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Googleの画像検索でライセンス可能が一目でわかるように進化

パソコンで仕事に使うプレゼン資料を作ったり、ちょっとした案内状やチラシのような印刷物を作成する方も多いのではないでしょうか?
また、最近では個人のブログやSNSなど、さまざまな手段を使った情報発信が日常的になってきました。
そんな時、画面に色を添えてくれるのが質の高い写真素材です。
しかし、写真を自分で撮影するのはとても大変ですよね。
簡単な方法として、インターネット検索で使える素材を探したりすることが多いのではないでしょうか?
今回は、Googleの画像検索で使えるライセンス確認の方法について、ご紹介します。

この記事でわかること ・Googleの画像検索でライセンス状況の確認ができる ・クリエイティブ・コモンズライセンスとはなにか ・画像素材を使用するときの注意点について

便利になったGoogleの画像検索で、ライセンス状況が一目でわかる

DTPの発達や普及に伴い、個人であっても簡単に見た目の良いチラシを作成できるようになりました。
最近はブログやHP・SNSなど、専門的な技術や知識を持たなくても、気軽に誰もが情報を発信することもできます。
情報を発信する時や、作成した紙面などの見た目を良くするために、高品質な画像素材は今や必要不可欠となっています。

もちろん、画像素材を全て自分で撮影し加工できるのであれば、何も問題は有りません。
しかし画像の質と量、両方とも満足できる物にしようと思うとなかなか手が回りません。
最近では、このようなニーズに応えるために、写真やイラスト素材を提供する専門サイトがたくさんあります。

しかし、思ったより1点1点の素材が高額であったり、使用するために毎月の契約料が必要だったりすることも多く、気軽に手を出すにはハードルが高いのも現状です。
何より、目的にあった素材を探すためにさまざまサイトを巡回するのは、時間と労力がかかりなかなか大変です。

こんな画像使用の悩みについて、Googleが明快に答えてくれるというのが今回の記事のテーマです。

世界中のありとあらゆる情報をデータ化し、整理した上で適切に提示することを使命として日夜進化を続けるGoogleは、画像検索でも新たなバージョンアップを果たしました。

Google検索でキーワードを入れて画像を表示、ここまでの操作については、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
Googleはこの画像検索について、検索結果を「ライセンス」というフィルターで分類する機能を取り入れました。

さらに2020年8月31日(米国現地時間)からは、一覧表示される画像に「ライセンス可能」バッチがつく機能が正式版としてローンチされました。

このバッチは、画像検索後のメニューから「ツール」→「ライセンス」を選択し、「すべて」以外のフィルタリングをした際に表示されます。
この機能自体は、以前からベータ版として提供されていましたが、今回正式版としてリリースされました。
Googleの場合、リリース後にサービスを停止することもよくあるため、少し心配ではありましたが、ライセンスバッチに関しては今後も継続して利用できるようです。*注1

ただし、検索した画像に「ライセンス可能」と表示されたとしても、「無料で使える」という訳ではないことに注意が必要です。
このような画像の権利については、「著作権」と「使用権」という別々の権利が存在します。
また、「ライセンス可能」=「使用可能」であったとしても、無料であるとは限らず有料の場合もあります。
また「商用利用不可」など、使用する目的によっては制限を受けることもあります。

画像の詳しい使用条件については、Google検索の結果だけではわかりませんので、実際にその画像を掲載しているサイトを訪問して確認する必要があります。

また、インターネット上の画像を利用する際には、改変が可能か?商用利用ができるか?という2点が重要になります。
ライセンス可能であったとしても、権利関係の表示についてしっかり確認することが大切です。

画像の権利関係の条件については、「クリエイティブ・コモンズ」という基準があり、国際的に利用されています。
この「クリエイティブ・コモンズ」について、どのような内容なのか少しご紹介しましょう。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは

「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」とは、インターネット時代に対応した新しい著作権に関するルールのことです。
このルールを利用することで、作者は設定したルールに基づき、作品を自由に流通させることが可能となります。
デジタルデータは自由にコピー・ペースト可能なことから、作者の意図しない方法での二次使用がされがちです。
このような不正利用を防ぎ、権利を守りながら幅広く流通させることが「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の大きな目的です。

「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の基準は、国際的な非営利組織によって定められ、現在ではスタンダードな存在として認知されています。
この基準を元に権利状態を明記することで、権利者はその意思を示し、利用者はそれに従った形で作品を利用することができるようになります。

