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三次元地盤モデルとその重要性について

この記事を読むと以下の3つのことがわかります。

①三次元地盤モデルの概要
②三次元地盤モデルの種類
③三次元地盤モデルの活用と今後の展開

三次元地盤モデルの概要

三次元地盤モデルとは、建設における地盤面を三次元で表現したものです。
このモデルには標高を含めた地盤面及び、地中内部の情報が含まれています。
地盤面の「上」に建設される建造物については、すでに三次元モデルで設計から施工・管理までを行うBIM(Building Information Modeling)が定着してきていますが、地盤面を含めた下の部分を三次元化することはここ数年で急速に発達してきました。
建造物を建てる前には必ず地質調査を行います。
つまり、地質調査は建設産業の基盤になるものであり、調査結果はその後の設計、施工、管理などの段階において継続的に利用されます。
また、地質調査のデータは普遍的な性質を持っているので、情報をデジタル化して活用することに大きな意義があります。
現在、国土交通省では建築産業における生産性向上を目指すためCIM(Construction Information Modeling)を推進しており、ここにはBIMや三次元地盤モデルも含まれています。
なお、2020年現在の三次元地盤モデルは、一般的な建造物と違い、寸法や形状の決まった部材の集合体ではありません。
ボーリング柱状図や地質断面図から読み取った点群データを入力値とし、それをコンピュータ演算した結果で得られたモデルになります。
さらに、地質や土質の専門家による推定イメージも含めたモデルになっているため、詳細設計に使用できるほどの精度にはなっていないのが現状です。

三次元地盤モデルの種類

はじめに、三次元地盤モデルの基本となるボーリング柱状図について説明します。
ボーリングとは、ボーリングロッドと呼ばれる穴の空いた筒を地面に挿して地中深くに押し込みます。
これを抜くと、筒内に地層が残された状態になっているため、地盤内のどの位置にどんな地層があるのかがわかります。これを地層別に記述したものをボーリング柱状図といい、さらにデータ化したものを3D柱状図といいます。
このボーリングには掘削した地盤の緯度、経度、標高の座標に加え、地盤面以下の深さの情報が付加されるため、地盤モデルの三次元データとして利用することができます。
なお、このボーリング結果は3D空間としては円柱モデルで表現されます。

サーフェスモデル(地層境界面モデル)

ボーリング調査などによって得られた地層データをもとに、論理式によって地層境界面の三次元形状を推定したモデルです。
通常はランダム点の地層データを入力値として、地層境界面のワイヤーフレームの標高(高さ)を推定していきます。
この際、「モデラー」と呼ばれる3次元データを可視形状にするアプリケーションを使用します。
境界面であれば地層に限らず、地下水位面などを取り扱うことも可能です。
このサーフェスモデルは、ソリッドモデルやパネルダイアグラムなど、他の三次元モデルを作成するための形状データとして利用されます。
サーフェスモデルはボーリング調査のデータをもとに作成することが多いため、複雑な地層の場合はボーリング調査の回数を増やす必要があり、コストパフォーマンスの問題が出てきます。

B-reps(ソリッドモデル)

上述したサーフェスモデルの当該層と下層の上部面及び周囲の垂直面のデータを使い、これら6面がすべて同じ地質と考えて閉じた構造にしたものがソリッドモデルです。
VR空間で形状や属性データを表現するために使われます。
地質断面図を三次元にした構造に近いため、サーフェスモデルに比べて地層構造が理解しやすいメリットがあります。
反面、地層がソリッド形状になっているため、内部を直接見ることには適していません。

パネルダイアグラム

三次元地盤モデルから作成された断面データのことをパネルダイアグラムといいます。
サーフェスモデルからは形状データ、ソリッドモデルからは形状および属性のデータを得ることができます。
パネルダイアグラムはCTやMRIの画像のように、任意位置での断面図を作成することが可能です。
このパネルダイアグラムのデータは次で説明する柱状体モデルの作成に利用されます。

柱状体モデル

地盤面をセル(メッシュとも呼ぶ)に分け、深さ方向が地層境界になっているモデルです。
ボーリングしていない部分も、パネルダイアグラムのデータを利用することで、等間隔の地層境界震度を求めることが可能です。
そのため、比較的高い精度のモデルを作成することが可能です。

三次元地盤モデルの事例と今後の展開

2020年7月現在、三次元地盤モデルは以下の事例で活用されています。
・構造物基礎(杭基礎、橋梁基礎)
・道路(トンネル)
・河川堤防(土構造物)
・ダム(堤体)
・土工(切土、堤体材料)
・道路(斜面)
・地すべり
・その他(地震動予測)

例えば、構造物基礎の場合、企画・計画、調査、施工の各フェーズで三次元地盤モデルが利用されています。
これらはCIMにおける三次元地盤モデルとして定義され、企画・計画段階で新規に作成し、それ以降は改良または施工実績として更新されていきます。
実際に使われているモデルは「ボーリングモデル」「テクスチャモデル」「パネルダイアグラム」「サーフェスモデル」などになります。

また、2020年7月現在、特定非営利活動法人の地質情報整備活用機構で、CIM対応三次元地盤モデルの構築を支援するウェブサイトが公開されています。※1
こちらは利用者がウェブサイトにアクセスするだけで使用することができ、以下の機能を利用できます。
・電子納品等の支援
・三次元地盤モデル作成支援
・三次元地盤モデルデモサイト
・研究報告書・プレゼン用資料のダウンロード(CC-BYライセンス※2)

三次元地盤モデルは歴史的にはそれほど古いものではありません。地下を図面化するにはボーリングの他、様々な機材を利用し、その地層構造を解析する必要があるからです。しかし、今後はCIM/BIMと一部として大規模建築物はもちろん、橋やダム、トンネルといった土木事業にも積極的に活用されていくでしょう。
また、地盤内をより精密に解析することにより、建設分野のみならず、正確な地震警報や地震予知の分野でも利用されていく可能性があります。

まとめ
三次元地盤モデルはあまり聞き慣れない言葉かもしれません。
しかし、国土交通省を中心として官民一体でCIM/BIMを推進する中での三次元地盤モデルは、今後、大きく発展する分野の一つであると言えるでしょう。
まさに大規模建造物の「土台」となる三次元地盤モデルの動向については今後も目が離せません。

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参考URL
※1
https://www.web-gis.jp/index.html
※法人は2019年11月30日をもって精算結了していますが、ウェブサイトは2020年7月現在閲覧可能です。

※2
https://creativecommons.org/licenses/by/3.0/deed.ja

参考資料
https://www.zenchiren.or.jp/geocenter/guide/sanjigen.pdf
https://www.web-gis.jp/Education/Contents/2019-02_3DGeoModel.pdf
https://www.web-gis.jp/3D_GeoModel_Demo/W_3DGeomodel.html


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