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復活のGoogle製ARグラスは何がアップデートされたのか?機能を解説

AR技術の運用や開発に最も力を入れている企業の一つに、Googleが挙げられます。GoogleはGAFAMの中でも一足早く次世代の視覚技術に目をつけていた企業といえ、その開発の歴史は2010年代前半まで遡ります。

一度は失敗したARデバイスの開発ですが、近年の技術革新に伴い、新たに次世代のデバイスを発表し、徐々にユーザーテストを実施している段階に入りました。

この記事ではGoogleが新たに開発したARグラスについて、以前のモデルとの違いや、具体的にどのような機能を利用できるのかを解説します。

目次:

  1. 最新のGoogle ARグラスがテストを開始
  2. 2013年に発表された「Google Glass 」の失敗
  3. 最新Google ARグラスの機能
  4. ARグラスの普及から期待できる今後のGoogleの動向

最新のGoogle ARグラスがテストを開始

Googleは2022年5月、同社の開発者会議「Google I/O 2022」で新たなスマートグラス構想の存在について発表しました。注目を集めたのは、この際に発表された開発中の拡張現実(AR)グラスの試作品は、他の企業が取り組んでいるエンターテイメント領域ではなかった点です*1。

Googleは今回のプロジェクトを、どちらかというとビジネス支援を主眼に置いたものであると説明しており、企業や開発者に向けて実用的なサービスを提供することを掲げていました。

また、同社は同年7月、このプロジェクトにおけるスマートグラスのパブリックテストの開始を発表し、その使い勝手をより詳細に把握するとしています*2。このテストではまず数十人のテスターに対してフィールドテストを行い、2022年中には数百人にまで増えるとしており、その使用感についての更なる詳細が明らかになると期待できます。

2012年に発表された「Google Glass 」の失敗

GoogleがARグラスやAR技術の開発をスタートさせたのはここ最近の話ではなく、開発の歴史は10年近く前に遡ることができます。

2012年にGoogleが開催した「Google I/O 2012」にて発表され、2014年に一般販売された「Google Glass」は、お世辞にも好調なスタートを切ることはできたとは言えませんでした*3。

世界最先端のAR体験を提供するウェアラブルデバイスとして登場したGoogle Glassでしたが、多くの問題を抱えていたことが明らかになったのです。

同製品が抱えていたのは、まず高すぎる本体価格です。Google Glassの定価は1,500ドルという、PCを一台購入するのと変わらない価格設定で販売されていました。

当時はまだARのような技術が高く評価されておらず、今ほど画期的でもなかった時代だったこともあり、広く普及するには至らなかったのです。

肝心のARアプリについても革新的で周囲の注目を集めるようなものは揃っておらず、いずれも「スマホがあれば十分」というアプリしか用意ができていませんでした。

また、プライバシーの点でもGoogle Glassは深刻な論争を呼ぶ火種となりました。周囲の許可を得ず、それでいて目立つことなく撮影できてしまう同製品のカメラ機能は、第三者のプライバシーや知的財産権を侵害する可能性もあり、消費者が使うにはデリケートすぎる側面を持っていました。

こういった問題点を抱えていたことから、Google Glassは2015年には公式に「失敗だった」と認められましたが、Googleではそれでも継続的な開発が続けられてきました*4。

最新Google ARグラスの機能

上記のような経緯も踏まえ、Googleが新たに開発しているARグラスは、より実用性の高いモデルとしての展開を意識していると考えられます。具体的な機能としては、翻訳や文字起こし、道案内機能などが挙げられます。

ARグラスの翻訳機能は、スマートスピーカーとディスプレイで展開されたGoogleのリアルタイム通訳モードを応用した機能です。スマホを開かずともARグラスから直接翻訳が行われるため、翻訳や文章の理解にかかる時間は従来よりもはるかに短いものとなることが期待できます*5。

また、ARグラスから拾った音を文字に起こし、テキスト化することもできます。従来のモデルとは異なり、今回のARグラスは日常的に身につけられるデザインを意識しているため、日常使いでも不自然のないものとなっています。

また、道案内機能は指定した目的地に至るまでのガイドラインがARグラスを通じて直接道に表示されます。スマホ上の地図を見ながら歩き回る必要がなくなるとともに、ながらスマホを回避して安全な道案内機能の利用にも繋がります。

ARグラスの普及から期待できる今後のGoogleの動向

実用性を重視しているという今回のARグラスが、具体的にどれくらいの価格になるのか、いつ発売されるのかは明らかになっていませんが、以前よりもはるかに便利なものとなることが期待できます。

最近ではAR向けアプリが普及したり、Googleの公式アプリのバリエーションも増えたことで、ARグラスの活用機会も増えています。ARグラスの普及が進めば、これらの利便性もより高まることが期待できそうです。

また、ARグラスはGoogleの専売特許ではなく、他の企業でも開発が進んでいる分野です。そのため価格についても競争力のある値段に落ち着くと期待でき、以前のGoogle Glassのような高価格帯のデバイスとなるとは考えにくいでしょう。

まとめ

GoogleのAR技術の進歩は目覚ましく、10年前のそれとは比べ物にならないデバイスの開発が進んでいます。同時に実用性の高いアプリも新たに登場、あるいは既存のアプリが連携に対応し、アプリの利便性向上や新しい体験の提供にも期待できます。

具体的な価格やリリース日は不明ですが、今後数年以内にデバイスは販売され、AR市場の活性化が進むことになるでしょう。

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参考:
*1 CNET Japan「グーグル、翻訳できるARグラスの試作品を発表」
https://japan.cnet.com/article/35187354/
*2 CNET Japan「グーグル、ARグラスのパブリックテストを開始すると発表」
https://japan.cnet.com/article/35190668/
*3 GLOBIS知見録「Google Glassは本当に失敗だったのか?」
https://globis.jp/article/1328
*4 ロイター「グーグルが「グラス」失敗認める、将来見据えた投資は継続へ」
https://globis.jp/article/1328
*5 AMP「スマートスピーカーとディスプレイで展開されたGoogleのリアルタイム通訳モード」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a300ec4f01e2939b4159655582c726c86a749f64

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