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ARCDRAW(アークドロー)を使いやすくする基本操作と便利機能

1. はじめに:ARCDRAWとは?

引用:https://www.daitec.jp/catalog/arcdraw2021/draw_01.html

ARCDRAW(アークドロー)は、建築や土木、設備設計など幅広い分野で利用されている国産2次元CADソフトです。シンプルで直感的な操作性を備えているため、初めてCADを扱う初心者でも短時間で基本操作を覚えられる点が大きな特長といえます。

また、世界的に標準的に利用されているAutoCAD形式のDWGやDXFとの高い互換性を持っており、他社ソフトで作成したデータをそのまま読み込み、編集し、再度出力することができます。この互換性は、社内外でのデータ共有や協力会社とのやり取りにおいて大きなメリットをもたらし、作業の重複や再入力の手間を大幅に削減します。

さらに、レイヤー管理やショートカットキー、コマンド検索といった豊富な機能を備えているため、初心者から経験者まで幅広いユーザーに対応可能です。シンプルでありながら拡張性があり、使い込むほどに効率化を実感できるのがARCDRAWの強みです。

本記事では、初心者が特に押さえておくべき基本操作と、作業効率を高める便利な機能を徹底的に解説します。

2. 基本操作で押さえておきたい機能

2.1 座標入力による正確な作図

CADを使う最大の目的は「正確な図面」を描くことにあります。フリーハンドの手描きスケッチでは誤差が生じやすく、後工程で修正の負担が大きくなってしまいます。その点、ARCDRAWでは座標入力によって正確な位置や寸法を指定しながら作図することが可能です。

ARCDRAWには座標リストを入力して折線を描く機能があり、さらに座標データの入出力をCSV形式で行えるため、外部データとの連携にも対応できます。たとえば測量データや設備配置データをCSVで取り込み、ARCDRAW上でそのまま線分として再現することが可能です。これにより、現場で取得したデータを直接図面に反映できるため、作業効率と精度が飛躍的に向上します。

実際の操作はシンプルで、コマンド入力欄に座標を順に指定するだけ。X,Y座標を正確に打ち込むことで、ミリ単位の誤差も許されない精密な設計図を作成できます。手作業での修正や位置合わせの手間が省けるため、初心者でも安心して精度の高い図面を仕上げることができます。

2.2 スナップ機能で精度を確保

座標入力に加え、ARCDRAWのスナップ機能も正確な作図に欠かせません。スナップ機能とは、カーソルを図形に近づけた際に、端点・交点・中心点などの基準点に自動的に吸着させる仕組みです。

たとえば、壁の端点に窓を正確に配置したい場合や、交点から新しい線を引きたい場合などに、目視だけではわずかなズレが生じることがあります。スナップ機能を有効にしておけば、そのようなズレを自動的に防止でき、意図したとおりの位置に図形を配置できます。

ARCDRAWは端点・中心点・交点・線上点を自動的に検出し、カーソルが吸着する仕様です。検出されたポイントは記号で表示されるため、どの位置に吸着しているのかが視覚的にもわかりやすく、初心者でも安心して操作できます。

スナップ機能を正しく活用すれば、複雑な図面を扱う際でも精度を確保でき、後工程での手直しを最小限に抑えられます。

2.3 編集操作:移動と複写

図形を描けるようになったら、次は編集操作を覚えることが重要です。ARCDRAWには図形の位置を正確に移動させる「移動」機能と、同じ図形を複数配置できる「複写」機能が備わっています。

「移動」機能を使えば、描いた図形を別の場所へ正確に配置し直すことができます。基準点を指定して移動先の座標を入力すれば、設計意図に沿った正しい位置に簡単に配置可能です。これにより、図面全体のバランス調整やレイアウト変更が効率的に行えます。

一方、「複写」機能は、同じ図形を繰り返し利用したい場合に便利です。例えば建築図面において窓やドア、家具などを複数配置する際、毎回作図するのは非効率です。最初に描いた図形を複写して配置すれば、作業時間を大幅に短縮でき、図面の統一感も維持できます。

公式のFAQでも「複写・移動先のレイヤが非表示だと操作できない」といった解説がなされており、これらの機能がARCDRAWの標準機能として提供されていることが確認されています。

3. 作業効率を高める便利機能

3.1 ツールバーとショートカットのカスタマイズ

ARCDRAWでは、ツールバーやショートカットを自由にカスタマイズすることができます。使用頻度の高いコマンドをツールバーに追加したり、オリジナルのツールバーを作成したりすることが可能です。

