1. TOP
  2. ブログ
  3. ガラパゴスから世界基準へ?日本固有のFelicaがiPhone8と共に世界を狙う

ガラパゴスから世界基準へ?日本固有のFelicaがiPhone8と共に世界を狙う

最近では、先進国や中国を中心に、紙幣の利用低下・電子マネーの利用向上というトレンドが出来上がっています。いわゆるキャッシュレス化と呼ばれる動きですが、一方で、日本は、紙幣の安全性(≒偽札が非常に少ない)が高いこともあり、なかなか進んでいません。2017年に非常に注目された仮想通貨などの動きもあり、今後もさらにキャッシュレスは進んでいくことでしょう。こうした中で、電子マネーやキャッシュレスに欠かせない決済方式の技術に「Felica」というものがあります。「Felica」は純国産の技術ですが、過剰性能や読み取り端末の設置コストなどの問題もあり、なかなか普及が進んでいませんでした。しかし、ここにきて大きな転換期に差し掛かっています。果たして、純国産技術の「Felica」はどのような変化を受けているのでしょうか。

 

 

FelicaとiPhoneの関係性

 

Felicaは過剰性能といわれていますが、処理スピードの速さや高セキュリティ、そして複数のアプリケーションを組み合わせることが出来るといった多くの利点を持っています。日本においては、Suicaやnanaco、WAONといった電子マネーの分野で非常に活躍していました。アメリカでは、Felicaを利用して、大学の出席やIDカードとして利用しているところもあります。こういった汎用性の高さから、iPhone7/7Plusに導入され、注目されました。しかし、iPhone7/7Plusでは、日本独自の仕様となっていたため、日本モデルだけでFelicaの利用となっていたのです。つまり、海外でiPhoneを買った人や外国人旅行客は、iPhone7やそのアプリであるApple Payを利用して、日本のSuicaやnanacoでの支払いが出来なかったということです。
しかしながら、iPhone8/8Plus・iPhoneXでは、日本モデルだけでなく、海外で販売されているモデルでも「Felica」の利用が発表されました。更に、Apple Watch series 3においても、同様に海外モデルにも「Felica」が採用されたのです。これで、最新機種を持っている人であれば、誰でも日本の電子マネーを自由に利用できることとなりました。

 

 

Felicaの戦略は中国と東京オリンピック?

 

日本独自の技術が、世界で利用されているiPhoneという端末に導入されるというのは極めて画期的であり、大きなビジネスチャンスが期待できます。iPhone8/8Plus・iPhoneXの開発に合わせての導入にはどのような意味があったのでしょうか。まず大きく挙げられるのは、日本への旅行客の増加です。2020年には東京オリンピックもあり、加えて、世界の動きを確認してみると、デフレ傾向にある日本の現状は、まさに旅行客には最高の環境が出来上がっているといえるでしょう。
また、中国に限らず新興国のキャッシュレス化に注目しているという点もありえます。実は、「Felica」を導入するためのチップの海外の出荷数量は、ずっと右肩上がりとなっています。そして、インドネシアや中国、インドといった人口の多い新興国で、徐々に利用が浸透しつつあるのです。とはいえ、「Felica」が狙っているのは手数料ビジネスではなく、むしろ「データビジネス」といわれており、IoTなどの技術も含めて注目が集まっています。加えて、国内でもSuicaやnanacoに利用履歴などのデータをビジネスに活用するといったアイディアも出てきており、「Felica」を中心に一大ビジネスチャンスが生まれているといえるでしょう。

 

 

電子決済サービスは、データの宝庫でもあります。このデータをうまくビジネスに活用したいと思うことは自然かもしれません。一方で、iPhoneだけでなく、AndroidやGoogleでも、日本という市場に向けて着々と動きつつあります。果たして、純国産技術である「Felica」がどのように扱われるのか。ぜひ注目していきましょう。

 

https://newswitch.jp/p/12525
https://iphone-q.com/2018/03/27/6998
https://time-space.kddi.com/ict-keywords/kaisetsu/20160916/
https://itstrike.biz/apple/iphone/39760/

 

▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

 

 

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP