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Revit、ARCHICADなど主要BIM製品の特長と価格を比較

CADからBIMへと建設業界のスタンダードは移っていくのでしょうか。
未だ2D CAD、3D CADを使っている企業も多いのですが、大手企業を中心にBIMの利用が広がっています。そのBIM製品はさまざまな製品が出ていて裾野が広くなっているものの、各製品の特長やどういう選び方をすればいいのか迷っている人もいるのでは?
今回の記事では、日本国内で販売されているBIM製品の特長と価格をまとめてご紹介します。

この記事でわかることは以下の3つです。
・BIM製品の概要
・主要BIM製品(Revit、ARCHICAD、GLOOBE、Vectorworks)の特長
・同製品の価格(2020年時点)

BIMとは

BIM(Building Information Modeling)とは、建築設計や機械設計の設計業務を効率化するソフトウェアのことです。
BIMは単なる図面引きのためのツールではなく、建物の仮想3Dモデルを作り上げることができ、さまざまなデータを管理して設計から施工・維持管理にいたるまでの工程を正確化・効率化することができます。
BIMでは、線によって描かれる図面の代わりに3Dモデルのオブジェクトを使って設計することができ、その3Dモデルによって今までにない可視性を得ることができます。

BIMの基本機能は、3Dモデリング・データ管理・シミュレーション機能

BIMは、3Dパーツを組み立てていくイメージで、3Dモデルを使って設計を進めることができます。そのため、線を一本一本引いて図面を引くよりもはるかに効率的に設計を行うことができます。
また、設計しながら3Dモデルが出来上がっていくのでまだ設計中の段階であってもそのモデルを目で見て確認ができます。こうした可視化ができることにより、建築の専門家ではなく図面を見るのに慣れていない施主との意識合わせや、施工の際の仕様把握にも活躍します。

そしてBIMでは、建造物に使うパーツの厚みや高さなどのサイズ、材質、重量などの情報を管理することができます。施工にかかる工数や品番などの数値も管理しておけるので、設計後の施工・維持管理工程に渡っても該当建造物のデータベースとして使うことができます。
さらにこうした各数値は、パーツごとに対応づけられて保存されているため、設計中に変更があれば、各図面や表にもそのパーツに対する値が自動的に変更反映されます。

そしてBIMには、建築性能や建物同士の干渉などのシミュレーションができる機能があります。設計段階でシミュレーションを行うことで手戻りを減らし、よりよい性能を追求することができます。

特長と価格を比較

さてそんな高機能なBIMですが、製品の種類も多く、ライセンスも多様です。
今回はRevit、ARCHICAD、GLOOBE、Vectorworksを比較してみます。

Autodesk Revit

●特長
CAD大手Autodesk の提供するBIM製品Revit。他製品と比較して若干高額ながらも、多様な設計補助機能やRevit単体でのレンダリング機能、チームメンバー間でのコラボレーション機能などの機能が豊富に付随しています。AutoCADやビジュアライゼーションツールの3dx maxといったAutoCADの各種製品はもちろん、多くのサードパーティ製品との連携ができます。

●価格
ライセンスの種類は一種類のみで、サブスクリプション制で年額388,300円(*1)。

●サポート
ライセンス料金に含まれます。電話・チャット・メールによるサポートに加えリモートデスクトップのサポートもついています。
最新のリリースが出ればアップデートでき、逆に以前のバージョンの使用も可能です。

●動作環境
Windows 10 EnterpriseまたはPro(64bit)(*2)

GRAPHISOFT ARCHICAD

●特長
GRAPHISOFT提供のARCHICADはコンセプトデザインの段階から使用でき、設計・施工・確認申請といった各工程でのワークフローをサポートしています。ARCHICAD自体はBIMモデリング作成に特化した製品ですが、同社のBIMデータ管理製品BIMCloud、BIMxと連携することでクラウド上でのBIMデータ運用ができます。データ共有を行わない、単体で使う場合のARCHICAD Soloも選択可能です。
VIPserviceサポートに加入すればライブラリパーツをGDLプログラミングなしで作成できる「Library Part Maker」機能が使用できます。

