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これで作業効率が劇的アップ! Vectorworksカスタマイズ術とBIM・自動化の活用法

はじめに:Vectorworksの可能性を最大限引き出すには?

建築、インテリア、ランドスケープ設計の分野で多くのプロフェッショナルに愛用されているVectorworks。その魅力は豊富な機能と柔軟性にあり、設計業務の効率化や精度向上を可能にします。しかし、これらの機能をただ使うだけでは十分とは言えません。効率的な設計を実現するためには、自分の業務に適したカスタマイズを行い、BIM(Building Information Modeling)を活用し、繰り返し作業を自動化する工夫が必要です。

設計業務では、「作業時間が長い」「手作業が多くミスが発生しやすい」といった課題がしばしば指摘されます。これらの課題は、プロジェクトの進行を妨げるだけでなく、クライアントの期待を損なう原因にもなり得ます。こうした問題を解決するために、Vectorworksを適切にカスタマイズし、自動化とBIMを組み合わせた効率的なワークフローを構築することが求められます。

本記事では、Vectorworksのカスタマイズ術、BIM活用法、自動化のテクニックを具体的に解説し、設計業務の効率を劇的に向上させる方法を紹介します。この記事を読むことで、明日からすぐに使えるカスタマイズ&自動化のヒントを得ることができるでしょう。プロジェクトのスケジュールを守りつつ、クライアントの期待を超える成果を上げるために、ぜひ最後までお読みください。

カスタマイズ術で作業スピードを上げる

Vectorworksは高いカスタマイズ性を持っており、ユーザーごとに操作環境を最適化することが可能です。ワークスペースの構築、ショートカットキーの活用、ツールパレットの設定といったカスタマイズを行うことで、設計業務のスピードを劇的に向上させることができます。このセクションでは、それぞれのカスタマイズ術について詳しく解説していきます。

自分に合ったワークスペースを構築する

Vectorworksの操作効率を向上させる第一歩は、業務内容に合ったワークスペースを構築することです。設計作業で頻繁に使用するツールを適切に配置し、不要な機能を整理することで、操作の手間を省くことができます。これにより、作業スピードを格段にアップさせることが可能です。

ワークスペース構築のポイント

  • ツールの優先配置
    使用頻度の高いツールを目に見える位置に配置することが効率化の鍵です。たとえば、建築設計の場合は壁、窓、ドアツールを上部に配置し、インテリアデザインでは家具や照明ツールをすぐに使える位置に置くことで、操作がスムーズになります。
  • 不要なツールを非表示にする
    不要なツールが多すぎると、必要なツールを探す時間が増えてしまいます。使わないツールは非表示にして画面を整理することで、必要なツールをすぐに見つけられる環境を作りましょう。
  • ワークスペースの保存
    自分に最適なワークスペースを作ったら、保存してデフォルト設定として使うことをお勧めします。これにより、毎回設定をやり直す手間が省け、快適な操作環境を維持できます。

作業スピードを劇的に向上させるショートカットキーの活用

ショートカットキーを活用することで、マウス操作を最小限に抑え、作業スピードを大幅に向上させることができます。特に、頻繁に使うツールやコマンドにショートカットを割り当てると、効率が飛躍的にアップします。

ショートカットキー設定のコツ

  1. 頻繁に使うコマンドを優先
    壁、窓、ドアなどの配置ツールやズーム、パンといった画面操作を行うコマンドにショートカットを割り当てると、操作が直感的になり、効率が向上します。
  2. 片手で操作できるキーに設定
    ショートカットキーは、片手で簡単に操作できるキーに割り当てるのがポイントです。たとえば、「Ctrl+1」で壁ツール、「Ctrl+2」でドアツールを呼び出すように設定すると、作業の流れを妨げずにツールを切り替えられます。

ショートカットをうまく使いこなすことで、設計業務全体のスピードが上がり、時間を大幅に節約できます。以下に、よく使われるおすすめのショートカット設定例を紹介します。

