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かっこいい映像表現を製作するならUnityとTouchDesignerどっち?

3DやAR、MRなどリアルかつインタラクティブな映像表現のニーズが増しています。今回は映像制作をするのに必須のソフトウェア2つをご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。
①Unityとはどんなソフトウェアか
②TouchDesignerとはどんなソフトウェアか
③UnityとTouchDesignerどちらを選ぶべきか

どんなものを作れるのか

もともと3Dのようなリアルな映像技術は、ゲームの表現として使われてきました。プレーヤーがテレビのモニターやスマホの画面内で楽しむためのものだったのです。

しかし、近年プロジェクションマッピングのように、複雑な映像を現実のオブジェに投影してこれまでにはなかった表現を行うような事例が増えました。また、現実の人の動きに反応して映像や光が変化するMR(複合現実)も新しいテクノロジーとして様々な場面で用いられています。

さらにポケモンGOやドラクエウォークに代表されるARゲームも台頭し、現実の世界でスマホ等のデバイスを通したAR表現を楽しむ人が増加しています。

UnityやTouch Designerは、こういった最先端の映像表現の制作に対応したソフトウェアです。

Unityとは

Unityとはゲームを作ることができるソフトウェアです。一般にゲームエンジンというカテゴリーに分類されます。歴史は古く、2005年からUnity Technologiesによって運営されています。オープンソースな開発プラットフォームの性質が強く、ゲーム開発者達によってソースコードの共有や情報交換が盛んです。
ゲームエンジンとしてスタートしたが近年増える用途
Unityはもともとゲームエンジンとして開発されました。現在ではPS4やXboxのようなコンシューマ用ゲーム機はもちろん、iOSやAndroidのようなスマホOS、WindowsやMacOS、LinuxのようなPC向けゲームの開発に対応しています。つまりUnityではほぼ全てのデバイスに対応したゲームを作れるというわけです。

さらに近年ではAR/VR開発にも対応しているため、ゲーム以外の開発用途も増えています。

シンガポール国立博物館のAR展示「Story of the Forest」はUnityを使用して製作されました。テレビアニメ「魔法使いプリキュア」のエンディングにもUnityが導入されています。アニメでもCG表現は盛んですが、画質を重視するアニメの場合はこれまでのUnityだと質が落ちてしまうため、専用のソフトウェアで製作されていました。しかし、技術の向上によりそこまで品質に差がなくなったため、アニメ業界でも導入が進んでいます。Unityをアニメに導入するメリットは、レンダリングがハイスピードで済むこと。これによってCG表現の製作時間が短縮されます。

さらに音に合わせてリアルタイムで反応する技術を用いて、アイドルのライブ衣装を曲に合わせて光らせるような用途でも使われています。医療現場では手術の際に体内の映像をVRで映し出し、医師達で状況を共有するようなテクノロジーもUnityで可能です。
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そのままでも使えるが、プログラミング言語で拡張できる
Unityは誰でも開発を始められるソフトウェアです。CADやPhotoshopのようなものをイメージするといいでしょう。ただし、Unityの持つ能力を最大限生かし、クオリティの高いゲームを製作するためには、プログラミング言語を理解している必要があります。なぜかというと、デフォルトのUnityで開発できるゲームはいわゆるテンプレートに近いものであるからです。

シンプルなパズルゲームのようなものなら、デフォルトでも問題ないでしょう。しかし、美麗な映像やリアリティ、ダイナミックな視野などを表現したい場合はプログラミング言語でUnityを拡張しなければなりません。拡張するためのプログラミング言語はC#を用います。

拡張しなくてもゲーム開発はできますが、商用に耐えうるクオリティのものを作りたい場合はC#の理解は必須です。プログラミング未経験者は、まずUnityで基本的なゲームの作り方を学んでからプログラミングに挑戦するのでも良いでしょう。

Unityでは世界中の開発者が有償無償でゲームデータを配布しているアセットストアもあります。街並みやキャラクターのモーションなど、ゼロから作らなくてもいいようなものはアセットストアで手に入れれば製作時間を短縮可能です。
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導入する費用

