1. TOP
  2. ブログ
  3. AutoCADの外部参照機能とは?活用ポイントを解説

AutoCADの外部参照機能とは?活用ポイントを解説

現行のAutoCADには外部参照機能と呼ばれる、便利な業務効率化ツールがあります。外部参照機能を有効活用できれば、作業負担の軽減に役立つでしょう。

この記事では、そんなAutoCADの外部参照機能について、具体的な使い方や活用ポイントを解説します。

目次:

  1. AutoCADの外部参照について
  2. 外部参照の仕組み
  3. 外部参照の運用上の注意点
  4. 外部参照はどんな時に使うのか
  5. 外部参照の使い方:アタッチ編
  6. 外部参照の使い方:バインド編
  7. 外部参照箇所のハイライト方法

AutoCADの外部参照について

AutoCADの外部参照とは、現在展開している図面に対して、別の図面ファイルからデータをインポートし、図面上に表示することができる機能です。

図面データを何枚も展開し、手動で図面を閉じたり開いたりするのは使い勝手が悪く、業務に支障をきたしてしまいます。そこで外部参照を活用することで、直接現在編集中の図面に必要な別の図面データを表示させ、レファレンスとしての活用を容易にできます。

高度な設計業務でも生産性を低下させないためには、必ず必要になる機能と言えるでしょう。

外部参照の仕組み

AutoCADの外部参照は、現在編集中のDWGファイル形式の図面データに対して、ラスターデータ、つまり画像ファイル形式で図面データを別途読み込み、表示させる機能です。ポイントとなるのは、この際に表示される図面データは編集中の図面データに貼り付けられるのではなく、リンク参照という形で表示されているだけ、という点です。

リンク元の図面データから直接データを抽出し、編集中の図面データに呼び出しているので、編集中の図面データの容量が過度に大きくなる心配はありません。また、呼び出し元のデータに修正を加えた場合も、その内容が貼り付け先のデータにも反映されるため、誤って古いデータがリファレンスとなってしまう心配もありません。データの更新負担が減ったり、ケアレスミスのリスクがなくなる点も業務効率化に役立つでしょう。

外部参照の運用上の注意点

AutoCADの外部参照機能は確かに便利ですが、注意しなければならないポイントもあります。それは、外部参照で表示される画像データはあくまで直接リンクによって表示されているだけであるため、リンク切れを起こす場合があることです。

例えば指定した場所から図面データを移動させてしまった場合や、削除した場合には外部参照でその図面を表示することはできなくなります。図面データを整理する際、どのデータがどのデータのリファレンスとなっているかを把握しておかないと、編集中の図面データで必要なデータが表示されず、役割を果たせなくなってしまう可能性があるでしょう。

このような問題を回避するための機能として、外部参照ツールには「バインド」と呼ばれる機能もあります。詳しくは後述しますが、今は上記のようなリスクがあることを覚えておくことが大切です。

外部参照はどんな時に使うのか

外部参照が活躍するタイミングとしては、例えば複数人で一つのプロジェクトに携わっているケースが挙げられます。他の設計者の人が手がけた図面を外部参照によって最新の状態で確認しながら、自身の図面をそれに合わせて調整していくような使い方です*1。

あるいは、参照元の図面とは異なる寸法や文字のスタイルで図面データを新たに作成したいときなども役立つでしょう。社内で標準化された図面を参照にしつつ、外部の標準に合わせて図面を作成したいといったシーンです。

いずれにせよ、複数の関係者が携わることになる、比較的規模の大きなプロジェクトではお世話になることの多い機能でしょう。

外部参照の使い方:アタッチ編

ここから、具体的な外部参照の使い方について解説します。アタッチ機能は、上でも紹介した編集中の図面データに、別の図面データを表示する機能全般を指すものです。それぞれの図面データは別個に存在し、参照元のデータに変更があると、現在編集中の図面データに表示されている参照データにもそれが自動的に反映されます。

アタッチ機能を使うには、まず[ブロックと参照]タブをクリックして[外部参照]を選びます。すると外部参照パレットが画面上に表示されるので、そこから参照したい図面データを選択します。

コマンド プロンプトを使用する場合は、externalreferences、あるいはxattachと入力すると呼び出せるため、こちらも試しておきましょう。

参照にしたい図面を選択したら、続いて編集中の図面データのどこに図面を表示するかを決めます。外部参照アタッチの画面が表示されたのちにOKをクリックし、表示させたい箇所をマウスでクリックしましょう。すると自動的に読み込みが開始され、クリックした箇所に図面が表示されます。

挿入する図面についての細かな設定については、外部参照アタッチ画面から数値を手動入力することによって指定することも可能です。指定可能な数値としては、挿入箇所の座標や尺度、角度などがあるので、詳細に表示箇所や大きさを指定したい場合には活用しましょう。

外部参照の使い方:バインド編

外部参照機能は別途図面データをリンクさせて読み込み、表示させるという仕組みを備えているため、編集中の図面データが重くならないという強みがあります。反面、リンク先の図面データがリンク切れを起こしてしまうと、正常に表示されない懸念点もあり、注意が必要です。

このようなリンク切れの問題を回避するための機能として、バインドと呼ばれるものがあります。バインドは編集中の図面データへリンク先の図面データを貼り付けてしまい、リンクが切れても参照できるようにする機能です。

データがリアルタイムで更新されない、図面データが重くなってしまうなどのデメリットはあるものの、リンク切れの心配がなくなるため、最終版として関係者間に共有したいときなどについては、バインド機能を使って保存しておくと良いでしょう。

バインド機能は、外部参照パレットから[バインド]を選ぶことで利用できます。バインド可能なのはDWGファイルに限られますが、[バインド]を選択して好きな図面データを選び、実行可能です。

外部参照箇所のハイライト方法

外部参照機能と合わせて知っておくと便利なのが、外部参照箇所のハイライト機能です。外部参照パレットから箇所を選択すると、図面では選択箇所がハイライト表示されます。

複雑な図面作成を行っていると、外部参照箇所とそうでない箇所が混同し、どういう扱いのデータなのかわからなくなってしまいます。そんな時は選択によってハイライトが可能なので、逐一確認するのがおすすめです。

まとめ

この記事では、AutoCADを使った外部参照機能の使い方について、解説しました。プロジェクトの規模が大きくなると、複数の図面データを同時に使うケースも増えてくるため、外部参照を有効活用することが大切です。

外部参照機能の特性を理解し、アタッチやバインドといった機能を上手く使いこなせるよう実践してみましょう。

 

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX


 

▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

参考:

*1 Autodesk「AutoCAD 2021」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2021/JPN/?guid=GUID-A987D2FF-45BD-474E-99C1-E6316A42F667

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP