自動設計とBIMの組み合わせによる効果的な建築設計

2023.05.08

昨今、ChatGPTやMidjourney、Stable Diffusionなどのサービスの出現によって、AIがより身近に使えるようになってきました。それらをうまく活用するのは一定の経験や技術が求められますが、付き合い方がわかってくれば、とても優秀なパートナーになってくれます。便利なプログラムやカッコいいビジュアルを作成したり、調べ物に活用したり、たまには息抜きにゲームを作ってみたりと、活用の幅はかなり広いです。

建築業界においてもAIの活用は進んできており、多様な使われ方をしてきています。

本稿では、その活用の中でも特に自動設計という分野に絞り、BIMとの関係に触れたいと思います。ただ自動設計分野と言っても、その範囲はとても広いです。自動設計とは、設計を自動で行うことであり、そもそも設計という言葉が指す業務の種類が多いのです。

諸室のレイアウトを検討することも設計であれば、構造や設備を納めることも設計であり、関係者とのコミュニケーションやその中で行う３Dモデルの作成や作図も設計と言えます。このように自動設計と言ってもその領域は広く、自動化を行える部分は多岐に渡ることは認識しておく必要があります。

より効果的に自動設計を進める際にはプロセスを分析し、実際にどこがボトルネックになっているのかを見極めて取り組む必要があります。そして、建築の生産プロセスを分析していく上で無視できないのがBIMであり、それらの関係性は常に意識しておく必要があります。

自動設計がBIMに与える影響
自動設計とBIMをつなげる際に考慮すべきこと

自動設計がBIMに与える影響

まず自動設計技術は、BIMに多くの影響を与えます。逆もまた然りです。BIMは、モデリングの概念を含んだ情報共有のための技術であり、自動設計技術と組み合わさることで、それぞれの長所を活かし、さらに効率的に業務を進めることが可能になります。以下に、自動設計がBIMに与える主な影響をいくつか示します。

・効率性の向上：設計プロセスを効率的かつ迅速に進めることができるようになります。さらにBIMと組み合わせることで、設計者は、より短時間でより多くのデザインオプションを試すことができ、最適な解決策を見つけることが容易になります。

・設計精度の向上：構造や設備、その他システム等の設計に関する複雑な計算や分析を容易に行うことができるようになります。設計ミスのリスクが減少し、BIMモデルの品質向上が可能になります。

・コラボレーションの強化：自動設計によって各種検討速度や精度が向上し、BIMと接続することで、チーム間のコミュニケーションを改善することが可能になります。コミュニケーションコスト削減に特化した自動化ツールの活用も考えられます。

・持続可能な設計：自動設計ツールによって、持続可能な建築設計を促進する機能をBIMに付与できます。設計業務の属人性の低減や、エネルギー効率や自然環境への影響を考慮した合理的な建物計画が可能になります。

・規制との適合性：各種法規や規制に適合する設計を素早く行えるようになります。これにより、法規チェックやコンプライアンスの確認が容易になり、プロジェクトの承認プロセスが高速化します。

自動設計は革新的な技術であり、BIMと組み合わさることでさらに効果を発揮し、効率性や合理性、持続可能性等を向上させる重要な要素となります。

自動設計とBIMをつなげる際に考慮すべきこと

既に述べました通り、自動設計と言っても領域は広く、BIMと組み合わせて活用するには、事前にいくつか検討しておくべき項目があります。以下に主な項目を挙げます。

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