AutoCADの覚えておきたい基本操作とショートカットキーについて
Autodeskが手掛けるAutoCADは、世界で最もポピュラーな2D・3DCADソフトの一種です。AutoCADを使いこなせば強力な味方となりますが、手足のように使えるようになるまでは少し時間がかかります。
この記事では、そんなAutoCADの利用に当たって覚えておきたい基本操作や、知っておくと便利なショートカットキーについて、AutoCADの利用に慣れていない初心者向けに解説します。
目次:
- AutoCADの基本操作
- AutoCAD上達のポイント
- AutoCADのショートカットキーについて
- AutoCADの主なショートカットキー
AutoCADの基本操作
AutoCADを利用するに当たっては、まずは以下の操作について理解をしておく必要があります。
コマンドの実行
AutoCADの一挙一動は、基本的にコマンドを選択して実行するという、コンピュータとの対話形式で行われるのが最大の特徴です。コマンドを実行しない限り、CADが描かれていくことはありません。
AutoCADでコマンドを実行する上では、以下の3つの方法が挙げられます。
リボンからのコマンド選択
AutoCADではリボンに主要なコマンドが集約されているので、ここからすぐに必要なコマンドを実行することができます。使用頻度が高いものは初歩的で、上級者になっても使い続けることが多いため、一通り目を通しておきましょう。
メニューバーからのコマンド選択
メニューバーはカテゴリごとにコマンドが整理された状態で並んでいるため、すぐにお目当てのコマンドを探し当てることができます。コマンドの名前さえ覚えておけば、メニューバーを開くと必ず見つけられるので、こちらも覚えておくと便利です。
キー入力
キー入力は、AutoCADにおけるコマンド入力の最もスタンダードな方法です。ツールバーにダイナミック入力の項目が用意されているので、これをオンにすることで使用できます。
コマンドごとに割り振られたキーを入力すれば、すぐにコマンドを実行でき、メニューバーやリボンから一つ一つ選ぶ手間が大幅に省けるでしょう。
オブジェクトの選択
オブジェクトの選択は、コマンドを入力した際に表示される選択範囲です。コマンドがどのオブジェクトに適用されるのか、わかりやすく色に分けて表示されます。オブジェクトの選択は、
- クリック操作
- 交差選択
- 窓選択
という3つの方法から選ぶことができます。クリック操作はオブジェクトをクリックするスタンダードな方法で、交差選択は空クリックしたままドラッグし、コマンドを実行したいオブジェクトを選択範囲に含めることで、実行範囲を指定する方法です。
窓選択も、空クリックしてオブジェクトを選択範囲に含めることでコマンドの実行範囲を指定する方法ですが、こちらの場合、選択範囲にオブジェクトが完全に含まれている必要があります。
拡大・縮小
拡大と縮小は、ディテールの細かなCAD図面を描く上で重要な操作です。ナビゲーションパネルにズームボタンがあるだけでなく、マウスのホイール操作でズーム具合をコントロールできるので、覚えておきましょう。
AutoCAD上達のポイント
AutoCADのスキルアップに欠かせないのは、やはりコマンドを的確に覚えたりすることによって、無駄な作業時間をどれだけ減らせるかを意識することです。
基本的にクリック操作を主体としてコマンドの実行などを行っても問題はありませんが、作業スピードを高速化するのにも限界があります。そこであらかじめ用意されたキー入力機能やショートカット機能を活用することで、無駄な操作の時間を減らし、短時間で質の高い図面作成が可能になるでしょう。
一度に全てのコマンドやショートカットを覚えるのは困難ですが、実際に使ってみながら覚える努力を続けるのがポイントです。
AutoCADのショートカットキーについて
ショートカットキーとは、特定のキー入力をすることで、簡単に入力などのコマンドを実行することができるものです。ショートカットキーを使って実行できるコマンドは、どれもメニューバーなどを開けば実行できるものばかりですが、使用頻度の高いコマンドを何度もメニューバーを開いて実行するのは面倒です。
そこでショートカットキーを活用することで、クリック操作では面倒なコマンドの実行を、すぐに行えるようにできます。ショートカットキーも覚えるのにやや時間を必要としますが、使いながら覚えていくことをおすすめします。
AutoCADの主なショートカットキー
AutoCADには非常に多様なショートカットが割り当てられているため、その全てを覚えることは困難です。ここでは、できるだけ早めに身につけておきたい、使用機会の多いショートカットキーを解説します*1。
基本的なショートカットキー
まずは、他のソフトでも頻繁に使用する基本的なショートカットキーです。代表的なキーとして、
- [Ctrl]+[c] オブジェクトのコピー
- [Ctrl]+[x] オブジェクトの切り取り
- [Ctrl]+[v] オブジェクトの貼り付け
- [Ctrl]+[z] 最後の操作の取り消し
- [Ctrl]+[y] 最後の操作のやり直し
- [Ctrl]+[[] 現在のコマンドのキャンセル
といったものが挙げられます。コピーや切り取り、貼り付け操作は、通常のコンピュータ操作でも多用するので、馴染みのある人も多いのではないでしょうか。取り消しややり直し操作も日常使いの機会が多く、コマンドキャンセルも覚えておくと便利です。
図面操作ができるショートカットキー
続いて、図面の操作に関するショートカットキーです。主な例として、
- [Ctrl]+[n] 図面の新規作成
- [Ctrl]+[s] 図面の上書き保存
- [Ctrl]+[o] 図面を開く
- [Ctrl]+[p] 印刷
- [Ctrl]+[Tab] 次の図面に切り替える
- [Ctrl]+[Shift]+[Tab] 前の図面に切り替える
といった操作が挙げられます。新規作成や図面の展開は、多くのタスクを短時間で処理する上では欠かせない操作です。図面切り替えの操作もプロジェクトが大きくなればなるほど必要になってくるため、早めに覚えておきましょう。
機能設定の切り替えショートカットキー
機能設定を切り替える際には、以下のようなショートカットキーを活用します。
- [Ctrl]+[d] ダイナミックUCSの切り替え
- [Ctrl]+[g] グリッド表示の切り替え
- [Ctrl]+[e] アイソメ作図モードでのアイソメ平面図の切り替え
- [Ctrl]+[f] 定常オブジェクトスナップの切り替え
画面表示をショートカットで切り替えられるようにしておけば、図面修正や進捗管理の効率化につながるでしょう。
まとめ
この記事では、AutoCADの基本操作やショートカットキーの活用メリットについて、解説しました。作業効率を高めるためにはCADオペレーターのスキルアップが不可欠ですが、中でもショートカットキー活用は重要な意味を持ちます。
実際にショートカットキーを使いながらキーを覚え、業務効率化を目指しましょう。
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参考:
*1 Autodesk「AUTOCAD キーボード ショートカット」
https://www.autodesk.co.jp/shortcuts/autocad