高い予測でAppleの新製品発売を的中させてきたMing Chi Kuo氏は、2024年に折りたたみモデルがリリースされるとコメントしています。
後に2025年リリースと修正していますが、iPhoneではなく、iPadか新しいタイプのカテゴリーになるとも予測しています。

ディスプレイアナリストのRoss Young氏も、20インチ前後の折りたたみモデルを開発中と示唆していました。ただしこれもiPhoneではなく、Macとの見解です。
また、Appleは現在AR分野などに注力していることから、折りたたみモデルの市場投入は2025年ごろだとも予測しています。

他にも、折りたたみモデルに関するいくつかの特許や、アナリストの予測などがありますが、全体として「バラバラ」な印象で、総合してみても「発売直前」という感じはしません。
研究開発は間違いなく行っているようですが、製品として実現するかどうかはかなり微妙という感じではないでしょうか?。*注1

折りたたみモデル発売の可能性は?

今後数年の間に、Appleから折りたたみモデルのiPhone、もしくはiPadは発売されるのでしょうか?

客観的にみていくつかの理由から、少なくともiPhoneの折りたたみモデルは実現性が乏しいように思えます。その根拠を示していきましょう。

(1)市場規模が小さい

IDC(International Data Corporation)によると、2022年のスマートフォン出荷台数は12億4,000万台。その中で折りたたみスマホは、わずか1.3%の1,700万台にしかすぎません。
折りたたみスマホが初めて市場に登場したのが2017年ですので、まだまだこれからの分野ではありますが、Appleにとってそれほど魅力を感じるボリュームではないと思われます。

iPhoneは、1アイテムで数億台を販売する、驚くべきプロダクトです。大量のパーツを、世界中のサプライチェーンを駆使して調達・アッセンブリして市場に投入する。このようなモデルで高い利益率を確保し、安定した経営で世界をリードし続けてきました。

そのAppleにとって1,700万台の市場規模は、新たな製造ラインを増やし、最新技術を導入した製品を発売するには、あまりに小さすぎるのです。
もちろん、Appleの新たなデバイスが折りたたみ市場を底上げし、新たなステージへと進める可能性はあります。とは言え、もう少し市場の拡大を待ってからでも遅くはないでしょう。*注2

(2)iPhoneの方向性や市場ニーズと合わない

折りたたみスマホは、大きく分けて2種類に分類されます。
一つ目は、縦長のスマホを折りたたんで小さくするタイプです。かつてのガラケーのように、普段は小さく折りたたんでおいて、使う時に「パカッ」と開けるタイプです。

この形は携帯性を重視したモデルで、開いた時の画面自体は現状の大型スマホぐらいになります。
想像してみましょう。今、皆さんが使っているiPhoneが折りたためるとして、購入する選択肢に入るでしょうか?

使えるアプリや機能、開いた時の使い勝手は現状のものとほぼ変わりません。単に、「小さく折りたためる」だけです。折りたたんだ時の厚みはほぼ2倍になり、製品価格は現状よりも確実にアップします。
さらにどんなに丈夫だといわれても、折りたたみ部分は確実に劣化していきます。このような仕様のiPhoneを欲しいと思いますか?

物好きな人は一定数存在するでしょうが、とても多くのユーザーに訴求できるとは思えません。「小さなiPhone」は市場から求められてないことは、iPhone miniでも実証されています。

折りたたみスマホのもう一つのタイプは、普段使っているスマホサイズから横に開いて画面サイズが倍に広がるものです。では、iPhoneを横開きして大画面になるタイプのデバイスになった場合、どうでしょうか?
コンパクトタイプ(縦折り)よりは可能性がありそうですが、これも製品化は難しいのでは?と考えています。

大きな理由としては、大画面ならiPadがあるからです。「いやいや、タブレットクラスの画面サイズを持つスマホが欲しいんだ」という方もいるでしょう。しかし、Appleは製品カテゴリーを頑固に区別するメーカーです。

確実に市場ニーズがあるにもかかわらず、いまだにAppleはMacにタッチパネルを採用していません。「MacとiPadは別のカテゴリーであり、タッチパネルが必要ならiPadを購入してください。」これがAppleのスタンスです。
「大画面のiPhoneが欲しければ、最上位モデルを使ってください。それ以上ならiPadをどうぞ。」おそらく、Appleはこう言うのではないでしょうか。

(3)単なる「折りたためるiPhone」を作るとは思えない

前述した通り、Appleにとって「単に折りたためるだけ」のiPhoneに魅力があるとは思えません。iPhoneともiPadとも異なるカテゴリーとして、折りたためることを最大限に活かした「新たな価値」を見出さない限り、製品化しないように思えます。

