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Facebookの「Social Science One」は海外ではどのように報道されているのか

Facebookのデーターを活用した社会科学研究プロジェクトとして「Social Science One」なるものが発足され、海外メディアでは話題となっています。

まだ国内では情報がほとんど出ていないため、この記事では海外ニュースメディアの報道内容を元にSocial Science Oneの概要を分かりやすくお伝えします。

社会科学や政治学、メディア論に関心のある方はもちろん、ビッグデータを学ばれている方や米国株のコミュニケーションセクター(Facebook・Google・Twitter等)に投資されている方は、知っておいて損はないニュースかと思います。

「Social Science One」の目的と概要

 

Social Science Oneは、社会科学の研究を支援することを目的としたプロジェクトです。

ソーシャルメディアが人々の行動をどのように変え、社会にどのような影響を及ぼし得るのか。研究者たちは(これまで秘匿されていた)Facebookが持つ膨大なデーターにアクセスして、研究をすることができるようになります。

特記すべき点は、このプロジェクトにおいてFacebookが研究結果の公開について「事前承認」の権利を放棄していることです。

つまり、研究が進みFacebookにとって不都合な実験結果が出たとしても、Facebook側はその公表を差し止めることができません。

最初のプロジェクトでは「ソーシャルメディアが民主主義と選挙に及ぼす影響」が研究対象となります。政治的な思惑が交差する、いわゆるフェイクニュースがどのようにソーシャルメディア上で拡散されるかも、今回の研究で明るみになることが期待されています。

Social Science OneがFacebookから独立した機関として活動する理由

 

Social Science Oneは研究のためにFacebookのデーターを利用する立場ですが、機関としてはFacebookから完全に独立しています。

Social Science Oneは研究の中立性を担保すべく、Facebookからの研究資金提供は受けていません。これは無論、Facebookにとって歓迎すべきでない研究結果が出されることが大いに予想されるためです。万全を期すため、他の民間企業からの寄付も断っています。

そこでSocial Science Oneでは財政面での独立を図るべく、7つの非営利団体から資金援助を受けています。

例を挙げると、ヘッジファンドマネージャーとして米国で億万長者となったジョン・D・アーノルド氏が設立した財団(Laura and John Arnold Foundation)や、eBay創業者であるピエール・オミダイア氏による民主主義基金(Democracy Fund)等が資金提供を行っています。

政治的思想や活動方針はそれぞれ異なる7つの団体ですが、社会科学の研究を促進してより良い民主主義社会を実現しようとする点で、理念を共にします。ただ、研究を公正なものにするため、これらの資金提供団体にもSocial Science Oneの議決権は与えられていません。

ここまで研究の中立性(他からの影響を排除すること)に徹底しているのは、取り扱う内容が「ソーシャルメディアが民主主義と選挙に及ぼす影響」という極めてセンシティブなテーマであるからに他なりません。

現実問題として、2016年の米大統領選ではロシアがFacebookを使って情報操作を行い、選挙に干渉した疑いが持たれています。同じく、Facebookから5000万人分の個人情報が流出し、データーがトランプ陣営によって不正に使われた疑惑が持たれています。

ソーシャルメディアが世論に多大なる影響を与える、またそれを政治広告やフェイクニュースの流布によって恣意的に操作し得るのは、(決して大げさではなく)世界の民主主義を揺るがしかねない問題です。

これまでブラックボックスに隠されていたソーシャルメディアの負の影響力にメスを入れることができるのか、Social Science Oneの研究には注目が集まります。

ソーシャルメディアの影響力についてより深く学ぶために

 

Social Science Oneの研究がなぜ今アメリカで必要とされているのか、ソーシャルメディアが人々にどのような影響を与えるのかを学ぶために、おすすめしたいTEDの講演があります。

We’re building a dystopia just to make people click on ads(ネット広告の仕組みが拓く ディストピアへの道)という題で日本語字幕付きの動画が無料公開されています。

講演者のZeynep Tufekci(ジーナップ・トゥフェッチェー)氏はノースカロライナ大学の准教授で社会学を研究しています。Facebook広告やYouTubeのレコメンドで用いられる(人為的でない)機械的な「学習アルゴリズム」でさえも、使い方を誤れば人々に悪影響を与え得ることが、講演内では示唆されています。

Social Science Oneについて直接触れているわけではないものの、こうした研究機関が何故必要とされるのかを深く考えさせられる内容となっていますので、興味のある方はぜひ視聴してみてください。

 

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