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メタバースの現在の市場規模は?市場を支える技術や今後の展望を解説

メタバースは近年最も注目されている最新技術の一つで、多くの人が期待を寄せる中、その市場規模も拡大傾向にあります。

この記事では、そんなメタバースの現在の市場規模について紹介しながら、メタバース市場を支えている技術にどのようなものがあるのか、そしてメタバースの周辺市場や今後の展望について、解説します。

目次:

  1. メタバースとは
  2. メタバースの市場規模
  3. メタバース市場を支える主な技術
  4. メタバース市場の展望

メタバースとは

そもそもメタバースとは、仮想世界の中で現実世界の人間がアバターと呼ばれる自身の分身を通じて、実社会のような経済活動、あるいは現実では体験できないアクティビティに身を投じるための技術を指します。

現実世界のような物理的制約の無いメタバース空間は、新しい拡張世界として注目を集め、その経済効果についても大きなポテンシャルを秘めているのが特徴です。

知り合い同士のコミュニケーションはもちろん、メタバース空間を通じた新しい人々との出会いや、実世界にはないサービスの利用などの新しいビジネスモデルの構築が可能ということで、その市場規模は年々大きくなっています。

メタバースの市場規模

メタバースの市場規模は、今後10年ほどで急速な成長を遂げ、数十兆円規模になっていくと考えられています。世界の市場規模と日本国内の市場規模について、解説します。

メタバースの世界市場規模

総務省が公開している情報によると、メタバースの市場規模は2021年に4兆2,640億円に到達しており、2030年には78兆8,705億円まで拡大するということです*1。

メタバースとは一言で言っても、そこに含まれる領域は非常に多様です。メディアやエンターテイメント事業はもちろん、金融や小売などの現実世界で馴染み深い事業もメタバースの中で展開が進むとされ、まさに一大商業空間としてグローバルに発展していることが考えられます。

一度普及が進めば雪だるま式にユーザーが増えていき、もはや実生活の一部として、メタバースが活用される時代が来ることも夢ではありません。メタバースは新しいフロンティアとして、今後も世界から注目される空間となるでしょう。

メタバースの国内市場規模

メタバースの世界市場は100兆円にも届くと期待されるマーケットとなっていますが、日本国内の市場規模だけを見ても、非常に大きな成長が予想されています。

三菱総合研究所が2022年11月に発表したレポートによると、メタバース市場は国内だけで2030年には24兆円規模になるとされており、世界市場の1/4弱を占めると考えられます*2。

メタバースにもいくつかの種類がありますが、三菱総研は2030年までメタバース市場を支えることになるものとして「リアルバース」を挙げています。

リアルバースは、現実世界と仮想世界が融合した複合的なメタバースのことを指す言葉です。物理的な実体を通してユーザーは味覚や触覚、嗅覚を使い、さまざまな体験が得られます。

また、本格的なメタバース空間における経済活動の活発化は、2030年代中頃以降になるとも三菱総研は予測しています。認知の拡大やインフラの拡充が十分に進めば、ユーザーの増加も見込めるでしょう。

メタバース市場を支える主な技術

メタバース市場は実に多くの構成要素から成立しているため、包括的な構成要素の普及や革新が、メタバースの市場規模拡大には不可欠です。

ここでは、メタバース市場を支える主な技術について、ピックアップして紹介します。

AI

AI技術の発展は、メタバース市場とも密接に関わっています。AIによって自動化されたサービスが普及することで、仮想空間上でも24時間最適なサービスをユーザーに提供し、現実世界の時間的制約などを解消する上で役立つからです。

5Gなどの高速通信

5Gやこれから登場するであろう次世代の高速通信は、メタバースの普及においてはなくてはならない通信インフラです。

メタバース空間は従来のデジタルデータに比べ、はるかに多くの通信料を必要とします。リアルタイムのコミュニケーションが多く発生するメタバースにおいてはその負荷も大きく、光回線並み、あるいはそれ以上の通信インフラを世界に組まなく配置することが、メタバースの普及には欠かせません。

XR

ARやVRをはじめとする新しい視覚技術は、メタバースに新しいサービスの機会や没入体験をもたらす上で、重要な役割を果たします。仮想空間を通常のディスプレイからではなく、擬似的に空間の中を体験できるテクノロジーによって、メタバースのユーザー増加に貢献するでしょう。

HMDなどのハードウェア

上記のような技術をユーザーが享受し、企業がビジネスに活用するためには、ハードウェアの進化も欠かせません。

より軽量で高画質なHMD(ヘッドマウントディスプレイ)やスマホの登場など、ソフトとハードの融合によって、メタバースの価値はより高くなっていくでしょう。

メタバース市場の展望

このように、メタバース市場とは必ずしもメタバースを直接形成するサービスだけでなく、その他の周辺サービスやテクノロジーが間接的に発展していくことで、大きな市場形成を実現するものであることを理解しておかなければなりません。

メタバース市場は一朝一夕で巨大な市場を形成するわけではありませんが、今後10年から20年という時間をかけて、私たちの現実世界とも切っても切れない領域になっていくことが予想されます。

特に日本は中国に次ぐ巨大なメタバース市場となることが予想されていますが、その根拠としては

  • 通信インフラが全国に普及している
  • メタバースを支えるハードメーカーが集結している
  • ソフト開発も盛んである

といった点が挙げられます。

日本は世界でも早くから5G通信を民間向けに提供を開始した国であり、まだまだ対応エリアは限られているものの、メタバースに欠かせない高速通信が実現していることは事実です。

また、人里離れた山間部においてもインターネット通信環境を提供することができ、将来的には光回線の全世帯普及も視野に入っていることから、通信インフラの面でも心配は小さいです。

加えて、ソニーやパナソニックなど、メタバースを支えるハードウェア開発に取り組む主要メーカーも国内には揃っており、個人や企業におけるソフト開発も非常に盛んであることから、メタバースの産業基盤としては文句ない環境が揃っています。

メタバースへの積極的な投資や消費者への利用喚起が進めば、世界でもトップクラスのメタバース大国へと育つ可能性もあるでしょう。

まとめ

この記事では、メタバース市場の規模について、世界市場と日本市場の予測を紹介しました。メタバースは複数の産業やさまざまなテクノロジーが複合的に絡み合うことで成長する最先端の領域ですが、幸いなことに日本は十分な土壌が整っている国と言えます。

今後10年以内に国内で24兆円規模のマーケットに発展するとされるメタバースを、どのように自社で取り入れていくかについて、早いうちから検討を進めておくと良いでしょう。

 

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参考:

*1 総務省「令和4年版 情報通信白書」

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd236a00.html

*2 日経XTech「メタバースの国内市場は2030年に約24兆円規模へ、三菱総研が調査」

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/14193/

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