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【2024年最新】今更聞けないBIMモデルとは?国内の動向もご紹介

「BIMモデルは従来のCADと何が違うの?」
「BIMモデルがどういうものなのか、まだよくわからない」

とお悩みの方へ。日本でも国土交通省やゼネコンがBIMに積極的に取り組んでおり、国土交通省直轄の公共事業では「原則BIM/CIM適用」として、2023年度からBIMの導入が必須となりました。

原則BIM/CIM化では段階ごとのBIM/CIM導入が認められています。しかし、受注者におけるBIM(3次元)モデルの作成・活用は義務項目となっています。

国内の建築業界ではBIMの導入が順調に進んでいるとはいえず、現場レベルでは「BIMモデルとは何?」と戸惑っている方も少なくありません。そこで今回は、BIM/CIMの中で核を担う「BIMモデル」について、その概要や重要性をご紹介します。

この記事を読むと、以下3つのことが分かります。
1.BIM/CIMにおけるBIMモデルの概要
2.BIMモデルの作り方
3.2024年最新の国内BIMの動向

BIMモデルはオブジェクトの集合体のこと

建築業界に関わる方なら、「BIM/CIM」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

BIMとはBuilding Information Modelingの略であり、コンピューター上に現実と同じ建物をデジタルで再現してあらゆる情報をデータ化します。このデジタルで再現する建物こそが、「BIMモデル」なのです。

BIMは海外で生まれた概念ですが、日本では2012年から国土交通省が建設業務の効率化を目指して提唱したCIM(Construction Information Modeling)がありました。Constructionとある通り日本では最初土木分野をメインとしていましたが、今では土木分野と建築分野を総合して「BIM/CIM」と表現しています。BIMやCIMというワードが散見するケースもありますが、ほとんどの場合同義です。

BIMモデルの何がすごいのか

BIMモデルの特徴は、以下が挙げられます。

  • 部材1つ1つをオブジェクトとして作り、デジタル空間で組み立てる
  • 3次元であるBIMモデルは図面の知識がない人でも直感的に理解できる
  • 修正が発生しても、その都度図面や断面図を修正する必要がない

BIMモデルはBIM/CIMでまず必要となるものです。BIMモデルは、例えばビルの場合、建具や壁、柱や階段、各種設備やカーテンウォールといった1つ1つの部材をオブジェクトとして集めて構成します。

BIMモデルは2次元の図面から起こすのではなく、最初からコンピューターの中で1つずつオブジェクトを組み合わせ、本当に建築するかのように組み立てていく点が特徴です。BIMモデルは図面を用いないため完成イメージをそのまま表すことができ、専門知識を持たない人でも直感的に理解できます。

そしてBIMモデルでは、このオブジェクトごとに属性情報を与えられるのです。建具ならメーカーや型番、色といった情報を持っており、このデータを関係者と共有できます。

プロジェクトの中で図面や断面図が必要になれば、BIMモデルからボタン1つで図面を起こします。修正があれば、BIMモデルの数値を直接変えるだけで完了できます。断面図や平面図も自動で修正でき、人が手間をかける必要もなければ、関係者に何度も最新版の図面を送る必要もありません。

BIMモデルはどのようにして作るのか

BIMモデルを作るためには、BIMツールと呼ばれるBIMに特化したソフトを導入するケースが一般的です。つまり従来のCADツールでBIMツールを作成することはできず、新たにツールを導入しなければなりません。

このBIMツールの導入こそが、多くの企業でBIM導入のハードルを上げている1つの要因となっています。

国内ではオートデスク社の「Revit」、グラフィソフト社の「ArchiCAD(アーキキャド)」などが人気のBIMツールです。

BIMツールは高額で、選定から導入、運用方法を策定するまでに多くの時間とコストが必要です。国でも要件を満たせば補助を受けられるケースもあるので、BIM導入の話が出ているなら早めに進めることをおすすめします。

BIMとCADは何が違うのか

BIMとCADの大きな違いは3次元データの優先順位です。CADでも3Dモデルを作成できる3DCADがありますが、あくまでも元となるのは2次元データであり、図面から3Dモデルを作成します。

一方でBIMは3次元データが最優先であり、まず作成するのは3次元データを元にしたBIMモデルです。このBIMモデルをベースとして、必要に応じて断面図や平面図といった2次元図面を自動で作成していきます。

【2024年度最新】国内におけるBIMモデルの動向

取引先や関係者がBIMを導入していないと、BIM導入の必要性を強く感じられず先延ばしにしがちです。ここでは、2024年における国内のBIM動向を4つご紹介します。

