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Civil 3DでDAEファイルを読み込む方法|変換手順と注意点を徹底解説

1. はじめに

近年、3DモデリングやBIM(Building Information Modeling)の分野では、異なるソフトウェア間でデータをやり取りする「互換性」がますます重要になっています。設計・施工・解析といった工程を連携させるため、エンジニアや設計者は複数の3Dデータ形式を扱う機会が増えています。

その中でも、COLLADA形式(.dae)として知られるDAEファイルは、SketchUp、Blender 3D、Autodesk 3ds Maxなど、さまざまな3Dモデリングソフトで利用されている汎用的な形式です。モデルの形状やテクスチャ情報を保持できるため、ソフト間の受け渡しにもよく使われます。

しかし、Autodesk Civil 3DではDAEファイルを標準機能で直接インポートすることができません。
そのため、外部ソフトで作成したモデルをCivil 3Dに取り込みたい場合、中間形式への変換や設定の調整が必要になります。初めて扱う方にとっては、この変換手順がややわかりにくい部分かもしれません。

本記事では、DAEファイルをCivil 3Dで読み込むための変換ルートや注意点を、初心者の方にも理解しやすいように整理して解説します。3Dデータの互換性を保ちながら作業効率を高める方法や、トラブルを防ぐポイントもあわせて紹介します。

この記事を読むことで、DAEファイルの基本仕様や変換の流れ、Civil 3Dでの具体的な読み込み手順を理解できるようになります。
BIMや3D設計の連携をスムーズにしたい方、SketchUpやBlenderなど他ソフトからCivil 3Dへデータを取り込みたい方にとって、実務にすぐ役立つ内容です。

2. DAEファイルとは?基本仕様と特徴を理解しよう

わかりやすく言うと、DAEファイルとは「COLLADA形式」と呼ばれる3Dデータの一種です。COLLADA(コラーダ)は、3Dモデルの形状やテクスチャ(質感)などの情報を、XML形式というテキストベースの構造で記述する仕組みです。
この形式は、SketchUpやRevit、Civil 3Dなど異なるCADソフト間でデータ互換を保つために欠かせない役割を果たしています。

DAEという名称は「Digital Asset Exchange(デジタル資産交換)」の略で、その名のとおり、3Dデータをやり取りするための共通フォーマットとして広く使われています。ゲーム開発や建築設計、CG制作など、さまざまな分野で利用されており、業界を問わず扱いやすいファイル形式といえるでしょう。
さらに、メッシュ(ポリゴン形状)やマテリアル(色・質感情報)、カメラの位置、ライティング設定といった多様なデータをひとまとめに保存できるため、汎用性の高さも大きな特徴です。

ただし、Civil 3Dは同じAutodesk製品でありながら、標準機能でDAEファイルを直接開くことができません。
DAEを読み込むための専用APIや公式プラグインも用意されていないため、「Civil 3DでDAEをインポートする」ことは現在の仕様では非対応です。
そのため、本記事では、DAEファイルをいったん別形式(FBXやDWGなど)に変換して読み込む方法を紹介します。特に、3Dデータの「単位系」や「座標系」の整合を取ることが、変換の精度を左右する重要なポイントになります。

DAEファイルの利点は、自由度が高く、多くの3Dソフトから書き出せることです。しかし、BIMワークフローやCADデータ変換を前提とする実務では、必ずしもDAEが最適とは限りません。DAEはあくまで「中間的な橋渡し形式」として活用し、最終的にはFBXやOBJなど、Civil 3Dと相性の良い形式に変換して利用するのが実務的なアプローチです。

3. Civil 3Dで読み込み可能な3Dデータ形式を確認

ここでは、Civil 3Dが対応している主な3Dデータ形式を確認しておきましょう。
Civil 3DはAutoCADをベースにしたCADソフトであり、DWG形式が基本の作図・設計データの保存形式として採用されています。3Dモデリング要素を含むDWGファイルであれば、AutoCADや他のAutodesk製品との間で高い互換性を保ちながら読み込むことが可能です。

また、LandXMLやIFCといった土木・BIM分野向けのデータ交換形式にも対応しています。さらに、SHP(シェープファイル)などGIS関連のデータも取り込めるため、InfraWorksやNavisworksと連携して都市モデルを構築することもできます。このように、Civil 3Dは土木・BIM・GISの各分野を横断して活用できる柔軟なデータ環境を備えています。

一方で、FBXやOBJ形式はCivil 3Dの標準機能では直接読み込むことができません。AutoCAD系製品では2019バージョン以降、FBXの読み込み・書き出し機能が正式に削除されたため、FBXファイルをそのままCivil 3Dで開くことはできない仕様です。
そのため、これらの形式を扱う場合は、Autodesk 3ds Maxなどの専用ツールを利用してDWG形式へ変換してから取り込むのが一般的です。OBJファイルについてもAutoCADに標準インポート機能が存在しないため、同様に中間ツールを経由してDWG化する手順が必要になります。

なお、IFCファイルはCivil 3Dで公式にインポート対応しており、IFCIMPORTコマンドで直接読み込むことが可能です。出力元のソフトがIFC形式に対応している場合は、DAEを経由せずにIFCで受け渡す方が正確で確実です。

最終的には、DWG形式を最終ゴールとして変換・整理することが、Civil 3Dでの最も安全かつ再現性の高い方法といえます。
なお、Civil 3DからFBX形式へのエクスポート機能は備わっていないため、3Dビジュアライゼーション(可視化)を目的とする場合は、InfraWorksなど他のAutodesk製品を経由して出力するのが推奨です。

つまり、Civil 3Dで扱う3DデータはDWG形式を中心に考えるのが基本です。その上で、インポート前後に「3Dモデルのスケーリング」や「マテリアル(質感)の調整」など、データ管理を丁寧に行うことで、変換精度と作業効率を両立できます。
他ソフトで作成した3DモデルをCivil 3Dで活用したい場合は、まず公式ヘルプやサポート情報で対応形式を確認し、目的に合わせた最適な変換ルートを選ぶことが重要です。

4. DAEファイルをCivil 3Dで開くための変換ルート

ここでは、DAEファイルをCivil 3Dで開くための変換ルートを整理していきます。
変換の基本的な考え方は、Civil 3Dが安定して扱える形式、つまりDWG形式またはIFC形式を最終ゴールとすることです。

AutoCAD系の製品では2019バージョン以降、FBXの入出力機能が廃止されているため、FBXやOBJはあくまで「中間形式」として利用します。最終的にはDWGまたはIFC形式に変換し、Civil 3Dに読み込むのが確実な方法です。

また、変換を行う際は、単位系や座標系を正しく設定することが重要です。単位や座標がずれていると、モデルの大きさや位置が正しく再現されない場合があります。

いずれのルートでも何らかのCADデータ変換ツールを経由する必要がありますが、幸いにもBlender 3DやAutodesk 3ds Maxなど、無償・有償を問わず利用できるツールが多数存在します。オンライン変換サービスを利用する選択肢もあります。
ここでは代表的な方法として、

  • ルート①:DAE → FBX → DWG(3ds Max経由) → Civil 3D
  • ルート②:DAE → OBJ → DWG(3ds Max経由) → Civil 3D
  • その他の変換ツールを利用する方法
    の3つのアプローチを順に見ていきましょう。

変換途中ではファイルを何度か開いたり、設定を確認したりと手間がかかることもありますが、Civil 3Dチュートリアルや変換ソフトの操作ガイドを参考にすれば、初心者でもスムーズに進められます。
また、作業を始める前に一度テスト変換を行い、問題点を洗い出しておくと、データ整理や最適化の時間を大幅に短縮できます。

