ベゼルレスデザイン、クールか、使いにくいか
「ベゼルレスデザインのiPhone8ってどんな感じなの」でクローズアップされたように、iPhone 8からベセルレスデザインの筐体が採用される確実性が高まりました。信憑性を裏付ける情報として、中国のSNS「Weibo」にiPhone 8に使われるスクリーンプロテクターの映像が流出しました。
スクリーンプロテクターの上部には4つの穴があり、これがフロントカメラと顔認証センサーのものとして考えられています。ホームボタンがなくなり、全画面が液晶という斬新なイメージです。
ところで、ベゼル(bezel)といえば、カシオのヒット商品の時計G-SHOCKで、ベゼルを交換することで自分だけの時計をカスタマイズできました。
時計のベゼルはベルトとともに傷つきやすく、長期的に利用すると交換しなければならない部品です。しかし、G-SHOCKは部品交換を単なるメンテナンスではなく、楽しみのひとつに変えました。
そもそも時計のベゼルには、防水性を高める役割、二ヶ国語や目盛りを刻むなど、装飾以外の機能があります。スキューバダイビングが趣味のひとには馴染み深いかもしれませんが、ダイバーズウォッチには「回転ベゼル」があり、酸素ボンベの残量を確認できます。いわゆるタイマーの役割です。
ウエアラブルデバイスの隆盛とともに時計も進化を遂げましたが、サムスンはスマートウォッチのベゼルに画期的な機能を取り入れました。
スマートウォッチのベゼルに機能を搭載
サムスンの「Gear S」シリーズでは、ベゼルを回転させることでアプリを選択したり、画面を切り替えたりすることができます。液晶のちいさな画面をタップしてアプリを利用するのは困難です。そこでUI(ユーザーインターフェース)として、ベゼルを活用しています。以下はS2登場時のケータイWatchの動画です。
一方、Apple Watchのベゼルに機能はありません。そこで、さまざまなメーカーが装飾品としてベゼルを提供しています。ダイヤを散りばめたベゼルもあり、ラグジュアリーとしての高級感を演出できます。デコ盛りの印象もありますが。
ベゼルレス真っ盛りの液晶テレビ、モニター
時計から目を転じて家電業界を見渡すと、最もベゼルレスが進展しているのは液晶テレビ、モニターの分野です。「狭ベゼル化(狭額縁化)」は数年前から業界のトレンドであり、1ミリでもベゼルを狭くするために熾烈なベゼルレス競争にしのぎを削っています。
液晶テレビには壁面と一体化する製品が登場しています。まるでSF映画で観たことがあるような、21世紀的なデザインです。
昭和の時代には一般的だった、チャンネルの切り替えダイヤル、ボリューム調節のつまみがあるテレビは、もはや過去のものとなりました。スピーカーも裏面に配置され、現在の液晶テレビはシンプルでスタイリッシュです。
液晶テレビやモニターにはベゼルレスの意義があります。というのは、ごちゃごちゃしたボタンなどを取り去って、美しい画面だけを見せることができるからです。リモコンやスマートフォンで操作すれば、テレビやモニター自体にチャンネル切り替えやボリューム調整、輝度調節のための物理的なボタンなどは不要になります。
問題はベゼルレスによって、強度が維持されるか、ということではないでしょうか。
飾りだけではないベゼルの役割
ベゼルには筐体の強度を維持し、画面を保護する役割もあります。したがって、液晶テレビやモニターであれば、ベゼルを狭くしてもスマートフォンに比べて強度の問題はあまりありません。というのは「持ち歩く」ことがないからです。
現在、映像を持ち運んで見たいのであれば、タブレットやスマートフォンで「動画」を観るという選択肢が増えました。NetflixやAmazonプライム・ビデオのように、マルチデバイスで映画を配信するサービスも人気があります。迫力のある大画面で観たいときに、リビングのテレビや書斎のPCのモニターで楽しむ使い分けができます。
据え置きの液晶テレビと異なり、スマートフォンは頻繁に持ち歩く「モバイル端末」です。外出時に電話やSNSの通知を受けてバッグから出し入れするときに、落としやすいことが難点です。
UXを意識したデザインかどうかがポイント
ちなみに、以前から疑問に感じていることですが、どうして一部のiPhoneユーザーの液晶はバリバリに割れているのでしょう?
特に女性の方に多い印象がありますが、バリバリに割れた液晶画面を使いにくそうに操作している姿をよく見かけます。おそらくパウダールームで化粧を直したりするときに、誤って落とすことが多いのでは。修理代が高価であることも原因かもしれません。Androidユーザーではあまり見かけない風景です。
全面が液晶のベゼルレスデザインの美しいiPhone 8は楽しみです。とはいえ、安心できる強度をもった筐体に期待します。加えて、握ったり持ったりしたときに誤動作が起きないUX(ユーザーエクスペリエンス)を意識したデザインがいいですね。
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