2024年度も「建築BIM加速化事業」の継続が決定

日本では国土交通省がBIMを推進しており、「建築BIM加速化事業」として多くの事業者がBIMを導入するきっかけづくりを行っています。さらに日本でのBIM導入を進めるべく、2024年度も継続して実施することを発表しました。

建築BIM加速化事業は中小事業者を対象としたもので、建築BIMモデル作成費を上限として支援することでBIM導入の加速化を図る取り組みです。

建築BIM加速化事業ではソフトウェア費を含む「BIMライセンス等費」、BIM講習等を含む「BIMコーディネーター等費」、「BIMモデラー費」に対して補助を行います。2023年度では補正予算で60億円(※1)を計上しており、2024年度からは小規模プロジェクトや改修プロジェクトも対象にするなど、BIMをさらに導入しようと取り組んでいます。

国土交通省は2024年4月16日に「i-Construction2.0」を公表

国土交通省は、建設現場での施工自動化や省人化技術の導入に向けた対策をまとめた「i-Construction2.0」を公表しました。(※2)オートメーション化を推進することで、2040年度までに建設現場での3割の省人化を目指し、さらに生産性を1.5倍に引き上げることを目標として掲げています。

2016年度から国土交通省が推進するi-Constructionでは、当初「建設現場の生産性を2025年までに20%向上」を目標としていました。この目標は達成され、2024年4月16日に、2040年度に向けて改訂した「i-Construction2.0」を公表したのです。

建設現場のオートメーション化は、以下の3つの分野があります。(※3)

  • 施行のオートメーション化
  • データ連携のオートメーション化
  • 施工管理のオートメーション化

上記の2番目となるデータ連携のオートメーション化で、本格的な活用が始まっているのが「BIM/CIM」です。2023年度から公共事業では原則BIM化が適用され、3Dデータで作ったBIMモデルをベースとしたデータ連携が始まっています。

2040年度までに建設現場の3割を省人化、生産性を1.5倍という高い目標を達成するためには、3Dデータを用いたBIMモデルの活用が不可欠です。

ニコン・トリンブルが3Dモデリングソフトスケッチアップの販売開始

株式会社ニコンと米国トリンブルの合弁企業であるニコン・トリンブル社では、2024年4月1日にBIM/CIMの現場実装からBIMモデルのMR運用、ファシリティマネジメントまでトータルで3次元データ活用を支援する3Dモデリングソフト「SketchUp」の販売を開始しました。(※4)

SketchUpは高機能かつ直感的にわかりやすい操作性が特徴で、CAD初心者の方でも簡単に使いこなせるモデリングソフトです。トリンブル社の3Dレーザースキャナで取得した点群やトータルステーションで計測した座標などを活用したモデリング作業により、BIMの実装を支援してくれます。

2D図面の三次元化やカラーリング・アニメーション・断面などの視覚的な加工、様々な形式でのデータエクスポートといった機能を備えており、使いやすさにこだわった3次元モデリングソフトです。

竹中工務店はBIMモデルの自動品質ができるツールを開発

竹中工務店では、設計提案における新ツールとなる「設計BIMツール」を開発。2024年3月に、基本設計に着手するすべてのプロジェクトに適用を開始していることを公表しました。(※5)

竹中工務店が開発した「設計BIMツール」は、以下の3つのソフトウェアで構成されています。

設計ポータル…モデルの情報と形状をクラウド上で管理できる
設計アプリケーション…建築・構造・設備などの各種アプリケーションのこと
モデルチェッカー…作成されたBIMモデルの品質を自動でチェックする

設計BIMツールでは、お客様の要望に沿った複数の設計提案を短時間で提供できます。「モデルチェッカー」によって設計者が作成したBIMモデルを相互参照して検証することで、お客様へよりスピーディに付加価値の高い提案ができ、お客様の事業計画を推進するためのスムーズな意思決定をサポートできる点が特徴です。

さらに「モデルチェッカー」では、建築・構造・設備の設計者が作成した各々のBIMモデルを重ね合わせ、モデルチェッカーを作動することで整合性を自動で確認します。干渉チェックなども自動化できるので、より精度の高いBIMモデルを作ることができるのです。

竹中工務店はもともとBIMに積極的で、過去にはBIMを活用した遮音設計の自動化にも成功しています。詳細は竹中工務店がBIMで遮音設計も自動化!最新のAI技術もご紹介 で解説しておりますので、ぜひご参照ください。

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参照サイト

※1 https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2312/20/news109.html

※2 https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001085.html

※3 https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/content/001738240.pdf P.1

※4 https://www.nikon-trimble.co.jp/info/news_detail.html?infoid=335

※5 https://www.takenaka.co.jp/news/2024/03/01/

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