権利の状態は「パブリックドメイン」から「All right reserved」までの範囲があり、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスでは6段階に区分しています。*注2

また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで設定されている条件は以下の4つです。

1 表示・・・作品のクレジットを表示すること
2 非営利・・・営利目的での使用をしないこと
3 改変禁止・・・元の作品を改変しないこと
4 継承・・・元の作品と同じ組み合わせのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開すること

この条件を組み合わせることで、6種類のライセンスが規程されています。
ここで示されるのはあくまで「権利状態」であって、有料か無料かは規定されていませんので、別途確認する必要があります。

やや複雑で難しく感じられるかもしれませんが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは一般の人でもできるだけ利用しやすくするため、さまざまな配慮がされています。
その1つとして「コモンズ証」というものが定められています。
「コモンズ証」では、ライセンスのアイコンをクリックすることで、誰でもわかるようか簡潔な説明文が表示されます。
法律に詳しくない人でも、できるだけわかりやすく利用できるようになっています。

また、インターネットでの作品の流通を前提としていることもあり、「メタデータ」についても配慮がされています。
Googleなどの検索エンジンは、私たちが見ている表面的な画面だけでなく、HTMLで記述されたさまざまなデータを読み取っています。
この中の一つに「メタデータ」があります。
この「メタデータ」に作品に関する権利情報を記載することで、検索エンジンが正しく理解できるように規定されています。
この記事のテーマである、「Google検索での権利状態の表示」についても、この「メタデータ」を利用して実現されています。

画像素材を使用するときの注意点

Google検索で目的の画像を見つけた時、「ライセンス可能」というバッチがついていたとしても、すぐに利用可能という訳ではありません。

「ライセンス可能」というのは「一定の条件を満たせばライセンスすること(利用すること)ができる」という意味ですので、無条件で自由に使えるという意味ではありません。
間違えても、検索一覧に表示される画像のサムネイルをコピーして、自分の作品に利用するなんてことがないように、注意してください。

画像を利用したい時は、まず目的の画像に関する具体的なライセンス条件を確認するために、掲載元サイトを訪問しましょう。
掲載元サイトで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなどの利用条件を確認します。
特に注意して確認する点として、「表示の義務があるか」・「改変可能か」・「商用利用できるか」・「継承の義務があるか」の4つがあります。
この4点について、どのような条件が設定されているのかをしっかり確認してください。

次に画像の使用について、無料か有料かを調べます。
有料のサイトで配布されている画像素材には、「ウォーターマーク」と呼ばれるものが入っている場合があります。
「ウォーターマーク」とは、サイト名などを薄い色で画像全体に入れることで権利を有していることを示し、そのまま配布・利用できないようにするためのものです。

ところが、たまにこのウォーターマークが入ったままの画像を使っているサイトを見かけることがあり、驚いてしまいます。
著作権などを所有している元サイトのウォーターマーク入りの見本画像を、そのままコピーペーストし、無断で自分のサイトに使用していることがすぐに分かってしまいます。
自分のサイトの信頼性自体を落とすことになりますし、もし権利者に見つかった場合、損害賠償請求の対象にもなりかねませんので、絶対に無断で使用してはいけません。

【まとめ】
一部のクリエイターが仕事で画像素材を利用するだけの時代は、もはや昔の話になりつつあります。
仕事に関係ないプライベートユースで、一般の方や学生なども気軽に画像を加工し、クオリティの高い作業をすることが当たり前になってきました。
しかし、インターネットで流通する大量の画像の中から、自分の目的に合ったものを選択し利用する時には、製作者の権利の保護は特に意識する必要があります。
この記事で紹介したGoogleの新しい検索機能をうまく活用しながら、インターネット時代に対応した快適な制作環境を楽しんでいきましょう。

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■参考文献
注1
IT media NEWS 「Google、検索結果画像に「ライセンス可能」バッジ表示で購入支援」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2009/01/news116.html
海外SEO情報ブログ 「Google画像検索の画像ライセンスが正式版に。「ライセンス可能」バッヂを表示」
https://www.suzukikenichi.com/blog/google-image-search-displays-license-information-with-licensable-badge/
「Google、画像のライセンス情報を画像検索に表示する機能を導入」
https://www.suzukikenichi.com/blog/image-license-metadata-in-google-images/
注2creative commons Japan クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
https://creativecommons.jp/licenses/

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