竹中工務店はRevitなどのBIMを活かして設計プロセスを改革


BIMはCADから発展し、設計にかかわる管理情報などが効率的に取り込めるソフトウェア。竹中工務店では、BIMソフトであるRevitやARCHICADなどを活用して設計プロセスの手法構築が行われています。

竹中工務店が目指すのは、BIMのデータを企業の発展に欠かせないファシリティマネジメントとしても活用し、建物をライフサイクルでサポートすること。この記事では、スーパーゼネコンとしてBIMの活用推進をリードしてきた竹中工務店におけるBIMの取り組みや、今後の目指すところについてご紹介します。

竹中工務店は早期からBIMを導入

竹中工務店では、2008年ごろから施工段階での生産性向上を目指す取り組みに着手。その結果、意匠や構造などの設計部門では3次元CADの活用がすすめられたのです。一方、設備関連は相対的には3D化が遅れていました。

さらに、開発に用いるソフトウェアは本支店ごとに異なる状況。さまざまな部門を横断して3Dデータを活用するためには、システムを共通化することが重要です。

そこで、2013年には全社統一の基本設計に使用するCADとしてRebro2013を導入。本格的に3Dデータを開発全体で活用し始めました。

実際に2012年にはシンガポールにて高さ245m・地上40階、地下3階建てのオフィスビルの設計にBIMを使った3次元設計図を使用。2015年にはシンガポールの建築建設庁(BCA:Building and Construction Authority)が実施する「BIMアワード」で最優秀の「プラチナ賞」を共同受賞するに至りました。(*1)

また、歴史的建造物である薬師寺食堂を復元する際に、外観は伝統的な木造構造を維持したまま、内部は使いやすく現代の手法を用いて復元する場合にBIMのシミュレーションを駆使しています。(*2)

竹中工務店はGRAPHISOFT社とパートナーシップを締結

また、竹中工務店はARCHICADの開発元であるGRAPHISOFT社とBIM促進のためのパートナーシップを結んでいます。各機能の使い勝手の向上や不具合の確認などは実際に業務でBIMを使ってみて初めてわかる場合もあります。

たとえば傾いた壁や斜めの切り欠きなどを含む場合、2Dの平面図や断面図だけですべてを表現することができません。竹中工務店では、複雑な建築物の詳細設計もARCHICADで詳細設計を行いました。

BIMの実績豊富な竹中工務店とパートナーシップを締結することで、より実用に耐える魅力的なソフトウェアの開発が進められています。そこで、竹中工務店のBIMの活用方法は今後の建築業界の姿を知るのに大いに役立つでしょう。(3)(4)

竹中工務店のBIM活用事例

BIMデータを企画から施工、維持管理にまで活用するといっても実際はピンと来ない部分があるかもしれません。ここでは竹中工務店のBIMの活用事例についてご紹介します。

Revitを活用してBIMとファシリティマネジメントを連携

ファシリティマネジメントとは、施設や環境を経営に活かしていく活動全体のこと。BIMデータをファシリティマネジメントに活用するコンセプトは以前からあったものの、なかなか実運用にまで至らない考えでした。

2014年に竣工した「NTTファシリティーズ新大橋ビル」の建設は、Autodesk Revitを中心にすべてをBIMで設計した最初のモデルケース。施工は竹中工務店、設計はNTTファシリティーズなど複数社がかかわる一大プロジェクトです。

このプロジェクトの特徴はRevitで設計データを作成する際に、ファシリティマネジメントの要素を盛り込みながら施工者と共にBIMモデルを構築したという点。意匠面や構造部分に限らず、設備もBIMでデータ化する必要があったため、当時からBIMの取り組みに定評があった竹中工務店が大いに活躍しました。

この取り組みの結果、従来は竣工後に実施していた各種のシミュレーションが、着工2カ月後にBIM内で実施可能になりました。バーチャル竣工の段階で不具合が明確化できたため、合理的な建設プロセスの事前確認や維持メンテナンスにかかわる運用構築に貢献したのです。建設費や管理費、保全費などのライフサイクルコスト全体の削減に貢献できた取り組みといえます。(*5)

