Revitでスイープを作成・編集する手順を解説
Autodeskが提供しているBIM対応ソフトのRevitでは、スイープの作成および編集が可能です。しかし、操作手順が複雑なため、どのように作成したらよいのか把握できていないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事ではRevitにおけるスイープの意味にふれつつ、作成および編集の手順を分かりやすく解説します。Revitでスイープ作成の手順が分からずお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.Revitにおけるスイープの意味
2.Revitにおけるスイープの作成および編集の手順
Revitにおけるスイープの意味
Revitではスイープを作成できます。スイープとはオブジェクトの断面の形状を軌道に沿って動かして立体図を生成する方法です。Revitにおけるスイープは3Dモデリングの作成時に使用するコマンドの1つです。
スイープとよく間違えられるコマンドとして「押し出し」のコマンドがあります。「押し出し」は軌道ではなく直線に沿ってオブジェクトを作成するコマンドであり、次のような場合に使用します。
・立方体の作成
・円柱の作成
一方「スイープ」は曲線や捻じれのある螺旋状の階段、手すり、配管などの3Dオブジェクトを作成する場合に使用するコマンドです。
Revitにおけるスイープの操作手順
Revitにおけるスイープの次の操作手順をみていきましょう。
・スイープの作成手順
・スイープの編集手順
なお、作成手順は一般的な操作方法です。デザインによって手順は異なる可能性がある点を知っておきましょう。
作成手順(*1)
まず、スイープの作成手順です。タブ「作成」内にあるパネル「フォーム」から次の2つのいずれかの操作を実行しましょう。
・ソリッドスイープを作成したい場合:スイープボタンをクリック
・ボイドスイープを作成したい場合:ドロップダウン「ボイドフォーム」からスイープボタンをクリック
次にスイープパスを指定するために、新しい軌道(パス)のスケッチもしくは既存の線の選択の操作を実行します。
新しい軌道をスケッチしたい場合、タブ「修正|スイープ」にあるパネル「スイープ」からボタン「パスをスケッチ」を選択します。複数の軌道は作成できないため注意が必要です。
既存の線を選択する場合、タブ「修正|スイープ」にあるパネル「スイープ」からボタン「パスを選択」を選択します。ツール「パスを選択」を使用すると、複数の作業面で生成したスイープの作成が可能です。また、ステータスバーで対象となる軌道を確認しつつ既存のスケッチ線を選択すると、スケッチ線が自動的にロックされ、3Dパスを作成できるようになります。
パネル「モード」にあるボタン「編集モードを終了」を選択し、プロファイルのロードもしくはスケッチの操作を実行します。プロファイルのロードおよびスケッチの手順をみていきましょう。
【ロード手順】
1.タブ「修正|スイープ」にあるパネル「スイープ」を選択
2.リスト「プロファイル」から対象となるプロファイルを選択
3.プロパティパレットにてプロファイルの位置調整を行う※
4.「適用」を選択
5.軌道を選択し、プロファイルを表示
手順3のプロファイルの位置調整ではオプションを使用し、次の調整を行います。
・プロファイルの水平オフセット
・プロファイルの鉛直オフセット
・角度
・フリップしたプロファイル
位置調整はXおよびY値の入力を行い、オフセットの指定を実行しましょう。角度指定ではプロファイルの基準点の周囲で角度が回転します。角度指定で逆方向に回転させたい場合、調整欄に負の数値を入力しましょう。
【スケッチ手順】
1.タブ「修正|スイープ」にあるパネル「スイープ」を選択
2.画面上に「<スケッチ別>」が表示される
3.ボタン「プロファイルを編集」を選択
4.ダイアログボックス「ビューに移動」が画面上に表示される
5.スケッチを実行するビューを選択
6.「OK」をクリック
7.プロファイルのスケッチを行う
8.タブ「修正|スイープ」にあるパネル「モード」のボタン「編集モードを終了」を選択
ロードおよびスケッチの操作完了後、プロパティパレットでスイープのプロパティ指定を実行します。
プロパティ指定の内容 | 操作手順 |
表示内容を設定する | 1.「グラフィックス」の下部にある「表示/グラフィックスの上書き」をクリック2.「編集」から表示設定の詳細を定める |
マテリアルをカテゴリ別に適用する | 1.「マテリアルと仕上げ」の下部にあるフィールド「マテリアル」をクリック2.「…」を選択し、マテリアルを設定する |
サブカテゴリに割り当てる | 1.「識別情報」の下部にある「サブカテゴリ」をクリック2.割り当てたいサブカテゴリを指定 |
プロパティ指定完了後、パネル「モード」の「編集モードを終了」を選択し、ソリッドの作成操作を終了しましょう。
編集手順(*2)
ファミリエディタを使用し、次の編集が可能です。
・スイープのパス
・プロファイル
・プロパティ
スイープの編集手順を詳しくみていきましょう。
1.編集したいスイープを選択※
2.スイープのダブルクリックもしくはタブ「修正|スイープ」からボタン「スイープを編集」を選択
3.スイープパスの変更操作を行う※
4.スイープのプロファイルを変更する※
5.スイープをソリッドもしくはボイドに修正したい場合、「識別情報」の下部にある「ソリッド/ボイド」をクリックし、いずれかを指定
6.「適用」を選択
手順1の操作後、プロジェクト環境にある場合、タブ「修正|<要素>」から編集したいスイープを指定する必要があります。パネル「モード」のボタン「ファミリを編集」を選択し、編集するスイープを選択しましょう。
手順3のスイープパスの変更操作では、次の手順を実行し、パネル「モード」にあるボタン「編集モードを終了」を選択します。
・タブ「修正|スイープ」のパネル「スイープ」にあるボタン「パスをスケッチ」を選択
・タブ「修正|スイープ」のタブ「パスをスケッチ」により、パスの修正を実行
手順4のプロファイルの変更では、次の手順で作業を進めましょう。
1.対象となるプロファイルを2回クリック
2.タブ「修正|スイープ」にあるパネル「スイープ」のボタン「プロファイルを選択」を選択
3.パネス「スイープ」を使用し、新規のスイーププロファイルの選択もしくはスイーププロファイルの場所変更を行う
4.パネル「モード」のボタン「編集モードを終了」を選択
既存プロファイルの編集操作はパネル「スイープ」にあるボタン「プロファイルを編集」を選択し、タブ「修正|スイープ」からタブ「パスをスケッチ」のツールを使用します。
まとめ
AutodeskのソフトであるRevitでスイープを作成・編集する手順を解説しました。スイープとは作図しているオブジェクトの断面の形状の軌道から立体図を作成できる機能です。曲線や捻じれのあるオブジェクトの立体図の作成に適しています。具体的には螺旋状の階段、配管といった設備の立体図の生成が可能です。
スイープの作成手順は複雑で、オブジェクトの軌道選択のみではなく、プロファイルの位置調整やプロパティの指定を実行する必要があります。スイープの作成および編集を実行する手順を確認し、繰り返し操作を行い、操作手順の理解を深めましょう。
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「Autodesk Revit LT 2025|スイープを作成する」
https://help.autodesk.com/view/RVTLT/2025/JPN/?guid=GUID-E1A36DCB-C629-44BE-9400-2D02D13CF7F4
*2
「Autodesk Revit LT 2025|スイープを編集する」
https://help.autodesk.com/view/RVTLT/2025/JPN/?guid=GUID-E3131FF9-3FE4-4CF4-8DD6-39CF11C82BAB