最後に注意すべき点として、「データの機密性」があります。オンライン上で3Dデータ変換を行う場合、外部サーバーにアップロードされるため、プロジェクトによっては情報漏えいのリスクが伴います。機密データを扱う場合は、社内規定やクライアントの要件を確認し、ローカル環境で変換を行うのが安全です。

4.1. 推奨ルート①:DAE → FBX → DWG(3ds Max経由) → Civil 3D

最も一般的なルートは、DAEファイルをFBXに変換し、3ds Maxを経由してDWG形式に書き出す方法です。
FBX形式はAutodesk製品間の互換性が高く、AutoCADやRevitなどとのデータ連携にもよく利用されています。

具体的には、まずBlender 3DやAutodesk 3ds MaxでDAEを開き、FBX形式でエクスポートします。次に3ds MaxでそのFBXをDWG形式に変換し、Civil 3DでDWGファイルを開く流れです。
ただし、AutoCADおよびCivil 3Dでは2019以降、FBXを直接読み込むことができないため、この中間変換は必須となります。

変換時には、単位(メートル・ミリメートルなど)や座標系(WCS/UCSなど)を統一しておくと、モデルの大きさや位置ずれを防げます。
FBXはマテリアル情報をある程度保持できますが、Civil 3D側でテクスチャまで完全に再現するのは難しいため、必要に応じてマテリアルや色の再設定を行いましょう。

このルートは、形状を崩さずに比較的スムーズにインポートできるため、大まかな3D形状を取り込みたい場合に最適です。
なお、FBX形式に変換する際は、ポリゴン数を最適化(モデルを軽量化)しておくことも重要です。ポリゴンが多すぎると、ファイルサイズが肥大化し、読み込みや編集に時間がかかる原因となります。

4.2. 推奨ルート②:DAE → OBJ → DWG(3ds Max経由) → Civil 3D

次に紹介するのは、OBJ形式を経由してDWGに変換し、Civil 3Dで読み込む方法です。
OBJ形式はゲーム開発や3Dモデリングで広く使われる汎用フォーマットで、多くのソフトでサポートされています。

手順としては、まずBlender 3DでDAEファイルを開き、OBJ形式でエクスポートします。その後、3ds Maxなどを使ってOBJをDWG形式に変換し、Civil 3Dで開くという流れです。
AutoCADにはOBJのインポート機能が標準搭載されていないため、3ds Maxのような中間ツールを利用するのが確実です。

OBJ形式はポリゴンメッシュを忠実に再現できる反面、Civil 3Dで利用されるTINサーフェスや線形(Alignment)オブジェクトとしては扱いにくい点があります。
それでも、この方法はシンプルで手順がわかりやすく、多くのユーザーが利用しています。また、OBJはデータが比較的軽量で破損しにくいという利点もあります。

変換時には、スケールや原点位置の設定をこまめに確認しましょう。スケーリングのずれはトラブルの原因になりやすく、正しい寸法でモデルを扱うためには、Blenderや3ds Maxの単位設定をCivil 3Dの図面単位(INSUNITS)と一致させることが大切です。

4.3. その他の変換ツール

推奨ルート以外にも、CADデータ変換ツールやオンライン変換サービスを活用する方法があります。
たとえば、AnyCAD ConverterやSimLab Composerなどのツールは、多様な3Dフォーマットの相互変換に対応しており、有料ながら高精度な変換結果を得やすいのが特徴です。

無料で試したい場合は、BlenderやAutodesk Viewerといったツールも選択肢になります。ただし、オンライン変換を行う際は、外部サーバーにデータをアップロードするため、機密情報の漏えいリスクがある点に注意が必要です。特に、業務で扱うプロジェクトデータの場合は、社内ルールに従ってローカル環境で変換するのが安全です。