自分の作業スタイルに合わせてよく使う機能をまとめておけば、メニューを探す手間が減り、作業効率が大幅にアップします。例えば、建築設計者であれば「壁」「窓」「ドア」関連のコマンドをまとめたツールバーを作成し、設備設計者であれば「配管」「電気シンボル」関連を優先的に配置するといった工夫が可能です。

さらに、キーボードショートカットもカスタマイズできます。標準で設定されているものに加え、よく使うコマンドを自分が押しやすいキーに割り当てることで、操作スピードを飛躍的に高めることができます。長時間の作業でマウス操作に頼りすぎると手首や肩に負担がかかることもありますが、ショートカットを活用すれば身体的負担の軽減にもつながります。

3.2 ショートカットバーの作成

ツールバーやショートカットのカスタマイズに加えて、ARCDRAWではショートカットバーを新規作成することも可能です。ショートカットバーとは、特定のコマンドをまとめて配置できる専用バーのことです。

この機能を利用すれば、自分専用のコマンド集を作成でき、必要な操作をワンクリックで呼び出せます。特に初心者にとっては「どこにどのコマンドがあるのかわからない」という悩みを解消でき、操作に迷う時間を減らせます。

例えば、よく使う「直線」「円」「移動」「複写」「寸法」などを1つのバーにまとめておけば、常に画面に表示されているため探す手間がありません。効率性だけでなく心理的な安心感にもつながり、作業に集中できます。

3.3 レイヤー管理

CADソフトにおいてレイヤー管理は非常に重要です。ARCDRAWも例外ではなく、AutoCADと同様に「ByLayer」設定を採用しています。これにより、レイヤー単位で色・線種・線幅を設定でき、図面を体系的に整理することが可能です。

例えば、建築図面であれば「構造」「設備」「家具」「寸法」といった要素ごとにレイヤーを分けることで、必要に応じて表示・非表示を切り替えたり、印刷時にわかりやすく出力したりできます。また、誤操作を防ぐために特定のレイヤーを固定して編集できないようにすることもできます。

レイヤーを使いこなせば、大規模で複雑な図面でも見通しがよくなり、作業スピードが向上するだけでなく、成果物の品質も大きく向上します。

3.4 コマンド検索とヘルプ

ARCDRAWにはコマンド検索機能とクイックヘルプ機能が搭載されています。コマンド入力欄に検索キーワードを入力することで、該当するコマンドをすぐに呼び出すことができます。音声認識による検索も可能で、手を動かさずに必要なコマンドを探せるのも便利です。

さらに、ツールバー上のアイコンにマウスカーソルを置くだけで、そのコマンドの説明がヘルプウィンドウに表示されます。初心者が「このアイコンは何だろう?」と思ったときでも、すぐに確認できるため学習効率が上がります。

迷ったときに作業を止めずに解決できる環境が整っていることが確認できます。

4. まとめ

ARCDRAWは、国産ならではのわかりやすい操作性と、実務で役立つ多彩な機能を備えた2D CADソフトです。特に、以下の機能は、初心者が安心して利用できるポイントとなります。

  • 座標入力による正確な作図
  • スナップ機能による位置精度の確保
  • 編集操作(移動・複写)による効率的なレイアウト調整
  • ツールバー・ショートカットの自由なカスタマイズ
  • ショートカットバーの作成による作業効率化
  • レイヤー管理による図面の整理と一貫性確保
  • コマンド検索・クイックヘルプによる学習支援

これらを活用すれば、初心者でも短期間で作業効率を高められ、業務品質の向上につなげることができます。

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<参考文献>

ARCDRAW 製品情報:ダイテック

https://www.daitec.jp/catalog/arcdraw2021/draw_01.html

ARCDRAW発売のご案内:ダイテック

https://www.daitec.jp/sales/draw_2021.html

ARCDRAWサポート:ダイテック

https://www.daitec.jp/support/draw_faq.html

アークドローの簡単な初歩や基本的な使い方・利用方法・仕様方法・やり方 | 初めての利用方法や使用方法・初心者でも簡単 使い方ラボ

https://www.tukaikata-labo.com/content/3687

2次元CAD 「ARCDRAW2021」 | イプロス

https://www.ipros.com/product/detail/2000729077/

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