1. TOP
  2. ブログ
  3. 新型ウェアラブルデバイス「Microsoft HoloLens」、その活用や可能性を探る

新型ウェアラブルデバイス「Microsoft HoloLens」、その活用や可能性を探る

マイクロソフトはゴーグル型のウェアラブルデバイス「Microsoft HoloLens」を開発しました。日本でも2016年12月から予約を受け付け、翌2017年1月から出荷を開始しています。ゴーグル型のデバイスといえば、ビデオゲーム用の装着型機器を想像する人も多いでしょう。しかし、Microsoft HoloLensはそれとはまったく違う機能をったウェアラブルデバイスです。マイクロソフトが満を持して世に送り出した新型デバイスはどんな潜在能力を秘めているのでしょうか。

複合現実を実現するウェアラブルホログラフィックコンピューター

マイクロソフトが開発したMicrosoft HoloLensはゴーグルの形状をしていて、最近見かけるゲーム機の補助機器に似ています。

Microsoft HoloLensオフィシャルサイト

しかし、外見は似ていても中身も仕組みもまったく異なるウェアラブル型のデバイスです。

Microsoft HoloLensは、他の機器と組み合わせて使うのではなく、単体で動作するスタンドアローン型のウェアラブルデバイスです。ゲーム用のゴーグルはゲーム機につないで使用することを前提に作られています。それに対して、Microsoft HoloLensは本体にCPUや通信機器、そしてデータ記録用のストレージを搭載していて、OSにWindows 10が組み込まれています。加えて、カメラや加速度センサーまで内蔵しています。つまり、Microsoft HoloLensは、Windowsパソコンをゴーグルにした「ホログラフィックコンピューター」なのです。

ゴーグルに表示される映像もゲーム機のものとはまったく異なります。ゲーム用のゴーグルは密閉型のスクリーンそのもので、外の様子は見えず、ゲーム機本体から送られてくる仮想現実の映像だけを表示します。一方、Microsoft HoloLensはゴーグルが透過型になっていて、周囲の景色を見ることができます。そして、現実の景色にソフトで表現した映像を重ね合わせて表示することができるのです。

現実と仮想の世界を組み合わせた映像空間を、マイクロソフトは複合現実(MR)と呼んでいます。この複合現実を体感できるのがMicrosoft HoloLensの大きな特徴です。

指を使ったジェスチャーで複合現実上の物体を操作

Microsoft HoloLensは、単に複合現実の世界を映し出すだけのデバイスではありません。指先でジェスチャーして、複合現実上にある物体(オブジェクト)を操作する機能も備わっています。

ジェスチャーには、手のひらを顔面に向けて握ったり開いたりするブルーム、人差し指を空中で突き出してスマートフォンでのタップと同じしぐさをするエアタップ、人差し指と親指の先端を合わせてつまむタップアンドホールドがあります。

Microsoft HoloLensをつけながらこれらのジェスチャーをすることで、使用者は複合現実上にある物体を仮想的につかんだり突いたり、つまんだりして、あたかも実際に触れているような疑似体験ができるのです。

3次元のデザイン制作や実習訓練など幅広い活用が期待

複合現実で仮想的な操作を実現できるMicrosoft HoloLensは、業務での活用に大きな可能性を秘めています。

たとえば建築分野では、建設予定地で建物の3次元データを表示してMicrosoft HoloLensをつけて歩き回り、景観を含めた全体像を見渡すといった行動ができます。また、デザイン分野でも3Dデータを複合現実で映し出すとともに、ジェスチャーで制作物を動かして細部の出来映えを確認することもできるでしょう。

訓練や実習での活用にも力を発揮します。飛行機の操縦訓練や整備実習では、複合現実で機器を表示してジェスチャーでボタン操作を体現しながら練習をしたり、手順の確認をするといったトレーニングができます。医療分野では、手術の手順を把握したり繰り返し練習をするときに大いに役立ちそうです。

マイクロソフトも動画で活用事例を紹介しています。

課題は価格と軽量化

Microsoft HoloLensは価格と軽量化が普及のカギを握ります。

現在の販売価格はおよそ33万円からと高価で、何台も購入するには予算を組まなければなりません。

また、本体の重量は579グラムと、装着して長時間使用するには体に負担がかかります。低価格化とともに、本体の軽量化もあわせて推し進めていく必要があるといえます。

複合現実という高い潜在能力をもつ機能を体感できるMicrosoft HoloLensは、今後さまざまな業務への導入・利用が期待されます。マイクロソフトが送り出した新型デバイスの発展を注視していきたいところです。

 

<画像>PR TIMES

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP