【AutoCADユーザー向け】互換CADソフトZWCADへ乗り換える方法とは?メリットもご紹介
「AutoCADを使い続けたいけれど予算が限界」
「もっと安くて同レベルに使えるツールに乗り換えられないかな?」
とお悩みの方へ。機能性やシェア率の高さから人気のAutoCADですが、コストがネックになりがちです。サブスクリプションなので毎年更新が必要で、予算管理に悩むケースも少なくありません。
そんなユーザーに人気があるのが「ZWCAD」というツールです。AutoCADとの互換性が高いCADツールで、乗り換え方法も簡単です。
この記事ではAutoCADユーザーへ向けて、ZWCADの魅力や乗り換え方法をご紹介します。
この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
1.ZWCADの魅力
2.AutoCADからZWCADへ乗り換える方法
3.AutoCADユーザーに多いZWCADのQ&A
AutoCADからZWCADへ乗り換える2つのメリット
AutoCADからZWCADへ乗り換えると、以下の2つのメリットがあります。
互換性の高さ
コストパフォーマンスの向上
ZWCADとはZWSOFT社という中国の上場企業が開発している、AutoCADの互換CADソフトです。ZWSOFT社は20年を超える実績があり、世界90か国で90万人以上の利用実績があります。
またスマートマウス・音声注釈・ファイル比較といったZWCAD独自のイノベーション機能も有しており、CAD業務における設計を効率化できるソフトウェアです。
互換性の高さ
ZWCADはAutoCADと高い互換性を持っており、乗り換えが簡単な点が大きな魅力です。ZWCADは公式サイトで「まるでAutoCAD」と明記するほどに、UIもそっくりに設計されています。
乗り換えた後でもZWCADでAutoCADのコマンドが使えますし、図面データもそのまま使用可能です。AutoCADで作成した図面であれば、基本的にZWCADで正しく表示できます。
ZWCADはクロスプラットフォームであり、AutoCADから完全に乗り換えるだけでなく、AutoCADと並行して使うこともできます。互換性があるため、ZWCADで作成した図面をAutoCADで展開することもでき、自社に合わせた運用ができる点も大きな魅力です。
それぞれが持つ機能について、AutoCADとZWCADで一覧にまとめました。※1
機能 | ZWCADSTD | ZWCADPRO | AutoCADLT | AutoCADFULL |
PDF書き出し | ● | ● | ● | ● |
テキストとマルチテキスト | ● | ● | ● | ● |
画層管理 | ● | ● | ● | ● |
3Dモデリング | ● | ● | ||
レンダリング | ● | ● | ||
LISP | ● | ● | ● | |
VBA/.Net | ● | ● | ||
拡張ツール | ● | ● | ● |
コストパフォーマンスの向上
ZWCADはAutoCADと比較して圧倒的にコストパフォーマンス性が高くなっています。
AutoCADは1年契約で71,500円、AutoCAD Plusは231,000円です。(※2)AutoCADはサブスクリプションなので、1か月・1年・3年の契約スパンで更新しなければなりません。
一方でZWCADはZWCAD Stdが107,800円(1ライセンス)、Plusに相当するZWCAD Proが151,800円(1ライセンス)です。ZWCADは永久ライセンスなので更新の必要がなく、長く使う程ZWCADがお得になります。
過去にはAutoCADも永久ライセンスを販売していましたが、2016年に終了して以来サブスクリプション更新のみとなりました。そのため企業によっては更新のタイミングでコストを考え、ZWCADに乗り換えるというケースも少なくありません。
またZWCADではAutoCADでいうところの“フローティングライセンス”を無償提供しており、特別なサーバー機を必要としません。STD、Pro両方のエディションに対応しており、この点でもコストパフォーマンスが優れたソフトです。
ZWCADはAutoCADからの乗り換えキャンペーンもしていた
ZWCADでは過去にAutoCADからの乗り換えキャンペーンを打ち出したこともあります。AutoCADユーザー限定で、以下の特典を盛り込んでいました。(※3)
最大1年間の検証用ライセンスコードの提供
最大2年間の最新版バージョンアップの無償提供
前述した通り、ZWCADはAutoCADとほぼ同等の機能を有しています。ZWCADのProエディションであれば3Dモデリングも可能ですし、AutoCADユーザーに人気の「LISP」については、ZWCADならLTに相当するSTDエディションでも使用可能です。
今後のZWCADのキャンペーン予定は明らかになっていませんが、もしキャンペーンが始まればそのタイミングで乗り換えを検討するのもおすすめです。
AutoCADからZWCADへの乗り換え方法とは
ZWCADに乗り換えるためには、まず契約してライセンスを取得します。そしてAutoCADのデータをZWCADで開けば乗り換えられます。
AutoCADの開発言語である「ARX」とZWCADの開発言語「ZRX」はコードレベルで互換性があるAPIです。この互換性の高さがZWCADの最大の特徴であり、AutoCADからの乗り換えコストを最小限に抑えてくれます。(VBAなどは一部操作が必要なので後述します。)
他のアプリケーションからZWCADへの移行速度は従来の「1/10」と大幅に抑えられます。またAutoCADの場合、使用中の自社プログラムであっても移行期間は平均で1週間程度と短期間で行えるのです。
ZWCADは他の2DCADと互換性が高く、正しく保存されたDWG、DXFファイルならAutoCADはもちろん他のソフトからのデータも開くことができます。
AutoCADのVBAを移行させる方法
AutoCADで組んだVBAをZWCADに移行させるには、以下の変更を行います。(※4)
AutoCAD内のVBAのThisdrawingにあるすべてのソースコードをZWCAD+のVBAのThisdrawingにコピーする
VBAにクラスやモジュール、フォームがある場合はAutoCADのVBAエディタでエクスポートして、ZWCADのVBAエディタでインポートする
エンティティタイプをAcadXXXからZcadXXXに変更する。(例:AcadLayer→ZcadLayer)
すべてのエンティティ宣言をacXXXからzcXXXに変更する。(オブジェクトの名前はAutoCADと同じにする)
AutoCADのsetenvとgetenvコマンドを利用したマクロをZWCAD+へ移行する方法
setenvとgetenvコマンドは、AutoCAD LTのメニューマクロで情報を保持するためによく使用されるLISP関数です。こちらも手順を踏むことでZWCADにデータを移行できます。(※5)
以下テキストをZWCADのsetenv_getenv.lspファイルにコピーし、保存します。
<!-- wp:paragraph -->
<p>(defun c:setenv( / esvname esvval)<br>(setq esvname (getstring “\n変数名を入力:”))<br>(setq esvval (getstring “値:”))<br>(setenv esvname esvval)<br>(princ)<br>)</p>
<!-- /wp:paragraph -->
<!-- wp:paragraph -->
<p>(defun c:getenv( / esvname)<br>(setq esvname (getstring “\n変数を名入力:”))<br>(getenv esvname)<br>)<br>(princ)</p>
<!-- /wp:paragraph -->
AutoCADで作成したVBAプロジェクトをZWCADに移行する方法
AutoCADで作成したVBAプロジェクトをZWCADに移行する方法は以下の通りです。(※6)
AutoCADのVBAエディタにて*.dvbファイルを開き、ZでVBAエディタを起動する
AutoCADのVBAエディタ内にある「thisDrawing」中のソースコードを、Zの「ThisDocument」にコピー。
AutoCADのVBAエディタ内の全ファイルをエクスポート。ZのVBAエディタのファイル「ImportFile」メニューからインポートして保存する
ZのVBAエディタにて、以下のAutoCADブジェクトをZのオフジェクトに書き換える
全部のThisDrawingをThisDocumentに置き換える
全部のAcadをZwcadに置き換える
Zの利用で気になるポイントQ&A
公式サイトでもAutoCADとの互換性の高さを謡うZWCADについて、多くのユーザーが疑問を抱きがちなポイントを3つご紹介します。
AutoCADとZWCADの関係は?
公式サイトでもAutoCADとの互換性の高さを謡うZWCADですが、別カーネルで開発された全く別の製品です。AutoCADは本社が米国にある企業で、中国企業であるZWCADとは特に関連はありません。
ZWCADはユーザーからの要望に応える形で汎用CADソフトであるAutoCADやDWGとの互換を搭載しており、ユーザーフレンドリーさを押し出した製品の1つです。
ZWCADはなぜ安いのか?
AutoCADに比べて圧倒的に低コストであるZWCADは、安さの理由を「ソフトウェア開発費用にかかるコストをできるだけ落とし、かつクオリティーが下がらない努力を行っている」としています。
年間の開発費用は毎年上がっているようですが、企業努力によってコスパの良さを実現しているソフトウェアです。
ZWCADは他ソフトウェアとの混在ができるのか?
ネットワークライセンス管理「FlexNet Publisher」を採用しているソフトウェアなら、ZWCADと混在可能です。
FlexNet PublisherはFlexeraソフトウェアが提供するソフトウェアライセンスマネージャで、他のCADソフトではAutoCADやSolidworksがこれに該当します。
後方互換性があるものの混在環境の互換性についてはZWCAD社は保証しておらず、各ソフトウェアメーカーへ要確認となります。
サービス名やポート番号が重ならないようにすること、異なるバージョンのサービスを管理する際はなるべく新しい方のLMTOOLS(ライセンス管理ツール)といった注意が必要です。
ZWCADの特徴やAutoCADからの乗り換え方法をご紹介しました。互換性が高くコストパフォーマンスも高いZWCAD、ご興味がある方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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参照サイト:
※1
https://zwcad.co.jp/main-new/wp-content/uploads/2019/05/ZWCAD2019-campaign.pdf
※2
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
※3
https://zwcad.co.jp/main-new/wp-content/uploads/2019/05/ZWCAD2019-campaign.pdf
※6
https://zwcad.co.jp/technote/zwcad%e3%81%ae%e5%b0%8f%e6%8a%8063/