Appleのワイヤレス充電で飛ぶ距離や仕様はどうなる
毎年新型iPhoneの発売時期が近づくと、iPhoneユーザーは「今年のiPhoneは何をやってくれるのだ?」という期待感でワクワクしますよね。今年のiPhone8発売の話題では、ついにiPhoneがワイヤレス充電に対応するという話題で盛り上がりを見せています。
ではワイヤレスの飛ぶ距離や、その他の詳細仕様はどうなるのでしょう・・・?
Androidではかなり前からワイヤレス充電が普及している
スマホはアインフォン以外使ったことがないし、Androidなど興味もないという人は意外にしならない事実ですが、Android陣営では、日本国内で2011年からワイヤレス充電規格「Qi(チー)」に対応したAndroid端末が登場して普及しています。自宅で便利なだけでなく、日本全国の有名飲食店やコンビニなどでQi充電スポットが設置されています。
iPhoneも当然ライバルのAndroid陣営の展開を横睨みしながら、ワイヤレス充電対応していきますので、まずはAndroid陣営が現時点でどんなワイヤレス充電対応をしているのか見てみましょう。
ライバルAndroid陣営のワイヤレス充電状況
Android陣営では、すでに2011年から日本で普及している「Qi(チー)」(エネルギーという意味の中国語)の他に勢力拡大中の規格として「Powermat」があります。Powermatはシカゴ空港やNYのマディソンスクエアなどの公共施設や、GMのシボレー車載用ワイヤレス充電システムとしても採用されています。スターバックスやマクドナルドなどでも設置が進み始め、日本でも普及が予想されています。あと一つ、Androidの端末メーカーとして業界をリードしてきたサムスンが力を入れ始めているA4WPがあります。
Qi(電磁誘導方式)
現時点で幅広いAndroidメーカーに採用されており、日本でも普及。ワイヤレス充電のスタンダードという評価を受けている。電波の飛ぶ距離は約4センチで、専用の充電パッドにデバイスを載せることで充電を行います。
Powermat(電磁誘導方式)
IEEEやGoogleが参加している現在採用が進んでいる規格。充電器付スマホカバーやモバイルバッテリーへの普及など新しい使用シーンを開拓中。こちらも電波の飛ぶ距離は約4センチで、専用の充電パッドにデバイスを載せることで充電を行います。
Rezence(磁界共鳴方式)
製品化されたものはいまだ無いが、クアルコム、サムスン等が中心メンバー。磁界共鳴方式とは充電器側と同じ周波数受け取るデバイスにワイヤレス給電できる仕組みというところが最大の特徴。この技術を使えば、複数のデバイスへの給電も行えます。
アップルはどの規格でワイヤレス充電を実現するのか?
先行するAndroid陣営の状況を確認しましたが、Rezenceの同じ周波数を受け取るデバイスにワイヤレス給電できるというのはスマホの二台持ちなどをしている人にはとっても魅力的ですね。何をやるにも、ユーザーの期待を上回ることをやってくれそうなアップルなので、Rezenceの採用!ということはあるいのでしょうか?
アップルはすでに「Qi」を推進する業界団体である「WPC」(Wireless Power Consortium)に参加しているのでその流れで言えば「iPhone8」には「Qi」が採用される可能性が高いです。
ではスマホ端末での最大のライバルサムスンが影響力を持つRezenceの規格団体「A4WP」(Alliance For Wireless Power)には加入していないので、先程の二台以上の端末に同時給電する充電器はないのでしょうか?
結論から言うと、そんなこともありません。アップルは社風として独自規格を採用する傾向があります。例えばiPhoneしか使ったことのない人にはLightningケーブルは世界標準のように感じてしまいますが、ケーブルの規格ではUSB-Cという規格が標準でLightningケーブルは、アップルが独自に採用している規格です。
つまり、ユーザーの利便性を考えて、複数デバイスの充電を可能にする充電器を、サムスンが影響力を持つA4WPとは無関係の規格として実現する可能性も濃厚というわけです。
Apple WatchにはQiベースのワイヤレス充電機能がありますが、アップル独自の改良がなされていますので、アップル純正以外の充電器でApple Watchを充電することはできません。もしかすると、Qiをベースとしながらも、複数デバイスの充電を可能にする充電器がアップルの独自規格として飛び出してくるかもしれません。
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