Androidのこれまでの進化の歴史から見えてくるものとは
Androidは、ライバルであるアップル社のiPhone、iPadと違い、そのOSをフリーに、そしてオープンにすることにより、市場のシェアを獲得することができました。
その戦略は、Googleの検索型連動広告の潜在市場を獲得するために、大いに貢献してきたといえるでしょう。この記事ではそのAndroidの基本戦略の歴史をたどりながら、今後IoTが進む中で、複数機器・端末による家庭内、あるいは職場内の統合環境づくりに関する新戦略Play ground社の立ち上げなどの話題にも触れます。
スマートフォン成長期に貢献したオープン戦略
Androidは2008年にV1.0が導入されて以来、毎年進化を遂げています。スマートフォンの世界では、今や世界の8割以上を占め、圧倒的なシェアを誇り、拡大中です。iOSがApple独自のソフトとハードの統合戦略をとっているのに対し、Androidは、ハードとソフトを分離した製品戦略をとっています。
市場シェアでは、世界の中で日本はiOSが健闘していますが、これは、日本の3大キャリアが、その戦略商品としてiPhoneを中心に販売してきたことが大きな要因です。世界的に見ればシェア的にはオープンソース戦略を基本としてきたAndroidの圧勝という状況です。
ちなみにAndroid OSのコードネームは、V1.0のアップルパイから始まり、バナナ、カップケーキといったお菓子や果物の名称をABC順につけ、V5.0ではロリポップ、V6.0はマシュマロと続いています。
V5.0ではマテリアルデザインや異なったAndroidマシンで情報の引継ぎができるマルチスクリーン機能が取り入れられ、V6.0では、適格な情報を素早く提供するNow on Tapや、電池管理機能といった新機能が実装されています。“OK Google”でおなじみの音声応答システムも、V4.4のキットカットから導入されました。
ハードで稼ぐアップル社と対象的なAndroidの投資戦略
Android OSは2007年にgoogleが発表、無償で利用することが可能なことから、劇的に普及してきました。いわゆるフリー戦略のはしりです。Googleの事業の根幹は「検索連動型広告」で、Android OS戦略も、根底にはその思想が盛り込まれています。
Googleの戦略の中には、高速化する通信館環境と、巨大なデータセンターを背景に、音声操作や画像検索などのクラウド型アプリケーションを検索連動型広告に結び付けるとともに、業務用の様々なアプリケーションによる収益貢献を目指しています。ちなみに、アメリカは車社会で、日本ではあまり広まっていない、音声本が普及していますし、ハンドルを握りながら、Androidに話かける様々なアプリケーションが想定されます。
これらの巨大な投資は、すべて将来的に検索連動型広告の収益に結びつく、という確信から生まれており、そこがアップル社のようにハードで儲けを出すビジネスモデルとの大きな違いとなっています。
IoT時代の戦略は複数機器・端末の統合が課題となってくる
Androidのフリー、オープン戦略は、世界中で、大きな市場シェアを実現しましたが、その一方、各メーカーが独自の工夫を凝らすことが可能なことから、ハードは標準化されず、スマホを乗り換えることによって、機能が使えなくなるといった、パソコンにおけるMS-DOSや、Windowsと同じような弱点を持っています。具体的には、おサイフケータイの搭載・非搭載などが代表的な事例です。
マイクロソフトがSurface proという自社製品を投入し、パソコン市場に大きな衝撃を与えたことは、記憶に新しいところです。パソコン市場が飽和市場に移ってきたことを踏まえ、ハードウェアを提供することにより、より詳しく、親密にユーザーエクスペリエンスとの接点を持つことを目的としたものです。今まで、マイクロソフトが持っていなかった情報資産を得るための戦略の変更です。
まとめ
市場の成長期に大いに貢献した、フリー、オープン戦略も、スマホが様々な機器・設備と連携していく、IoT時代には、新たな施策が必要となります。Androidの父と呼ばれるアンディー・ルービン氏が、新たに、複数の端末をつなげるためのPlay ground社を2014年に立ち上げ、モバイルやスマートホーム市場に向けた、消費者向けハードウェア商品の開発を進めています。
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