価格改定でPlayStation Plus利用権が値上げされる理由とは?
2019年8月1日より、日本における「PlayStation Plus」利用権の価格が改定されました。
価格改定はプランによっては最大で約65%もの値上げとなり、ユーザーへの負担は大きいものです。一方で、一番高い12ヶ月利用権の価格は変更されていません。なぜ、一番高い利用権は値上げされなかったのでしょうか?
この記事では「PlayStation Plus」の利用権について、改定後の「PlayStation Plus」の価格、価格が改定された理由などを解説していきます。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります。
・「PlayStation Plus」利用権とは?
・改定後の「PlayStation Plus」利用権の価格
・「PlayStation Plus」利用権が値上げされた理由
「PlayStation Plus」利用権とは?
「PlayStation Plus」とは、毎月の利用料を支払うことでさまざまな特典が受けられるPlayStationユーザー向けのサービスです。
「PlayStation Plus」利用権は、名前のとおり「PlayStation Plus」を利用するための権利として販売されている商品であり、1ヶ月利用権・3ヶ月利用権・12ヶ月利用権の3種類が用意されています。「PlayStation Plus」利用権を購入すると、以下のサービスを受けられます。
フリープレイ
「フリープレイ」では、毎月厳選されたゲームタイトルを無料で購入でき、追加料金なしで遊ぶことができます。
一度購入したゲームタイトルは「PlayStation Plus」の契約終了後もずっとプレイできるため、「PlayStation Plus」に加入しているだけで遊べるゲームタイトルが増え続ける仕組みです。注意点としてはゲームタイトルを購入しないと所有したことにならないため、毎月忘れずに無料で購入する必要があるところです。
ディスカウント
「PlayStation Plus」加入者限定で、特別割引価格でゲームタイトルやコンテンツを購入できます。セールやキャンペーンなどでは、非加入者よりも割引率が高く設定されていることがあります。ゲームタイトルをパッケージ版ではなくダウンロード版で購入する人や、基本プレイ無料のオンラインゲームを遊んでいる人にメリットがあります。
先行配信
ゲームタイトルの体験版を通常より早くプレイできたり、オンラインゲームのベータテストに参加できたりします。不定期に実施されるため、利用できるときとできないときがあります。
スペシャル
「PlayStation Plus」加入者限定のコンテンツや特別なサービスなどを無料でダウンロードできます。たとえば「どこでもいっしょ」のキャラクターが登場する季節限定の壁紙や、人気ゲームで使える加入者限定コスチューム・アイテムを利用できます。
オンラインマルチプレイ
PlayStation 4でオンラインプレイ(マルチプレイ)ができるようになります。
セーブデータお預かり(オンラインストレージ)
ゲームタイトルごとのセーブデータが自動でオンラインストレージにバックアップされます。これによりハードディスクやPlayStation本体が破損した場合でも、新しい本体にセーブデータを復旧できます。
オンライン対戦プレイをしたいユーザーには必須のサービス
「PlayStation Plus」利用権の購入により受けられるサービスを6種類紹介しましたが、なかでも必須なのはやはり「オンラインマルチプレイ」です。
人気ゲームのオンライン対戦・協力プレイを楽しむためには加入しなければならず、マルチプレイ対応ゲームを遊び尽くすにはかかせないサービスとなっています(一部のオンライン専用タイトルは加入せずともマルチプレイができます)。
改定後の「PlayStation Plus」利用権の価格
「PlayStation Plus」のこれまでの価格と、改定後の価格は以下のとおりです(いずれも税込)。
利用権 | これまで | 改定後 | 値上げ幅 |
1ヶ月 | 514円 | 850円 | 336円 |
3ヶ月 | 1,337円 | 2,150円 | 813円 |
12ヶ月 | 5,143円 | 5,143円 | 変わらず |
新しい価格では、1ヶ月利用権が514円から850円に、3ヶ月利用権が1,337円から2,150円に値上げされました。
12ヶ月利用権の価格はいままでの5,143円から変わりません。そのため12ヶ月利用権を購入していたユーザーは、価格改定後も値上げの影響を受けずに「PlayStation Plus」を利用できます。
「PlayStation Plus」利用権が値上げされた理由
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、「PlayStation Plus」利用権を値上げする理由を明らかにしていません。そのため、いくつかの説が値上げの理由としてうわさされています。
アメリカ市場の価格帯にあわせた?
