AutoCADにおける図面ビューの背景色を変更する手順|レイアウト用紙の背景色の変更手順も
AutoCADでは背景色の変更が可能です。背景色の変更により、図面をチェックしやすくなり、作業効率の向上を図れます。しかし、どのようにして変更したらよいのか分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、背景色の変更手順を解説します。また、図面作成時に推奨する背景色にもふれていくため、ぜひ参考にしてください。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.AutoCADにおける背景色の変更手順
2.AutoCADにおけるレイアウト用紙の背景色の変更手順
3.背景色変更時の注意点
AutoCADにおける背景色の変更手順
AutoCADで図面作成時の背景色を変更する手順は、使用しているデバイスがWindowsとmacOSかによって異なります。ここでは、図面作成時に推奨する背景色とWindowおよびmacOSの変更手順を詳しくみていきましょう。
推奨する背景色は黒色
図面作成時の背景色は黒色への変更を推奨します。黒色に近いほど目への負担は少なくなります。AutoCADの既定では黒色ではなく、濃い灰色です。黒色と比較すると、灰色では目が疲れやすくなるため、長時間作業をする場合、目の負担を減らすために黒色への変更を推奨します。
Windowsの場合
Windowsのデバイスを使用している場合、背景色の変更手順は次のとおりです。(*1)
1.AutoCADのコマンドラインに「OPTIONS」の文字を打ち込む
2.「オプション」の画面が表示される
3.タブ「表示」をクリックし、ボタン「色」を選択する
4.コンテキストとインタフェース要素を選択する※
5.「オプション」画面の右側にあるドロップダウンメニュー「色」から「Black(黒色)」を選択する
6.プレビュー画面で背景色が変更されているかを確認し、「適用して閉じる」を選択する
7.「OK」をクリックする
手順4ではコンテキストとインタフェース要素を選択します。コンテキストとは作図画面のタイプを指します。コンテキストは2Dモデル画面や3D平行投影などから選択可能です。背景色を変更したい作図画面のタイプを選択しましょう。インタフェース要素は「共通の背景色」をクリックします。
macOSの場合
macOSの変更手順をみていきましょう。(*2)Windowsの場合の手順と比較すると、簡単に変更できます。
1.コマンドラインに「OPTIONS」の文字を打ち込む
2.「アプリケーション基本設定」の画面が表示される
3.タブ「ルックとフィール」をクリックする
4.メニュー「モデル空間」を選択する
5.背景色に変更したい色を選択する
6.「OK」をクリックする
AutoCADにおけるレイアウト用紙の背景色の変更手順
AutoCADで作図した図面を印刷する場合、レイアウト用紙の背景色を変更可能です。ここでは、変更手順を解説します。また、macOSのデバイスでは手順が異なるため、詳しくみていきましょう。
変更手順(*3)
図面を印刷するレイアウト用紙の背景色は次の手順で変更します。
1.「オプション」画面を開く
2.タブ「表示」から「色」を選択する
3.コンテキストとインタフェース要素を選択する※
4.ドロップダウンメニュー「色」のリストから変更する
手順3ではコンテキストは「シート/レイアウト」、インタフェース要素は「用紙背景」を選択しましょう。また、背景色をオフに変更したい場合、次の手順で操作を実行します。
1.「オプション」画面を開く
2.タブ「表示」にある「用紙の背景を表示」のチェック欄にチェックを入力し、設定を無効化する
macOSの場合(*4)
macOSのデバイスを使用している場合、レイアウト用紙の背景色をオフにする設定方法が異なります。レイアウト用紙の全体を均一の色に設定する手順は次のとおりです。
1.AutoCADを終了する
2.Finderを開く
3.メニュー「照会」を選択する
4.「ユーティリティ」をクリックし、Terminal.appをダブルクリックする
5.AutoCADのバージョンに応じ、文字列をコピーし貼り付ける※
6.キーボード「Return」を押す
手順5のバージョンと文字列は公式サイトからご覧ください。
AutoCADにおける背景色変更の注意点
背景色を変更する際に気を付けなければならない注意点があります。ここでは、次の2つの注意点を詳しくみていきましょう。
・フィールドの背景色は変更できない
・既定色に戻すためにはリセットしなければならない
フィールドの背景色は変更できない(*5)
フィールドの背景色は変更できません。フィールドとは、オブジェクトに関する情報を表として表示する機能です。オブジェクト付近に数値などの情報が表示されます。例えば、図面作成時に次のような問題が発生する事例があります。
・セルに計算式を入力すると文字の背景が塗りつぶされる
こういった場合、文字の背景は変更できないため注意しましょう。文字の色とフィールドの背景色が重なり、情報が見えにくい可能性があります。システム変数の「FIELDDISPLAY」で背景色を非表示に設定しましょう。
既定色に戻すためにはリセットしなければならない(*6)
変更した背景色を既定色に戻したい場合、AutoCADの設定をリセットしなければなりません。リセット手順もWindowsとmacOSで異なるため、それぞれみていきましょう。
【Windowsの場合】
1.Windowsのメニュー「スタート」のアプリケーションリストでAutoCADを見つける
2.AutoCADを選択し、アプリ「設定を既定にリセット」を実行する
【macOSの場合】
macOSの場合、3つのリセット方法があります。1つ目は「プログラムメニュー」にある「AutoCADのリセット」の実行により、簡単にリセットが可能です。2つ目はアプリの起動中にキー「Shift」を押し続けてリセットを実行する方法もあります。3つ目の基本設定からリセットを実行する手順は次のとおりです。
1.AutoCADのメニューにある「基本設定」を選択する
2.タブ「アプリケーション」を選択する
3.ボタン「アプリケーション オプションをリセット」を選択する
4.「AutoCADをリセット」を押す
まとめ
AutoCADにおける背景色の変更手順を解説しました。パソコンで長時間作図作業を行う場合、目の負担を軽減するために黒色への変更を推奨します。しかし、AutoCADの既定の背景色は黒色ではありません。背景色を変更したい場合、WindowsとmacOSでは手順が異なるため、使用しているデバイスに適している手順で操作を実行しましょう。
背景色を変更する際の注意点として、フィールドの背景色は変更できない点が挙げられます。文字色の設定によっては、フィールドの背景色と重なってしまい、見えにくくなる可能性も否定できません。フィールド機能を使用する場合は、フィールドの背景と文字色に留意しましょう。
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❹建設業界におけるDX
*1 *2
「Autodesk|AutoCADで背景色を変更する方法」
*3
「Autodesk|AutoCADでレイアウトの用紙の背景色を変更する方法」
*4
「Autodesk|AutoCAD for Macでレイアウトの背景をオフにする方法」
*5
「Autodesk|フィールドの背景色を変更できるか」
*6
「Autodesk|AutoCAD Raster Design 2023|AutoCADを既定の状態にリセットする方法」