工事現場内でのデジタルデータ活用

設計BIMから施工BIMにデータを引き継いで施工図を作製し、施工途中でもBIMのデータが活用されるようになってきました。以前は大量の紙図面から必要な情報を確認したり、事務所に戻ってパソコンで設計データを確認したりする作業が不可欠でした。

現在竹中工務店の施工現場では、iPhoneから施工BIMの情報を取得し、プロジェクターに投影して確認することも増えてきています。工事現場内にプロジェクターを設置しておけば、今施工している箇所の確認がすぐにできるため、作業負荷の軽減や工期の短縮に多いに役立ちます。

また、施工BIMデータをVRに応用することで、作業時の安全性についても検証を実施。今までは現場ではじめて気づいて対応していたような部分についても事前に足場を追加するなどの対応を行っています。(*6)

新しいBIMの運用が構築されている

竹中工務店では、BIMを活用した施工データの一元管理を継続的に実施。BIMを活用した施工管理手法を広く展開しながら、測定機器やファシリティマネジメントシステム、機器台帳とBIMを連動させて生産性向上を図っています。(*7)

今後は建設業の持続可能性を維持することを目的に、今後はBIMやICT、AI、ロボティクスなどを活用する新しい運用の構築が始まっています。ここでは、BIMデータが設計プロセス内に活用されている事例をご紹介します。

設備施工管理の手法の構築

施工管理記録をBIM上で一元管理するために統合管理ソフト(BIM/CIM Ark)を採用。これにより施工図から手作業で行っていたチェックリストの作成や検査報告書がBIMデータから自動生成できるようになり、検査されたかどうかをBIM上で簡単に見分けたり記録したりできる手法を構築しました。

さらに、設備検査で行う「水圧・満水試験」「照度測定」「風量測定」にデジタル測定機器を採用。BluetoothでBIM/CIM Arkに測定データを送信。検査報告書を自動生成させています。事務所で測定データを登録して検査報告書を作成する作業が不要になったことで、検査時間の短縮につながっています。(8)(9)

BIMデータをロボットの遠隔操作に活用

竹中工務店では、クラウド上に基盤システムとして「建設ロボットプラットフォーム」を構築。これは遠隔監視や遠隔制御、BIM連携などをリモートで行いながら施工中の建物内における資材搬送などに用いるクローラや掃除用ロボットなどを自動で稼働させるシステムです。
ロボットを動かす際に必要な建物の情報はBIMデータを用い、クラウドを経由してロボットの移動や動作範囲を指定することで、現地でのティーチングや磁気テープやQRコードなどを用いた詳細動作の指定が不要となりました。

動作軌跡をBIMでシミュレーションすることで、ロボットの動作そのもの効率化にもつながっています。(*10)

まとめ

竹中工務店は、BIMの黎明期からRevitやARCHICADなどを使用してきました。企画や設計はもちろん、基幹システムを経由して施工時に用いる測定器やロボットと連携させるなど、BIMを活用してさらなる生産性の向上が図られています。建設業界におけるBIMの将来像をイメージするためにも、竹中工務店の今後のBIM活用動向が期待されます。

参考URL
*1 https://www.takenaka.co.jp/news/2012/02/03/index.html

*2 https://www.takenaka.co.jp/solution/purpose/traditional/service13/index.html

*3 http://www.archifuture-web.jp/headline/384.html

*4 https://www.graphisoft.co.jp/users/special/takenakakoumuten_2019.html

*5 http://bim-design.com/catalog/img/autdesk_ntt_high.pdf

*6 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00933/092000009/

*7 https://www.takenaka.co.jp/enviro/es_report/pdf/2019/all.pdf

*8 https://www.takenaka.co.jp/news/2017/11/01/index.html

*9 https://www.takenaka.co.jp/news/2019/01/01/index.html

*10 https://www.takenaka.co.jp/news/2020/02/03/index.html

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