3D CADのクラウド化が加速!特徴や移行時の考え方を解説


Googleドキュメントなどオンライン上でのデータ作成や管理が普及しています。3D CADも同様にクラウドで動くものが登場しているため、クラウド型の3D CADを自社に導入すべきか気になる場合もあるでしょう。

ここではクラウド版とインストール型の3D CADの特徴や今後の動向についてご紹介します。現在インストール型の3D CADを使っている方や、インフラ整備に携わっている方などはぜひ参考にしてください。

クラウド版3D CADとインストール型3D CADの違い

3D CADはインストールして使用するもののほか、クラウド上で動くものが登場してきています。それぞれの特徴やメリット、デメリットについてご紹介します。

インストール版はオンプレミス型

従来CADを使おうとすると自社のワークステーションにソフトウェアをインストールして使うのが一般的でした。自社でアプリケーションやシステムを保有して使うことを「オンプレミス」といいます。

オンプレミス型のメリット

オンプレミス型の場合、ハードウェアやアプリケーションを自社で所有しています。資産を保有するためコストはかかりますが、カスタマイズ性が高いのが自社保有の大きなメリットです。

社内プロセス効率化のためにAPIを活用して便利な機能を設定したり、BOMやPLMのツールと連携したりと、知らず知らずのうちに恩恵にあずかっている場合もあるでしょう。

また、ワークステーションやサーバーにアクセスできるのは内部のメンバーに限定されるため、セキュリティ面の安心感があります。

オンプレミス型のデメリット

オンプレミス型では、利用者側でアプリケーションのライセンスを取得したりハードウェアを用意したりと設備投資が必要です。

特に3D CADの場合はCPUやグラフィックドライバ、メモリなどに制約が大きく、ハードウェアやサーバーの投資額がかさみがちです。また、購入後も定期的にライセンスの更新や端末のリプレイスなどが発生します。

データ管理はPDMツールで簡易化することも可能です。しかし単純にHDDドライブやネットワーク上にデータを管理する場合、データが迷子にならないように注意する必要があります。

クラウド版はSaaS型

SaaSとは「Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)」のことで、アプリケーションはクラウド上にあります。そのため、ユーザーがCADを使う際は、インターネットを経由してアプリケーションにログインします。

SaaS型のメリット

SaaS型の場合、費用は1年あたり1ユーザー○円といった従量制課金です。都度使用料を見直すことで確実に使う分のコストだけを負担できるため、無駄な出費が抑えられます。

また、ハードウェアやアプリケーションがプロバイダのサーバー上にあるということは、作業するワークステーションに対する制約も少なくなります。データもクラウド上で管理するため、時間や場所を問わずにアクセスできます。場合によってはモバイルデバイスやノートPCなどでも操作が可能で、情報共有やチーム設計がスムーズです。

最新のアプリケーションへの更新はサーバー側で行われます。自社でプログラムの変更を設定する必要がないため、システム管理の負荷が減らせます。

SaaS型のデメリット

SaaS型の場合、使うCADのアプリケーションがサーバー上のため、「自社のこの機能を追加したい」というニーズに応えきれない場合があります。すでに自社のシステムを作り込んでしまっている場合は特に注意が必要です。

また、ネットワークを使っているため、万一ネットワークに問題が発生した場合には、待機が発生したり品質が低下するリスクが否定できません。さらに不正アクセスなどのセキュリティリスクも考慮しておく必要があります。

オンプレミス型として買い取り型のCADを使っている場合、ひとつのライセンスを使い続けるうちに1年あたりの投資コストが下がっていきます。一方、SaaS型の場合は毎年費用を負担し続ける必要があるため、長期的にみると割高になる場合があります。

SaaS型の3D CADの導入可否は自社の設計状況による

設計製造では分業化が加速し、国内外さまざまな場所からデータにアクセスすることも多いでしょう。

従来はPDMやPLMツールを用いてデータだけを共有する方法が普及していましたが、SaaS型にメリットを感じ移行を検討する場合もあるでしょう。導入前には以下を参考に、維持管理コストや自社の開発プロセスや運用に影響がないかなどを確認することが重要です。

既存ハードウェア、ソフトウェア要件やコストの試算

まとまった投資が必要な場合にはSaaS型に変更する余地があるかもしれません。

SaaS型に切り替えた場合の開発プロセスに与える影響

「できると思っていた操作ができない」というトラブルを回避するため、設計プロセスの検証が必要です。可能であればSaaS型アプリケーションの体験版を借用してベンチマークするのが理想的です。

ソフトウェアのプロバイダやベンダーのサポート範囲、費用

SaaS型の3D CADに切り替えてもネットワークの管理などは必要です。ベンダーの保証内容を確認し、自社の対応範囲と切り分けておきましょう。

クラウドで駆動する3D CADも続々と登場

2DCADでは「AutoCAD モバイル アプリ」など、クラウド上で動くCADが増えてきています。3D CADもクラウド対応のアプリケーションが増えてきています。

Fusion360:Autodesk

CAD、CAM、CAEを含んだ3D CADで、アンドロイドやiOSにも対応しているため、外出時にも操作ができます。個人使用は無料、非商用や教育目的の場合1年間、商用利用でも30日間無償利用できるため、ベンチマークしやすい3D CADです。(*1)

Creo Generative Design Extension:PTC

Creoのうち、クラウドでのデザイン面作成、解析などに対応します。「Creo in the Cloud」として蓄積したノウハウに、無料のクラウド型 3D CADとして親しまれていた「Onshape」 を買収して得られた技術を加えることで、より便利な環境構築が期待されます。

CATIA 3Dエクスペリエンス on the Cloud:ダッソー

「CATIA」「SIMULIA」「DELMIA」「ENOVIA」統合プラットフォームである「3DEXPERIENCE」サーバーから必要な機能をロール単位で取り出して使います。シームレスに情報が渡るため、例えばCATIA(設計)からSIMULIA(解析)へ効率的にデータが渡せます。(*2)

3DEXPERIENCE WORKS:ダッソー

SOLIDWORKSのクラウド版です。デザイナーや設計者の使い勝手を考慮して「SOLIDWORKS 3D Creator」「SOLIDWORKS 3D Sculptor」のふたつに分かれていて、通常のSOLIDWORKSとシームレスに連携可能です。(3)(4)

NX Cloud Connected products:Siemens

Siemensはいち早くクラウド化の検討を開始し、以前よりクラウド対応のソリューションがありました。CAD in the Cloudをコンセプトに設計やリバースエンジニアリング、金型設計などに用いています。(*5)

Solid Edge:Siemens

インターネット接続が切れた状態でも編集でき、Solid Edgeポータルを用いてプロジェクトごとにデータが管理できます。また、Dropbox、Microsoft One Drive、Google Drive、Boxなどオンラインストレージにデータを格納できる点も特徴です。(*6)

まとめ

昨今、クラウドに対応する3D CADが多く登場しています。3D CADはシステム要件が複雑だからこそ、SaaS型に切り替えてクラウドを活用するメリットが多くあります。しかし、それぞれに特徴があるため、導入を検討する際は自社の運用をよく検討して最適なツールを選びましょう。

参考URL

*1 https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview

*2 https://www.3ds.com/ja/products-services/catia/products/3dexperience/on-cloud/

*3 https://www.solidworks.com/ja/product/3d-creator

*4 https://www.solidworks.com/ja/product/3d-sculptor

*5 https://trials.sw.siemens.com/nx/

*6 https://solidedge.siemens.com/ja/solutions/initiatives/cloud/

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