SIEはアメリカでも「PlayStation Plus」のサービスを展開しており、こちらも2016年9月に価格改定として値上げを実施しています。アメリカにおける現在の「PlayStation Plus」の価格は以下のとおりです。
利用権 | 価格 | 日本円 | これまでの価格差 | 改定後の価格差 |
1ヶ月 | 9.99ドル | 1,065円 | 551円 | 215円 |
3ヶ月 | 24.99ドル | 2,664円 | 1,327円 | 514円 |
12ヶ月 | 59.99ドル | 6,394円 | 1,251円 | 1,251円 |
アメリカの「PlayStation Plus」と比較すると、これまでの日本の「PlayStation Plus」の価格はかなり安かったことがわかります。
価格が改定されたことで少しアメリカの「PlayStation Plus」の価格に近づきました。しかし、まだ日本の「PlayStation Plus」の方が安いです。アメリカ市場にあわせたことが理由であれば、今後も「PlayStation Plus」の価格が値上げされる可能性があるかもしれません。
フリープレイを狙って短期間加入するユーザーを防ぐため?
「PlayStation Plus」のメインコンテンツとも言える「フリープレイ」。この「フリープレイ」に欲しいゲームタイトルがあるときだけ「PlayStation Plus」に加入するユーザーが一定数いると言われています。
「フリープレイ」として一度無料で購入してしまえば、その後は「PlayStation Plus」の契約終了後も遊び続けることができます。
そのため、遊びたいゲームタイトルが「フリープレイ」で配信されているときだけ「PlayStation Plus」1ヶ月利用権や3ヶ月利用権を契約することで、あまりお金を払わずに遊びたいゲームタイトルを入手できます。
たとえば1ヶ月利用権の514円で、最低でもゲームタイトルを2本も手に入れられていたわけです。少し古いゲームタイトルとはいえ、個別に購入するよりもかなりお得にゲームタイトルを購入できました。
こうした「フリープレイ」目当てに契約するユーザーを減らし、12ヶ月利用権の契約ユーザーを増やすために1ヶ月利用権、3ヶ月利用権だけを値上げし、12ヶ月利用権の価格はそのままにしてあるという話です。
ただ、こうしたユーザーはお金を節約するために1ヶ月利用権や3ヶ月利用権を購入しているわけですから、値上げをしたからといって12ヶ月利用権を購入するユーザーになるかどうかはわかりません。
まとめ
今回は「PlayStation Plus」利用権の価格改定についてまとめました。
12ヶ月利用権に加入しているユーザーにとっては何の変更もありませんが、1ヶ月利用権や3ヶ月利用権を購入しているユーザーにとっては、価格が1ヶ月利用権で約65%増、3ヶ月利用権で約61%増になる負担の大きい値上げです。
12ヶ月利用権が値上げされていないことを考えると、SIEはユーザーにもっと12ヶ月利用権に加入してもらいたいのだと思います。しかし、それにはユーザーが加入したくなる魅力的なコンテンツの配信が必要です。
「PlayStation Plus」はPlayStation 3、PlayStation Vita向けの「フリープレイ」ゲームタイトルの配信を2019年3月8日におえており、現在はPlayStation 4のゲームタイトルのみを配信しています。
そのためこれまで利用してきたユーザーからすると、目に見えてゲームタイトルの配信数が減っているように写ってしまいます。
価格改定後も「PlayStation Plus」を利用し続けたいと思わせる魅力的なサービスを展開することが、12ヶ月利用権購入者を増やす鍵になることでしょう。
「PlayStation Plus」はアメリカの方が「フリープレイ」タイトルが魅力的だという話もあるため、ぜひ日本でもコンテンツを充実させて欲しいものですね。
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