おすすめのショートカット設定例

  • [Ctrl]+[1]:壁ツール
  • [Ctrl]+[2]:ドアツール
  • [Ctrl]+[3]:窓ツール
  • [Ctrl]+[Z]:元に戻す
  • [Ctrl]+[Shift]+[S]:名前を付けて保存

これらのショートカットを自分の作業スタイルに合わせて設定することで、より快適にVectorworksを使いこなせるようになります。

ツールパレットを活用して作業効率をさらに向上

ツールパレットは、業務で頻繁に使用するツールをまとめて配置できる機能です。この機能をうまく使えば、ツールを探す手間を省き、効率的に作業を進めることができます。

ツールパレット作成の手順

  1. ツールパレットマネージャを開く
    メニューからツールパレットマネージャを開き、新しいパレットを作成します。
  2. よく使うツールを追加
    使用頻度の高いツールをドラッグ&ドロップでパレットに追加します。たとえば、建築設計では壁や窓、ドアツールを、インテリアデザインでは家具や照明ツールをまとめて配置するのが効果的です。
  3. パレットを保存して活用
    カスタマイズしたツールパレットを保存しておけば、次回以降も簡単に呼び出せます。

おすすめのパレット構成例

  • 建築設計用パレット:壁、窓、ドア、階段、寸法ツール
  • インテリアデザイン用パレット:家具、照明、テクスチャツール、カラーパレット
  • ランドスケープ設計用パレット:植物配置ツール、地形ツール、道具類ツール

ツールパレットを活用することで、必要なツールをワンクリックで呼び出せるようになり、作業スピードをさらに向上させることができます。また、業務に合わせてパレットを複数作成しておくと、さまざまな設計作業を効率的に進めることができます。

このように、Vectorworksではワークスペース、ショートカットキー、ツールパレットを活用することで、設計業務の効率を飛躍的に向上させることが可能です。これらを実践することで、日々の作業スピードを上げ、プロジェクト全体の生産性を向上させましょう。

BIMワークフローの効率化ポイント

Vectorworksは、BIM(Building Information Modeling)機能を活用できる多機能CADソフトです。BIMを使えば、設計データを3Dモデルとして一元管理できるため、図面の整合性を高め、プロジェクト全体の効率を向上させることが可能です。このセクションでは、BIMを活用した設計プロセスの基本から効率化のコツ、他ソフトとの連携について詳しく解説します。

Vectorworksを使ったBIMワークフローの基本

BIMを活用することで、設計段階から施工までの情報を一つのモデルに統合できるため、図面ごとに手動で変更を加える必要がなくなり、設計変更にも柔軟に対応できます。

BIMワークフローの手順

  1. 2D図面から3Dモデルを作成
    最初に、平面図を基に3Dモデルを作成します。Vectorworksでは、壁や窓ツールを使って簡単に3Dモデルを構築でき、平面図と立体モデルを同時に管理できます。
  2. 情報の付加
    モデルに素材やコスト、性能などの属性情報を付加します。たとえば、壁の厚さや断熱材の種類を設定することで、設計段階から正確な情報をクライアントや施工チームに共有できます。
  3. 断面図や立面図の自動生成
    モデルから断面図や立面図を自動で生成することで、従来のように図面を一つひとつ作成する手間を省けます。また、モデルを修正すれば、すべての図面が自動で更新されるため、図面の整合性が確保されます。

このように、BIMワークフローを取り入れることで、設計作業の効率が大幅に向上するだけでなく、後工程での手戻りを防ぐことができます。

データ管理と情報の一元化による効率化

BIMでは、設計データに属性情報を付与することで、モデルが単なる3D図面ではなく「情報を持つオブジェクト」として機能します。これにより、必要な情報を一元的に管理でき、プロジェクトの進行をスムーズにします。

属性情報の付加によるメリット

  • 設計ミスのリスクを減らす
    属性情報を付加することで、設計要素ごとに一貫性を保つことができ、設計ミスのリスクを減らせます。たとえば、材料ごとに異なる属性を設定することで、誤った素材を使用するミスを未然に防げます。
  • 数量拾い出しの自動化
    BIMモデルから数量を自動で拾い出すことができるため、見積もりやコスト計算の精度が向上します。これにより、クライアントへの提案を迅速かつ正確に行えるようになります。
  • 情報共有の効率化
    一つのモデルにすべての情報を集約することで、設計チーム内での情報共有が容易になります。これにより、図面の変更や修正に伴う伝達ミスを防ぎ、設計プロセス全体を効率化できます。

他ソフトとの連携とデータ交換のポイント

VectorworksのBIM機能を活用する際、他のBIMソフトとのデータ連携も重要な要素となります。特に、RevitやArchicadなどのBIMソフトを使っている他の設計チームや施工チームとのスムーズなデータ交換が求められます。

IFC形式でのデータ連携

  • IFC形式とは?
    IFC(Industry Foundation Classes)は、異なるBIMソフト間でデータを交換するための共通ファイル形式です。VectorworksはIFC形式をサポートしており、RevitやArchicadといった他のBIMソフトとも互換性を持たせることが可能です。
  • データ連携時の注意点
  1. モデルをエクスポートする際に、必要な属性情報が正しく付加されているか確認しましょう。
  2. 受け取ったIFCファイルをインポートする際は、要素の位置や属性情報が崩れていないかをチェックすることが大切です。
  3. IFC形式はすべてのデータを完全に再現できるわけではないため、重要な情報を別途共有する工夫も必要です。

連携をスムーズにするコツ

  • 定期的なデータ交換
    プロジェクトの進行に応じて、定期的にモデルデータを交換することで、設計チーム間の連携ミスを防ぐことができます。
  • 情報の整合性を保つ
    連携時にデータの整合性を保つため、使用するBIM要素の命名規則や分類を統一することが重要です。

このように、VectorworksのBIM機能をフル活用することで、設計プロセス全体の効率を向上させるとともに、他ソフトとの連携を円滑に進められます。これにより、チーム全体の生産性を高め、プロジェクトを成功に導くことが可能になります。

プラグイン&スクリプトを使った自動化手法

Vectorworksには、繰り返し作業を効率化するためのプラグインやスクリプトを利用する仕組みがあります。設計業務では同じ作業を何度も行うことが多いため、自動化ツールを導入することで大幅に作業時間を短縮でき、設計精度も向上します。このセクションでは、実務で役立つプラグインやスクリプト活用の具体例を紹介します。

プラグイン&スクリプトを使った自動化手法

Vectorworksには、繰り返し作業や大量の要素を扱う作業を効率化するための標準機能、プラグイン、スクリプトを活用する仕組みがあります。特にPythonスクリプトを使ったカスタム自動化が可能で、設計業務の効率を飛躍的に向上させられます。このセクションでは、Vectorworksの標準機能とスクリプトを使った自動化について詳しく解説します。

標準機能とプラグインによる効率化

Vectorworksには、特定の作業を効率化するための標準機能が豊富に用意されています。また、公式やサードパーティが提供するプラグインを導入することで、さらに効率的な作業が可能になります。

自動寸法ツール(標準機能)

Vectorworksの標準機能「自動寸法ツール」を使うと、壁や開口部の寸法を一括で付けることができます。これにより、手動で寸法を追加する手間を省き、設計図面の作成スピードを向上させられます。

配列複製ツール(標準機能)

「配列複製ツール」を使えば、同じオブジェクトを一定間隔で繰り返し配置することが可能です。たとえば、フェンスや連続する柱を効率的に配置でき、配置作業にかかる時間を大幅に短縮できます。

IFCエクスポート(標準機能)

Vectorworksには、BIMデータを他のソフトと共有するための「IFC形式エクスポート」機能が標準で備わっています。この機能を使うことで、BIMプロジェクトにおける情報の共有と連携がスムーズに行えます。特別なプラグインを必要とせず、正しい設定を行えば効率的にエクスポートが可能です。

スクリプトを使ったカスタム自動化

Vectorworksは、独自のPythonスクリプトを使って特定の業務に特化した自動化ツールを作成できます。この機能を活用すれば、手間のかかるルーチン作業を短時間で終わらせることが可能です。

スクリプト活用の具体例

  1. 属性情報の自動付加
    大量のオブジェクトに対して、素材やコストなどの属性情報を一括で付加するスクリプトを作成できます。これにより、属性付加作業を効率化し、BIMモデルの精度を向上させることが可能です。
  2. 面積計算の自動化
    各部屋の面積を自動で計算し、ラベル付けするスクリプトを作成することで、設計のたびに行う煩雑な面積計算作業を簡略化できます。
  3. 一括修正スクリプト
    既存のモデル内の特定のオブジェクトを一括で修正するスクリプトを作成することで、手作業による修正の手間を省き、作業時間を短縮できます。

自動化を効果的に活用するポイント

自動化を成功させるためには、ツールやスクリプトを適切に選び、業務に合わせてカスタマイズすることが重要です。また、結果を常に確認し、改善を続ける姿勢も必要です。

適切なツールを選ぶ

Vectorworksには多くの標準機能やサードパーティ製プラグインが存在しますが、すべてが自分の業務に適しているわけではありません。最も効果的なものを選び、活用することが重要です。

自動化後の結果を確認する

自動化ツールやスクリプトを使った後は、必ず結果を確認し、想定通りの処理が行われているかチェックしましょう。特にBIMプロジェクトでは、情報の正確性が求められるため、エラーが発生していないか確認する習慣をつけることが大切です。

継続的に改善する

一度作成したスクリプトや設定を放置せず、業務の変化に応じて見直すことで、より高度な効率化を実現できます。新しいプラグインを試したり、スクリプトを改良することで、さらに効果的な自動化を図ることができます。

このように、Vectorworksでは標準機能やスクリプトを活用することで、設計業務の効率を大幅に向上させることが可能です。まずは簡単な自動化から始め、徐々に業務に合わせたカスタマイズを加えていくことで、さらなる生産性向上を目指しましょう。

まとめ:明日からできる効率化の第一歩

設計業務における効率化は、小さな工夫の積み重ねから始まります。Vectorworksは、その柔軟なカスタマイズ性やBIM対応機能、さらにはプラグインやスクリプトを使った自動化によって、業務の効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。本記事で紹介したカスタマイズ術やBIMワークフローの活用、自動化手法は、どれも設計者の日常的な業務を支援し、作業時間を短縮するとともに、より正確な成果物を提供する手助けをしてくれるでしょう。

まずは簡単なカスタマイズから始め、ショートカットキーを設定したり、自分に合ったワークスペースを構築してみてください。それだけでも日々の作業が驚くほど快適になります。また、BIMを活用することで、設計と情報管理を一元化し、プロジェクト全体を効率的に進めることができます。さらに、一歩進んでスクリプトによる自動化に挑戦すれば、煩雑なルーチン作業を短時間で終わらせることができ、クリエイティブな設計により多くの時間を割けるようになります。

効率化は一度にすべてを変えようとするのではなく、小さな一歩を積み重ねることが大切です。最初は一つの機能を試し、効果を実感したら次のステップに進む、といったアプローチを取ると、無理なく自然に業務全体の効率を高めることができます。また、ツールやスクリプトの見直しを定期的に行い、より良い手法を取り入れながら改善を続ける姿勢も重要です。

設計業務は多くの手作業が必要な一方で、自動化や効率化によって得られる成果は非常に大きいものです。Vectorworksの可能性を最大限に活用し、より少ない時間で高品質な成果を生み出すワークフローを築くことで、プロジェクトの成功率を高めるとともに、設計者自身の負担を軽減することができます。

明日からでも始められる工夫がたくさんあります。自分の業務に合った手法を一つずつ取り入れ、効率化の第一歩を踏み出してみてください。それが、設計業務における生産性を向上させる最良の方法です。

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