また、RevitやInfraWorksなど他のAutodesk製品からモデルをエクスポートする場合は、DAEやFBX、OBJに加えてIFC形式で出力し、Civil 3Dに取り込む方法も推奨されています。
InfraWorksからはDAE/FBX/OBJへの書き出しが可能ですが、Civil 3Dで利用するには、3ds Maxを経由してDWG形式に変換するか、IFCを介して読み込む必要があります。

使用しているAutodesk製品のバージョンやライセンスによって利用できる機能は異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
結論として、Civil 3DにDAEファイルを直接インポートする機能はありません。しかし、これらの複数ルートを理解しておけば、プロジェクトの目的や環境に応じて柔軟にデータを変換・活用することができます。

5. Civil 3Dでの読み込み手順と設定ポイント

変換ルートを経て最終的に作成したDWGファイル(またはIFCファイル)をCivil 3Dに読み込む際には、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。
まず前提として、Civil 3DではFBXファイルを直接開くことはできません。 そのため、必ずDWG形式またはIFC形式に変換して準備しておきましょう。

① 座標系と単位系の整合を確認する

最初に確認すべきは、Civil 3D側の座標系や単位系が変換前のデータと一致しているかどうかです。
たとえば、地形モデルと橋梁・建物モデルなど複数の3Dデータを重ね合わせたい場合、基準点(原点)の位置が少しでも異なると、全体のモデルがずれて表示されてしまいます。
特に他ソフトで作成したデータを扱う際は、座標の基点(0,0,0)や単位設定(メートル・ミリメートルなど)を必ず確認し、必要に応じてCivil 3D内で修正しましょう。

② モデルの表示・スケールを調整する

次に、読み込み後のモデル表示が正しく行われているかを確認します。
モデルが極端に小さく見えたり、逆に画面外にはみ出してしまう場合は、Civil 3Dの「ズームエクステント」(全体表示)を使用して全体を表示してみましょう。
それでもスケール感に違和感がある場合は、「Civil 3D最適化」の一環としてスケーリング(拡大・縮小)調整を行います。
また、モデルの座標がグローバル座標で作成されているのか、それともローカル座標なのかを把握することも大切です。これを正しく理解していれば、地形や構造物が自然に重なり合い、正確な位置関係でモデルを表示できます。

③ マテリアルや色の再設定

三つ目は、色やマテリアル(質感)の再現に関する注意点です。
DAEファイルから変換したデータでは、マテリアル情報が正確に引き継がれないことが多く、Civil 3D上では単色のモデルになってしまうことがあります。
もしテクスチャや質感の再現が重要な場合は、テクスチャマッピングを手動で再設定しましょう。
Civil 3Dのチュートリアルやマテリアル設定ガイドを参考にすれば、再貼り付けの手順を簡単に確認できます。こうした補正作業を行うことで、モデルの視認性や完成度が格段に向上します。

④ 大規模データの処理と安定性

最後に、3Dモデルの規模とパフォーマンスにも注意が必要です。
複雑なモデルや高精細な地形データを扱う場合、ファイルサイズが大きくなるため、動作が重くなったり、場合によってはクラッシュすることもあります。
快適に作業を進めるためには、十分なメモリやGPUを備えたPC環境を用意し、定期的に上書き保存やバックアップを取ることを習慣にしましょう。特に大きな変更を行う前には、別名保存で作業データを確保しておくと安心です。

このように、変換後の3DデータをCivil 3Dに取り込む際は、座標・単位・スケール・マテリアル・パフォーマンスの5つを意識することが重要です。これらを丁寧に確認すれば、Civil 3D上での3Dモデル表示や作業効率を大きく向上させることができます。

6. よくあるトラブルと対処法

ここでは、DAEファイルの変換や3Dデータの読み込み時に発生しやすいトラブルとその対処法を整理します。Civil 3Dの操作に慣れているエンジニアだけでなく、3DモデラーやCADオペレーターの方も注意しておくべきポイントです。あらかじめ問題の傾向を知っておくことで、作業のやり直しを防ぎ、効率的に対応できます。

① ファイルが開けない・表示されない

最も多いトラブルのひとつが、「ファイルを開けない」「モデルが表示されない」といったエラーです。
原因としては、変換途中でファイルのバージョン不一致が起きていたり、データ自体が破損している場合が考えられます。
このようなときは、一度BlenderやAutodesk 3ds Maxなどで再度ファイルを読み込み、別形式(FBXやOBJなど)で再エクスポートしてみましょう。中間形式を変えることで、破損部分を回避できる場合があります。

② モデルの形状が崩れる・歪む

次に多いのが、モデルの形状が崩れたり、歪んで見えるケースです。
これは、変換前のデータで法線の反転やポリゴン(メッシュ)の破損が発生しているのが主な原因です。法線とは、面の表裏を定義する向き情報のことです。
Blenderなどの3D編集ソフトでメッシュを確認し、不要な頂点や重複エッジを削除したり、法線を再計算すると改善することがあります。モデルの構造を一度クリーンアップしてから再エクスポートするのが効果的です。

③ スケール・座標のずれ

三つ目は、モデルのスケール(大きさ)や位置がずれてしまうトラブルです。特にSketchUpなどからCivil 3Dへデータを持ち込む際に起こりやすい問題です。
原因は、単位設定の違いにあります。たとえば、モデルがインチやフィート単位で作られていると、メートル単位のCivil 3D上では異様に巨大または極小に表示されることがあります。
また、モデルの原点(0,0,0)が異なる位置に設定されていると、既存の地形サーフェスや構造物とずれて重なることになります。
このような場合は、変換前に単位系を確認・統一し、座標基準を合わせることで防止できます。必要に応じてCivil 3D側でUCS(ユーザー座標系)を調整しましょう。

④ テクスチャやマテリアル情報の欠落

最後に挙げられるのが、テクスチャ(質感)情報が引き継がれない問題です。
COLLADA(DAE)形式で設定していたマテリアルやテクスチャ情報は、Civil 3Dへ変換すると正しく反映されないことが多く、単色モデルとして表示されることがあります。
必要に応じて、別途テクスチャ画像を用意してマテリアルを再設定するか、変換前に色分けだけ行い、質感は簡易的にしておくと後の修正がスムーズです。
Civil 3D上で見た目を整えるよりも、事前に変換元のソフトで素材設定をシンプル化しておく方が効率的な場合もあります。

このように、トラブルの多くは「単位・座標・法線・マテリアル」の不一致が原因です。
変換前後で設定を丁寧に確認し、必要に応じて中間ツールで再調整を行えば、ほとんどの問題は解消できます。

7. 変換後のモデルをCivil 3Dで活用するコツ

無事にDAEファイルをDWGなどに変換し、Civil 3Dで開けたら、次はそのモデルをどう活用するかを考えましょう。
まずは、Civil 3Dの強みである地形モデル(サーフェス)や道路・水路などの設計機能と組み合わせることで、よりリアルな可視化を行うことが可能になります。建設現場や設計レビューでの理解度が高まり、BIMの一環として3次元設計の説得力を高める効果も期待できます。これにより、クライアントへの提案資料や社内プレゼンテーションの品質向上にもつながります。

さらに、InfraWorksやNavisworksとの連携を活用すれば、広域の都市モデルや複雑な構造物を統合的に確認できるワークフローを構築できます。これにより、設計全体の整合性を早い段階で検証でき、施工段階での手戻りやコストの削減にもつながります。
また、RevitとCivil 3Dを連携させることで、意匠・構造・土木の各モデルを同期的に管理できるため、より高度な3Dデータ互換性を確保できます。BIMデータを相互に参照できる環境を整えることで、設計・施工・維持管理の一貫したワークフローが実現します。