これまで、Appleが新しいカテゴリーの製品を発売する際には、市場自体を創造し、開拓、拡大する、そこまでがワンセットでした。スマホ市場・タブレット市場・スマートウォッチ市場・高級イヤフォン市場などが実例です。
折りたたみスマホ市場をAppleのデバイスがリードするぐらいの見込みがない限り、製品を投入してくることはないと思います。

(4)新たなOSの開発が必要となる

Appleは、iPhone・iPad・Apple Watch・Apple TV・Macなどの製品で、それぞれ異なるOSを使っています。もしAppleが折りたたみスマホを製品化するなら、必ず専用のOSも開発するはずです。
ハードとソフトの両方を同じメーカーが設計し、製造している。それが抜群の操作性を実現できていることが、Apple製品の優位性を保っています。iOSを流用するようなことは、まずやらないでしょう。

折りたたみiPhoneを発売するには、新OSの開発から折りたたみ機構を実現するパーツの調達やアッセンブリのラインの確保、対応するアプリ開発や新筐体の設計などが必要です。
現状の市場規模を考慮すると、これだけのコストに見合うニーズはあるのでしょうか?それだけのリソースを既存のiPhoneに投入した方が、効率は良いのではないかと思われます。

このようないくつかの点を考慮すると、Appleの折りたたみモデル、特にiPhoneの実現性はかなり低いように思えます。
では、iPadなら?Macなら?と考えてみても、いずれもイメージが湧きません。現状の製品ラインナップで、十分ニーズには対応できてるように思えますし、折りたたみモデルが入り込む隙がなさそうに感じます。

他メーカーの折りたたみモデルについて

現在、折りたたみスマホ市場をリードしているのはサムスンです。Galaxy Z Flipシリーズが、縦折りでコンパクトになるタイプ。Galaxy Z Foldシリーズが横に開いて大画面になるタイプです。

 ・Galaxy Z Fold 3(約15万円)
 ・Galaxy Z Fold 4 5G(約17万円)
 ・Galaxy Z Flip 3(約10万円)
 ・Galaxy Z Flip 4(約13万円)

 ※市場価格は変動するため、大体の価格を表示しています。(2023年時点)

日本で利用できるのは、サムスンとHuaweiの製品のみとなっています。

 ・Huawei Meta Xs2(約37万円)
 ・Huawei Meta Xs(約48万円)
 ・Huawei Meta X2(約59万円)

Huawei製は、かなり高額設定になっていますので、明確な理由がないと手が出しにくいですね。約23万円のP50 Pocketというタイプもありますが、安いといっても20万円オーバーですので、iPhoneの最上位クラスに手が届きます。*注3

どうしても折りたたみスマホが欲しいという方は、日本での取り扱いがあるかどうか、国内キャリアが対応しているかなどを調べた上で求めると良いでしょう。
しかし、スマホは数年で確実に陳腐化する「消耗品」です。一生モノの時計やスーツ、カバンなどが買える金額をかけるのは、なかなか躊躇してしまいます。

【まとめ】
何度も浮かんでは消えている折りたたみiPhoneのウワサについて、2023年時点での状況を整理してみました。Appleから本当に発売されるとしたら、多少はインパクトがあるでしょう。
しかし、市場に大きな影響を与えるほどのプロダクトになるかどうか、かなり疑問です。私は、いくつかの理由から「折りたたみiPhone」はかなり実現性が薄いように感じていますが、皆さんはいかがでしょうか。


 

▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

■参考文献
注1
IT Media Mobile 「iPhoneの折りたたみモデルはいつ登場する? Appleが取得した特許から予測する」
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2306/05/news069.html

Gadget Gate 「噂の折りたたみiPhone、iPadとのハイブリッドになる可能性が浮上」
https://gadget.phileweb.com/post-6667/

「アップルの“折りたたみデバイス”は側面まで画面に? 新特許が明らかに」
https://gadget.phileweb.com/post-30736/

Jcast Trend 「iPhone「折り畳み式」登場のウワサ 先行メーカーの売れ行きイマイチだが」
https://www.j-cast.com/trend/2021/08/30419217.html

Happy iPhone 「折りたたみiPhoneの発売日いつ?噂・予想リークの最新情報」
https://crusie-n-more.com/iphonefoldinfo/

注2
IT Media Mobile 「「折りたたみスマホ」の世界シェアは23年もわずか1.3% 普及のカギを握るものは?」
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2212/21/news098.html

注3
mybest 「【2023年】折りたたみスマホのおすすめ人気ランキング16選」
https://my-best.com/15474

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP