AutoCADを最新バージョンに更新する方法は?コストも解説
AutoCADは2D・3DCAD製品の中でもポピュラーな部類の製品ですが、その人気の秘訣とも言えるのが頻繁な機能拡張やアップデートです。AutoCADは毎年最新バージョンが登場しており、機能のマイナーアップデートにとどまらない、便利な新機能の実装も行われています。
この記事では、そんなAutoCADを最新バージョンに更新するメリットや、具体的な更新方法、そして更新にともなうコストについて、詳しく解説します。
目次:
- AutoCADの特徴
- AutoCADを最新バージョンに更新するメリット
- AutoCAD 2024の主な追加機能
- AutoCADの更新方法
- AutoCADの更新コストについて
- サブスクリプション更新のコストは?
AutoCADの特徴
AutoCADは2D・3Dの両方に対応する、Autodesk社のCADソフトです。汎用性が高く、あらゆる業界で活躍できるほどの機能の充実が進んでおり、単体での運用はもちろん、業種別に用意されたツールキットを使うことで、業界特化の専用CADとしても効果を発揮します。
また、AutoCADは各種操作におけるルーティンワークを自動化できるオートメーション機能も備わっています。日々発生する作業労働の負担を解消し、業務のさらなる効率化や、負担軽減による品質向上を期待することもできる、優れた製品です。
国内外で広く導入されている実績も長く、CAD運用を本格的に進めたいと考えている企業にとって、頼もしいサービスとなるでしょう。
AutoCADを最新バージョンに更新するメリット
そんなAutoCADは、毎年最新バージョンへのアップデートが定期的に行われています。ソフトのバージョンアップは仕様変更も含まれるため、できるだけ回避したいと考える人も少なくありませんが、AutoCADの場合は単なる改善目的のバージョンアップにとどまらないため、非常に頼もしいサービスです。
AutoCADの最新バージョンはとにかく新機能の実装が最大の目玉と言えます。2023年7月現在の最新バージョンであるAutoCAD 2024の具体的な機能については後述しますが、程度の差こそあれ、毎年ユーザーのフィードバックや時代のトレンドをバックグラウンドに持つ、優れた機能が実装されます。
一般的なソフトウェアアップデートの多くはバグの修正などの小規模な改善に止まりますが、AutoCADにおいてはそれ以上のメリットが期待できるでしょう。
また、最新バージョンであれば他の関連ソフトの多くに互換性を有しているため、連携効果を高められる効果も得られます。複数のサービスを併用している場合、最新バージョンのAutoCAD導入がさらなる業務効率化のきっかけとなるかもしれません。
AutoCAD 2024の主な追加機能
最新バージョンであるAutoCAD 2024では、以下のような機能が新たに追加されます。それぞれに期待できる導入効果について、詳しく見ていきましょう*1。
設計全般機能の強化
AutoCAD 2024では、建築設計や機械設計に関する機能の全般的な強化が実施されています。モデリングツールを使ったフォトリアルな3Dモデル作成機能や、DWGファイルの作業共有機能の強化など、全体的な利便性の改善が行われました。
トレースの複写機能の強化や不透明度設定など、トレース関連の機能についても改善が施されています。
スマートブロック配置機能の追加
スマートブロック配置機能は、AutoCAD 2024から新たに使えるようになった機能です。すでにDWG図面内に配置しているブロックと同じブロックを挿入する場合、配置しているブロックと類似する配置位置を自動で提案してくれます。
細かく配置位置を合わせる必要がなくなる、便利な機能です。
コラボレーション機能の強化
AutoCADで使える各種コラボレーション機能についても、最新の状態にアップデートされました。PDFファイルやDGNファイルの読み込み・共有機能の強化、2つのバージョンの図面比較機能の実装など、大きなプロジェクトであってもコミュニケーションが複雑にならないよう、仕様が固められています。
AutoCADの更新方法
AutoCADを現在のバージョンから最新のバージョンにアップデートしたい場合、どのような操作が必要なのでしょうか。
最新バージョンのAutoCADをインストールするにあたっては、まずAutodesk公式サイトを訪問し、アカウントにサインインします。それから[全ての製品とサービス]を選択し、インストールしたい最新バージョンのAutoCADの[ダウンロードの表示]を選択すれば、ソフトをダウンロードできます。
ソフトの更新については、デスクトップアプリからも実行可能です。更新が可能になったらそのプログラムは自動でインストールされるので、更新の手間はかかりません。ただし、自動更新機能については現状Windowsでのみ利用可能となっているため、Macユーザーの場合は手動で対応しましょう。
AutoCADの更新コストについて
AutoCADの最新バージョンへの更新は、基本的に無料で行うことができます。新機能が実装されたとしても、既存ユーザーはこれまで通りの費用を支払続けているだけで良いので、別途何らかの更新料金が取られることはありません。
AutoCADは2016バージョン以降、買い切り型のソフトウェア販売は終了しており、サブスクリプション販売に完全移行しています。1ヶ月あるいは1年以上の単位でサブスクリプション料金を支払う必要がありますが、アップデート費用もここに含まれているので、余計なコストを支払うことはないのが強みです。
AutoCADの最新バージョンに欲しかった機能が実装された場合、その機能を使うためにサードパーティでソフトを購入する、という必要もなくなるので、場合によっては実質さらなるコスト削減に貢献することもあるでしょう。
サブスクリプション更新のコストは?
AutoCADをはじめ、Autodesk製品のサブスクリプション更新は定期的に発生しますが、継続ユーザーの場合はサブスクリプションの更新に伴う、お得なプランを利用することができます。
Autodesk製品は、サブスクリプションの更新の際には新規購入よりも約10%を、価格を抑えて更新することができます*2。そのため、長く使用しているユーザーはそれだけお得にサービスを利用できるというわけです。
Autodesk製品は価格が高額であることがネックですが、長期運用を考えている場合は、サブスクリプション更新の割引も踏まえたコスト計算を考慮することを検討しましょう。
まとめ
この記事では、AutoCADのバージョン更新に関する基本情報について解説しました。AutoCADのバージョンアップは基本無料で行われるだけでなく、毎年のアップデートで新機能の追加や環境改善が行われるため、非常に充実しています。常に最新バージョンでの利用を優先し、より便利に製品を活用しましょう。
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参考
*1 Autodesk「AutoCAD 2024の主な機能」
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/features
*2 Autodesk「オートデスク ソフトウェアの契約更新」