大規模なプロジェクトで複数の3Dモデルを扱う場合は、「Civil 3D最適化」の視点も重要です。
不要なポリゴンの削減やスケーリングの見直し、マテリアル情報の簡略化を行うことで、データの軽量化と操作性の向上を図りましょう。データが重すぎると、描画やレンダリングに時間がかかり、作業効率が著しく低下します。事前に最適化しておくことで、モデル編集や出力の処理を安定させることができます。

最終的には、Civil 3Dを単なるCADソフトとしてだけでなく、プレゼンテーションや可視化資料の作成ツールとしても活用できるようになります。
DAEファイルをはじめとした多様な3Dデータを正しく変換・統合するノウハウを身につけることで、納期短縮・業務効率化・クライアント満足度の向上といった成果を実現できるでしょう。
Civil 3Dを3Dデータ連携の中心に据えることで、今後のBIM/CIM時代における設計業務の幅が大きく広がります。

8. まとめ|DAE変換でCivil 3Dの活用範囲を広げよう

ここまで、Civil 3DでDAEファイルを読み込むための手順と注意点を詳しく解説してきました。
ポイントは、Civil 3DがDAE(COLLADA形式)を直接インポートできないという仕様を理解したうえで、FBX形式やOBJ形式を経由して変換する必要があるという点です。

記事内で紹介した推奨ルートは、

  • DAE → FBX → DWG(3ds Max経由) → Civil 3D
  • DAE → OBJ → DWG(3ds Max経由) → Civil 3D
    の2つです。どちらも確実にモデルを取り込むための実践的な方法であり、特にAutodesk製品を活用する際に安定した結果を得やすいルートです。

AutoCAD系のソフトではFBXやOBJを直接開く機能が廃止されているため、3ds MaxやBlenderを利用してDWGまたはIFCに変換するのが現行の正しい手順です。
変換時には、座標系や単位系の整合を事前に確認することが重要で、これを怠るとモデルのズレやスケール誤差の原因になります。正しい設定を守ることで、Civil 3D上でも正確な位置関係と寸法で3Dデータを扱うことができます。

また、Civil 3DからFBX形式への直接書き出しには対応していないため、3Dビジュアライゼーションやプレゼンテーション用にFBXを使いたい場合は、InfraWorksなど他のAutodesk製品からエクスポートするのが最適です。

さらに、モデルの破損・スケールのずれ・テクスチャ欠落といったトラブルに遭遇した場合も、慌てる必要はありません。変換設定を見直したり、別の中間形式を試すことで多くの問題は解決可能です。
これらの対応を通して、3Dデータ変換の基本を理解すれば、SketchUpやRevitなど他のソフトとの連携もスムーズに行えるようになります。結果として、Civil 3Dを中心とした設計ワークフロー全体の効率化につながります。

DAE変換には多少の慣れが必要ですが、手順を身につければCivil 3Dで扱える3Dオブジェクトの幅が一気に広がります。
地形や構造物の設計、都市モデルの作成、さらにはプレゼンテーション資料の作成など、3Dデータ活用の可能性を大きく広げる第一歩となるでしょう。
今後ますます需要が高まる3D設計・BIM/CIM分野において、本記事で紹介した変換の知識を活かし、より柔軟で効率的なCivil 3D活用を実践してみてください。

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<参考文献>

AutoCAD 製品における FBX ファイルの読み込み、書き出し操作

https://www.autodesk.com/jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/fbximport-and-fbxexport-removed-from-autocad.html

COLLADAファイルの詳細とその用途 | Adobe

https://www.adobe.com/jp/creativecloud/file-types/image/vector/collada-file.html

ヘルプ | Autodesk Civil 3D で使用するために 3D モデル データを書き出すには | Autodesk

https://help.autodesk.com/view/INFMDR/JPN/?guid=InfraWorks_DataExchange_InTheCollection_ExchangeDataWithCivil3D_ToExport3DModelDataForUseInCivil3D_html

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