●価格
ARCHICAD23 本体価格税別840,000円(*3)。

●サポート
VIPservice シングルライセンス税別 120,000円。複数ライセンスの場合は1本あたり98,000円。
サポート会員特別サイトの使用、電話によるサポート、無償アップグレードが利用できます。

●動作環境
Windows 10(64bit)(*4)
MacOS 10.14 Mojave、MacOS 10.13 High Sierra

福井コンピュータアーキテクト株式会社 GLOOBE

●特長
日本の企業によって開発された日本向けのBIM製品。日本の設計手法、建築法等の法規制に細かく対応しています。天空図や建ぺい率など日本の建築法にのっとった機能が搭載されており、企画段階の確認や、確認申請図の作成まで対応することができます。
外部連携は、IFCによるファイル連携ができます。クラウドでのデータ共有が有償オプションとなります。VR機能、手書き風仕上げなどのプレゼンテーション機能も豊富です。

●価格
基本 年額税別655,000円(*5)。
躯体図出⼒オプション(⾒上図・⾒下図・屋上伏図・基礎伏図・杭伏図・底盤伏図・断⾯図等) 100,000円。
オプションが豊富にあり、福井コンピュータアーキテクト社または販売代理店へ見積もりを取って購入依頼を行うのが基本となります。

●サポート
FCメンバーシップに加入することでサポートを受けられます。内容は、最新リリースのダウンロード、フリーダイヤルの電話サポートとリモートデスクトップサポート対応。こちらの価格は製品の種類と数によって異なるため、要問合せとなっています。
また、無償でセットアップサポートサイトの利用ができます。

●動作環境
Windows 10 November 2019 Update バージョン1909
Windows 8.1(*6)

A&A Vectorworks

●特長
A&A株式会社の「Vectorworks」は、スタンダードモデルの「Fundamentals」、建築向け「Architect」、土木設計向け「Landmark」、汎用設計「Designer」、空間照明向け「Spotlight」の5モデルがあります。さまざまな表現を選べるレンダリング機能、マルチビューウィンドウやウォークスルーアニメーションなどの高度なビジュアライゼーション機能があります。
スタンドアロン版とネットワーク版があり、使用形態によって選ぶことができます。

●価格
Fundamentals スタンドアロン版税別 305,000円(7)。
ネットワーク版(2ライセンス)税別 610,000円(
8)。
Architect スタンドアロン版税別 416,000円。こちらのネットワーク版はFundamentalsにオプション料金として1ライセンスごとに+111,000円。

●サポート
fundamental サポート付きライセンス税別 351,000円。
新しいリリースへのアップデート、電話とメールによるサポート、クラウドサービスの使用容量アップなどの待遇が受けられます。

●動作環境
Windows 10(64bit)、Windows 8/8.1(64bit)(*9)
MacOS 10.15 Catalina、MacOS 10.14 Mojave、MacOS 10.13 High Sierra、MacOS 10.12 Sierra、OS X 10.11 El Capitan

まとめ

各BIMとも、基本的な機能には不足なく多くのユーザーに使われている製品です。
価格やサポート内容等しっかり確認して選ぶことが重要ですが、やっぱり実際使ってみないとわからない、という人はまずは体験版で試してみるのがよいでしょう。
また、選ぶ際には価格だけでなく、重視したい機能、チーム間でのデータ共有方法、他製品とのデータ連携、取引先や協業者が使っているかなども選択のポイントとなります。

記事内の情報は、すべて2020年2月時点のものです。各製品ともその時点の最新バージョンについて記載しています。

参考リンク
(1) https://www.autodesk.co.jp/products/revit/overview
(
2) https://knowledge.autodesk.com/ja/support/revit-products/troubleshooting/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/System-requirements-for-Autodesk-Revit-2020-products.html
(3) https://www.graphisoft.co.jp/archicad/price/
4)https://www.graphisoft.co.jp/archicad/archicad23/faq.html
5)https://archi.fukuicompu.co.jp/sys_img/tp_of_detail/_DL_661.pdf
(
6) https://archi.fukuicompu.co.jp/products/gloobe/program.html
7)https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2020/price.html
8)https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2020/network.html
(*9) https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2020/sysreq.html

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