AWSとMicrosoft Azure無料お試しプラン お得なのはどっち?
クラウドサービスとしてすでにメジャーで、一定のポジションを獲得しているAWS(AmazonWebServices)と、クラウドサービスとしては後発のMicrosoft Azureですが、どちらもサービス選定の為に、無料で利用可能なプランがあります。
二つのサービスの無料プランについては、AWSがさまざまなサービスを無料の制限枠の中で利用できるのに対して、Azureは決められた料金の中で自由に使えるという違いがあります。
では、どちらが実際はお得なのでしょうか。条件をできるだけ同じにして比べてみましょう。
複数の無料プランが存在するMicrosoft Azure
Microsoft Azureには無料プランが複数存在します。廃止された無料プランもありますので整理してみましょう。
90日無料プラン(廃止済み)
Microsoft Azureの90日無料プランはすでに廃止されていますが、AWSと同様に90日間の間Azureのサービスのを、サービス内容を限定して利用できるというものでした。
利用可能なサービス内容はAWSの無料プランで使うことのできるサービスを少し上回る程度に設定されていました。
コンピューティング:Sインスタンス(750時間)、RDB:1個、ストレージ:35GB、帯域:受信無制限・送信20GB
残念ながら現在このプランは、利用できなくなっています。
現在のお試しプラン 30日/$200プラン
現在申し込み可能なMicrosoft Azureの現在の無料プランは、期間が30日間に制限されています。その代わり、30日の間で$200までのサービスの利用が可能です。
これによって、AWSの無料サービス枠では利用できないような以下のようなパブリッククラウドサービスを試すことが可能です。
詳しくは、Azureの料金計算サイトで見積が可能です。
・最大14台の仮想マシンを1ヶ月利用可能
・40個のSQLデータベース
・8TBのストレージサービス
例えば、Azureの無料プランを使って、機械学習を行ったりHadoopを使った大量のデータ処理などを行う事ができるわけです。
Visual Studio Dev Essentials(無料)で12ヶ月 $25/月の無料プラン
Microsoftが、以前よりVisual Studio Dev Essentialsを利用している開発者向けにAzureの無料プランを設定すると発表していましたが、それが実現しました。
利用するためには、無料のVisual Studio Dev Essentialsに登録するだけで、1年間にわたって、1ヶ月あたり$25の無料枠を利用可能です。
ただし、注意しなければならないのは、この無料プランは開発またはテストに限られています。そのため、120時間以上連続して、仮想マシンやサービスを利用できません。
AWSの無料プランを金額換算してみる
では、AWSの無料プランを金額に換算するといくらになるのか計算してみましょう。
一般的なWebサービスを立ち上げると考えると、1ヶ月あたりの金額は以下のようになります。
・Amazon EC2 t2micro 750h $15.0
・Amazon RDS MySQL 20GB 750h $13.82
・Amazon S3 5GB Get 20000 Put 2000 $0.19
これらを合計すると月あたり、$29.01。1年だと$348.12となります。
この時点で、Azureの$200$30日または、Visual Studio Dev Essentials $25/月の金額を超えてしまいます。AWSには他にもさまざまなサービスを1年間、無料の枠内で利用することが可能ですので、金額だけでいうと、AWSの無料プランはAzureよりもお得と言えます。
AWSとMicrosoft Azureの無料プランの直接比較は難しい
ここまで、金額ベースでAWSとAzureの無料プランを比較してきましたが、両者の無料サービス範囲の設定の仕方は考え方が全く違うので注意が必要です。
AWSは、無料プラン内で、ある程度の本番サービスを運用することが可能な環境を構築できます。そして、もし物足りなくなった場合、有料プランに移行できるようになっています。そのため、無料で利用できるサービスは幅広いのですが、無料の範囲のサービス内容は、本格的にサービスを運用するには物足りなくなるように設定されているように見えます。
逆にAzureは、短い期間ではありますが、Azureの機能をすべて試すことが可能(30日/$200プラン)です。または、長い期間で開発やテスト用途に使うことが可能(Visual Studio Dev Essentials $25/月×1年プラン)です。
どちらが良いのかは使い方次第です。AWSもAzureもお試しの無料枠を有効に使って自分にぴったりのクラウドサービスを見つけてください。