InfraWorks(インフラワークス)とはどんなソフト?強みや学習方法を解説
都市開発や建設・土木の現場で頼りにされているのが、InfraWorks(インフラワークス)と呼ばれる3Dモデリングソフトです。他のソフトよりも多くのアドバンテージをインフラ設計の領域で発揮できることから、アマチュアはもちろん、プロの現場で頻繁に用いられています。
この記事では、そんなインフラワークスとはどのようなソフトなのかについて、具体的な導入メリットや機能に触れながら、詳しく解説します。
目次:
- インフラワークスの概要
- インフラワークスが注目される理由
- インフラワークスの料金
- インフラワークスの主な機能
- インフラワークスを使いこなせることの強み
- インフラワークスの効果的な学習方法
インフラワークスの概要
インフラワークスは、Autodesk社が提供しているインフラ設計に特化したモデリングソフトです。建設モデルのデータに加え、土地のデータを統合して運用できるため、都市計画の設計に活躍しています。
インフラワークスの特徴は、このようにデータを統合して利用できる点です。通常のモデリングソフトではモデルを一つずつ設計する必要があります。一方でインフラワークスは、すでに作成済みのモデルを統合し、より大きなデータとして具体的な設計プロセスを進められるのが強みです。
構造物を単体で見るのではなく、実際の環境の中でどのように機能するのか、想定通りの運用が可能かどうかなどを検証できます。
インフラワークスが注目される理由
インフラワークスが日本で導入が進む理由の一つに、積極的なデジタル活用による業務革新の必要性が挙げられます。
建設やインフラ設計の領域は多くの工数が発生しているのにも関わらず、デジタル化が十分に進められていない問題を抱えています。近年は労働人口の減少が進み、人材の潤沢な確保が難しいことから、デジタル活用によって生産性の維持や向上が不可欠です。
インフラワークスを使ったインフラ設計の効率化は、すでに多くの企業で実績を残しています。導入企業の増加に伴い、今後はインフラワークスが都市設計業務におけるスタンダードとなっていくでしょう。
インフラワークスの料金
インフラワークスは、サブスクリプションプランの契約によって利用ができるサービスです。基本料金は1年間で32万5,600円となっていますが、月額4万700円のプランもあるので、短期間の契約も可能です*1。
ただ、トータルコストで見ると1年間契約の方が割安となります。長期間の利用を考えている場合は、初めから1年間の契約を実施すると良いでしょう。
インフラワークスの主な機能
インフラワークスは実に多くの機能を備えているモデリングソフトです。どのような機能があるかを把握しておけば、実際の活用イメージを具体的に膨らませたり、学習プランの検討に役立てることができるでしょう。
モデルビルダー
インフラワークスは、現況地形の作成に強いモデルビルダー機能を備えています。プリセットを使った地形の作成に加え、国土地理院のデータを使ったモデルビルディングにも対応しているので、実在する地形データを一から手動で作り上げる必要がありません。
地図データの活用
既存の地図データを使った、都市設計や計画の策定もインフラワークス上で行えます。
独立した地図データの使用だけでなく、GISデータを使った極めて正確な情報をプロジェクトに反映することができるので、ディテールが行き届いた情報共有を行う上で役に立つでしょう。
フォトリアルなコンセプト設計
インフラワークスを使った設計作業は、都市設計に詳しくない人でも感覚的に理解ができるようフォトリアルに仕上げられる機能を備えているのが強みです。
作成したモデルはビジュアライゼーションを実行することにより、現実とみまごうほどのわかりやすさを獲得できます。
作成した現況データと読み込んだ測量データに基づき、インフラを正確に設計して、最小限の修正によって完成にたどり着けるのが便利です。
点群データの活用
3Dデータ化されていない実際の構造物については、スキャナーを使って生成した点群データを読み込み、モデルとして活用できます。
3Dモデルを作成する際の負担を小さく抑え、それでいてモデリングの品質を最大限高める上では欠かせない手法です。
アニメーション作成
作成したプロジェクトにアニメーションを与え、詳細なシミュレーション結果を取得することもできるのがインフラワークスの強みです。
道路に車を走らせた時の評価や日照の計算など、幅広い情報を取得する上で役に立ちます。
インフラワークスを使いこなせることの強み
豊富な機能を有するインフラワークスを使いこなすことができるようになれば、複数のメリットを獲得することに繋がります。
BIM/CIMを業務に取り入れることができる
インフラワークスの強みは、CADモデリングに留まらない、BIM/CIM活用の入り口になる点です。豊富なデータを有し、柔軟なデータ活用が可能なBIMモデルを読み込み、都市設計に役立てられます。
大規模なプロジェクトに携われる
インフラワークスは複数のモデルを統合し、一つのモデルとして運用できる機能を備えています。大企業や国家レベルの事業で用いられている製品を柔軟に扱えるようスキルを身につけておけば、大規模なプロジェクトにも携わる機会が増えてくるでしょう。
BIMオペレーターの数はまだまだ足りていないため、需要のある技術であると言えます。
コミュニケーション負担を削減できる
インフラワークスを使ったプロジェクトの遂行は、専用のクラウドを使った情報共有などに対応しています。そのため関係者間におけるコミュニケーション負担を小さく抑え、スムーズに意思の共有などが進みます。
アニメーションやフォトリアルなモデルを使った情報共有で、設計に詳しくない関係者にも丁寧に意図を伝えられるでしょう。
インフラワークスの効果的な学習方法
インフラワークスのスキルを効果的に身につける上では、
- 公式のチュートリアル
- 書籍
- YouTube
の活用をおすすめします。
インフラワークスはAutodesk公式のチュートリアルが充実しているので、基本的な操作方法などはここで学ぶことが可能です。一通りチュートリアルを終える頃には、ある程度の操作ができるようになっているでしょう。
高度な使い方を学んだり、いつでも参考にできるリファレンスを求めたりする場合は、専門書籍がおすすめです。検索せずとも手元の冊子を開くだけで情報をインプットできるので、情報検索の負担が減ります。
YouTubeを使った学習は、最新情報を集めたり、映像で学習を進めたりする場合に役立ちます。最近ではプロのクリエイターやオペレーターが使い方を教えてくれているため、積極的に活用すべきでしょう。
まとめ
この記事では、インフラワークスとはどのようなソフトなのか、具体的な機能や強みに触れながら解説しました。高度な都市設計に活躍するインフラワークスは、日本でも仕様が広がっている注目の製品です。
チュートリアルやYouTubeを活用しながら、着実なスキルアップに励みましょう。
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出典:
*1 Autodesk「InfraWorks」
https://www.autodesk.co.jp/products/infraworks/overview?term=1-YEAR&tab=subscription