Unityには3つのプランがあります。
・Pro with Teams Advanced:月額125ドル(約13,375円)、法人向けのプランです。
・Plus:月額35ドル(約3,745円)、個人事業主や小規模な企業向けのプランです。年間収入や事業資金が20万ドル未満の場合に申し込めます。
・Personal:無料プランです。年間収入や事業資金が10万ドル未満の場合に申し込めます。

もっとも機能が充実しているのがPro with Teams Advancedです。これから個人でUnityを初めて触るような場合であれば、PlusやPersonalから始めて、機能が必要になった際にPro with Teams Advancedに切り替えるのでも良いでしょう。
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TouchDesigner

Touch Designerは非常に高度な映像を製作することができるソフトウェアです。カナダのトロントに本社があるDerivative社によって提供されています。
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アーティスティックな映像製作ソフトウェア
映像製作をできるソフトウェアは非常にたくさん存在しますが、Touch Designerはその中でもアーティスティックな映像に振り切った作品を作ることができます。用途としては音楽に合わせてVJが流す映像、人の動きに反応して映像が動くMR(複合現実)など、音や動きなどの別途入力される信号に合わせて映像が自動で変化するような作品の製作が可能です。
エンジニアもデザイナーも触れる
アート度が高ければ高いほど、エンジニアとデザイナーの意思疎通が難しくなるのは様々なプロダクトにおいてよくあることです。しかしTouchDesignerはエンジニアがデザイン領域に踏み込むことができます。一般的なソフトウェアと違って、C#やPythonを使用してコーディングが可能だからです。もちろんデザイナーは直感的な操作で映像を製作することができます。
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導入する費用

TouchDesignerには4つのプランがあります。
・PRO:2200ドル/年の最上級版です。あらゆるプロのデザイナーのニーズに応えます。
・COMMERCIAL:600ドル/年の汎用版です。商用利用が可能です。
・EDUCATIONAL:300ドル/年の教育用です。学校や学生向けで、商用利用はできません。
・NON-COMMERCIAL:無料の個人向けです。商用利用はできません。
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NON-COMMERCIAL版は機能が制限されるとはいえ、TouchDesignerのハイクオリティな映像製作体験を無料でできるのは魅力です。CGやVR、MRに興味がある方はインストールしていじってみるのをオススメします。
UnityとTouchDesignerどちらを選ぶべきか
UnityとTouchDesignerはどちらも高度な映像製作が可能です。性質の違いとしては「Unityはハイクオリティな映像表現を含んだプロダクトを製作可能」「TouchDesignerは高度な表現の映像作品を製作可能」ということになります。映像自体のクオリティとしてはTouchDesigner単体の方が上です。

しかし、Unityでも一般的な意味では十分にクオリティの高い作品は作れますし、UnityにTouchDesignerで作った映像をインポートすることも可能です。逆もまた然りなので、用途に合わせて2つのソフトウェアを同時に活用してプロダクトを作ることもできます。あえていえばMRやプロジェクションマッピングにこれから初めて挑戦する場合は、TouchDesignerを先に選んでもいいかもしれません。
まとめ
デジタルな映像が現実世界と合わさることで表現の幅が広がるのは、体験している側にとってはもちろん開発者にとっても画面の中の表現とは違った創作欲を刺激されます。これから映像はどんどん現実世界との垣根がなくなっていくことが予想されるので、UnityやTouchDesignerのようなソフトウェアを使える人材のニーズは増していくでしょう。

*1https://www.d-studio.work/magazine/2017-07-15-01.html
*2https://assetstore.unity.com/?_ga=2.174430753.20361525.1570438472-1883614776.1570438472
*3https://store.unity.com/?_ga=2.237518848.1045507065.1570438285-674108766.1570438285
*4http://labs.1-10.com/blog/about_touchdesigner_at_110academy.html
*5https://techblog.kayac.com/2018/12/16/080000
*6https://www.derivative.ca/download

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