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Civil 3Dにおける線形とは?基本語句や機能を解説

Autodeskが展開するCivil 3Dは、土木設計分野における次世代のモデリングを可能にする強力な機能を多数備えています。計画や設計段階の業務はもちろん、その後の施工や維持管理においても効果を発揮することから、土木領域におけるスタンダードなソフトとして定着が進みつつある製品です。

この記事では、そんなCivil 3Dを使いこなす上で欠かせない線形機能について、基本的な語句や使い方を解説します。

目次:

  1.  Civil 3Dの強み
  2. 線形とは
  3. 線形コレクションについて
  4. 線形の設定方法
  5. 線形の作成方法
  6. 線形の編集方法
  7. 線形と合わせて覚えておきたい概念

Civil 3Dの強み

Civil 3Dは業界水準とも言えるほど信頼性の高いソフトですが、同製品の強みは

  • 強力なBIM/CIM機能
  • 高い相互運用性
  • 優れた拡張性

などが挙げられます。

Civil 3Dは他のAutodesk製品であるRevitと同様に、BIM/CIMに対応しています。従来のCADデータの扱いだけでなく、より多くの情報を含んだBIMデータを使いながら作業を進められるため、高品質な3Dモデリング業務が実現します。

ファイルは共通規格であるIFC形式を採用しているのをはじめ、複数の形式に対応しています。扱うファイルの互換性が確保できず、作業が進められないといったトラブルの心配はありません。

加えて、独自のクラウドサービスを介してリアルタイムに関係者と情報共有ができます。設計データにはGISデータも取り込み、より正確な共同作業の実現に役立てられる製品です。

また、Civil 3Dは必要に応じて拡張機能を導入することもできます。地質データの解析や自動化ツールなど、日々の業務をさらに円滑なものとしてくれる魅力が強みです。

線形とは

Civil 3Dの高いポテンシャルを支える概念として、欠かせないのが線形です。線形はCivil 3Dを使った設計作業において使用するオブジェクトのカテゴリの一つで、作図における基線となる部分の描画に使用されます*1。

線形オブジェクトを使用することで、例えば道路や河川の中心線を描き、簡潔にどのような様子になるのかを伝えることが可能です。最終的には複雑な図面となる場合も、まずは線形オブジェクトを使用し、シンプルな線形図面の描画による定義づけを行います。

線形の特徴

線形は独立したオブジェクトとして使用できるだけでなく、縦断や横断、そしてコリドーの親オブジェクトとして定義することができます。つまり、線形を編集することでその線形と紐づけられているオブジェクトも、変更内容が適用されるわけです。

線形がサイト内にある場合、線形の存在するジオメトリとそれ以外のオブジェクトのジオメトリも相互に作用します。サイト内にある区画は線形によって分割され、区画線や計画線が線形と交差すると、交わる部分の標高はそれと同じと判断される仕組みです。

相互作用するかどうかは線形のプロパティを変更することで変更ができるため、適宜設定を見直すことも重要です。

線形のタイプ

線形の作成時、各線形には必要に応じてタイプを振り分けます。例えば道路の中心線を描きたい場合、線形のタイプは中心線タイプを設定し、線路の場合は軌道タイプを、配管などの場合はその他のタイプを設定するといった具合です。

いずれのタイプの線形も独立したオブジェクトとして扱われるため、タイプ設定を忘れないようにしましょう。

線形コレクションについて

線形コレクションとは、線形の種類に応じて用意されている一連の機能群のことです。線形コレクションには

  • プロスペクタータブ
  • 設定タブ

の2種類があり、それぞれを使い分けられることが重要です。

プロスペクタータブ

線形のプロスペクタータブは、図面上の線形にアクセスする上で不可欠のコレクションです。タブの中では[線形]コレクションと[サイト]コレクションに分かれ、前者に配置した線形は後者の区画と相互に作用しないという特徴を備えます。

また、[サイト]コレクション内に存在する線形は、同サイト内に存在する他のオブジェクトとは相互に作用するため、仕様の違いに注意する必要があるでしょう。

設定タブ

設定タブは[ツールスペース]内に設けられており、各種設定を行うのに必要な機能を使用できます。

[設定]タブのコレクションを使用することで、設計のフィーチャ設定やラベルスタイル、ツリーの表示設定などを変更可能です。

線形の作成方法

Civil 3Dには多様な線形の作成方法が設けられており、必要に応じてアプローチを変えながら作成を進めることができます。主な作成方法は、以下の通りです。

線形レイアウトツールを使用する作成方法

線形の最も基本的な作り方は、[線形レイアウト ツール]を使用する方法です。[線形レイアウト ツール]では、[レイアウト]コマンドを使用して線形を描画します。

この方法で使用できるのはフリーハンドで作図ができるツールと数値を定義づけた上で作成するツールの2種類で、必要に応じて使い分けることが重要です。

線形を描く際には曲線を描くものとそうでないものを設定で変更できます。曲線描く設定の場合、交点を設置することで自動的に描かれる線形が曲線となり、描かない場合は交点を結ぶ線形は直線となります。

最適線形の作成方法

最適線形とは、あらかじめ設定している計画線や円弧、ブロックなどに基づき、自動的に最適な線形を描く機能です。

最適線形を描くには、[緩和曲線を作成]などのオプション機能を使うことで可能です。あらかじめ設定しておいた半径や接戦に基づき、線形が描画されます。

既存の線形から新たに線形を作成する方法

既存の線形を流用し、線形を丸ごとコピーしたり、その一部を利活用したりすることも可能です。

この場合、まず流用元となるソース線形を指定し、測定範囲を指定の上新しい線形を作成します。その上でさらに新しい線形を作成し、サブ図形を追加することで、既存の線形を踏まえた別個の線形を作成することができます。

線形と合わせて覚えておきたい概念

線形の使い方と合わせて、以下の2つの概念についても目を通しておくのが良いでしょう。

線分・曲線

線分・曲線は、線形を構成する要素の一種です。直線であったり曲線であったりなど、線形は状況に応じて様々な形状を有しているため、それぞれの線の描き方を理解しておくことが線形作成においては求められます。

サーフェス

サーフェスとは、線形とは異なり3Dジオメトリでその土地の領域を描く概念です。立体や体積の要素を含むことができ、線ではなく面や奥行きを捉えたい場合、必要になります。

まとめ

この記事では、Civil 3Dにおける線形の意味や使い方について解説しました。線形を有効活用できることで、基本的な図面の作成はもちろん、高度なプロジェクトを理解する上でも役に立ちます。

まずは線形を取り巻く概念の意味を理解し、作成作業に役立てていきましょう。

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出典:

*1 Autodesk「Autodesk Civil 3D ヘルプ」

https://help.autodesk.com/view/CIV3D/2024/JPN/?guid=GUID-6C5C6DC0-3C2D-4825-8BA8-4FA58941F560

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