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CIM活用に残る課題とは?これからの導入に向けた留意点

土木建築のあり方を変えると言われるCIMは、多くのメリットを現場にもたらしてくれる一方、その運用には課題も残ります。
CIMのメリットを生かしつつ、課題を解決していくためにはどのような施策を採用すればよいのでしょうか。

CIMの魅力と課題を整理しつつ、これからのCIM活用に求められる事項について、見ていきましょう。

目次:
①CIMのメリット
②CIMの課題・問題点
③どのように課題を乗り越えるべきなのか

CIMのメリット

まずは、CIMのメリットから確認していきます。
近年は国交省主導で、公共事業における積極的なCIM導入が進められてきましたが、そこにはCIMの前向きな効果を期待する思いが込められています。

現場作業の効率化

CIM導入の最も大きなメリットは、現場作業の効率化です。
CIMを用いることで、あらゆる情報を一つの3Dモデルに統合し、情報共有や意思決定の高速化を促すことができます。

これまでの設計から施工段階においては、2D図面と3Dモデルの併用や、紙とデジタルの併用などといったプロセスがとられてきました。
各部門で最適の形式でデータが扱われてきたわけですが、これではデータを変換する作業、そして変換前後のすり合わせを行う作業が発生します。
そのため、必要以上にコア以外の部分に時間を要していたのです。

しかしCIMの導入によってデータが一元化されれば、データの処理に必要な時間は全て短縮され、意思決定のプロセス、および現場作業に時間を割くことができます。
特に現場作業においては、実際の施工の品質を3Dモデルと比較しながら検証していくことが出来るため、クオリティの向上にもつながります。

熟練者不足に対応

土木建設業界において問題となっているのが、労働人口の不足です。
働き手が不足することで、近い将来に既存のシステムでは現在のパフォーマンスを維持することができなくなるとされています。
特に熟練作業員の不足は深刻で、複雑な業務をこなすことのできる人員が一線を退いてしまうことで、現場作業の品質低下はもちろん、新人を教育することができなくなることも懸念されています。

そこで、CIMによる業務の効率化を推進することで熟練者の負担を軽減し、複雑な作業を伴う現場への配置や、人材の教育に時間を割くことが出来るようになります。
また経験の浅い作業員でも、CIMを用いて作業にあたることで、施工ミスの減少や品質の向上が期待できます。

働き方改革の実現

土木建設業界において人手不足が深刻化しているのは、少子化だけが原因ではありません。
古い体質で働きづらいイメージや、重労働で危険を伴う作業が多く、割りに合わないという印象がどうしても抜けず、他の業界へ人材が流出してしまう問題も深刻です。
しかしCIMを含むICTの積極的な導入は、そんな旧態依然のイメージを大きく払拭してくれる可能性を秘めています。

CIMを活用したロボットやシステムの導入で、現場作業員の負担やリスクは減少するどころか、今や無人化まであり得ると議論されるほどになっています。
肉体労働とされてきた土木建設もIT企業と同じくホワイトカラーの職種となり、オフィスから現場を管理することが一般的になる未来も十分にあり得ます。

また、残業や早朝深夜の作業負担の軽減も現実的なレベルで進んでいるため、将来的には限りなくホワイトな環境で仕事に臨むことが出来るようになるはずです。

CIM活用における課題・問題点

このようなCIM活用の具体的な効果が期待される中で、CIMの推進力を奪う課題や問題点は、どのような点にあるのでしょうか。

BIMとの相違点の認知度向上

まずCIMは、BIMとは異なる性質を持つ技術であるという点が、あまり共有されていないケースが確認されています*1。
CIMがBIMとは異なる点としてよく挙げられるのは、CIMが社会インフラの構築、および維持管理に運用されること、そして発注形態です。
公共土木は基本的に設計と施工を分離して発注することが一般化しているため、設計と施工で活用できるCIMの運用には、この慣習を刷新していく必要があります。

現行の発注形態ではCIMの運用は限定的なものになってしまうため、BIMほど汎用性の高い運用は、現在では期待することができません。
概念こそ同じではありますが、抱えている課題には両者に大きな隔たりがあります。

地形や地質の影響が大きい

また、CIMは土木を扱う分野の3Dモデル技術であるため、地形や地質の影響が大きいことも特徴的です。
BIMであれば土壌を考慮せず、建築物の設計のみに集中することができますが、CIMは土地への依存度が高く、運用に際して地質の詳細な情報を必要とします。

プロジェクトに合わせて、どの情報を必要とするかという取捨選択の問題や、どれくらいまで検証を行うべきかを知ることが求められます。
これは、CIMの効果を数値化することを難しくしている要因でもあります。

オペレーターの不足

CIM運用は一度に広く普及するのであれば頼もしい技術ではありますが、CIMを扱える人材が不足しているため、広範な普及には時間がかかりそうです。
いわゆるCIMオペレーターは通常の3Dモデラーとは異なり、データ入力や検証の業務も発生します。

また、現場作業員の配置転換でCIMオペレーターとして育成するとなっても、第一線で活躍するためにはある程度の時間を要します。
迅速に人材を育成できる環境を整え、新規の人材にもCIM運用やエンジニアリングのスキルを求めることで、オペレーターの不足を補う施策が必要になってくるでしょう。

これからのCIM活用のあり方について

これらの課題を踏まえても、CIMの運用には大きな魅力が依然として存在しています。
企業によってはCIMの課題解決を積極的に推進し、CIM運用の定着に向けて動いている様子もうかがえます。

効果的なCIM人材の育成は急務

CIM運用のこれからにおいて、最も重要視されているのがCIM人材の育成です。
ある会社では2009年度より新入社員向けのCAD研修を業種問わず義務化し、CAD未経験者向けのカリキュラムの実施を進めてきました*2。

同社ではCIM研修においても、社内における各部署の一般職社員が参加するワークショップを定期的に開催し、実践的な技術の取得を促しています。
いわゆる理系ではない人材が最先端の技術に触れる機会を設けることで、文化的なCIMの定着を促進する効果も果たします。

CIM文化を定着をさせていく必要性も

CIMを文化的に定着させるための活動は非常に重要で、形式的なCIMの導入で形骸化してしまうことを回避する効果が期待できます。
どれだけCIMがポテンシャルを秘めていても、現場の人員に積極的に利用してもらえなければ意味がありません。
多くの人にCIMを「便利な技術」として理解してもらうことで、積極的な運用を促進することができます。

VR機器やドローン、レーザースキャナーを必要不必要を判断する以前にあらかじめ導入してしまい、実際に現場で使用してもらうといった取り組みも功を奏しています*3。
なぜCIMを使うのか、CIMを導入するとどうなるのかを体感で理解できるようになる環境の整備は、重要であることを示しているとも言えそうです。

おわりに

CIMは多くの課題が残る技術ではありますが、同時に魅力的なメリットが並ぶ魅力も備えています。
課題解消に向けた取り組みも意識しながら、CIM導入を進めていきましょう。

出典:

*1 けんせつPLAZA「施工者から見たCIMの問題点と対応策《その2》」

http://www.kensetsu-plaza.com/kiji/post/1680

*2 BUILT「「作る」から「使う」“CIM”人材の育成はどうすべきか? (3/5)」

https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2001/06/news035_3.html

*3 BUILT「「作る」から「使う」“CIM”人材の育成はどうすべきか? (4/5)」

https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2001/06/news035_4.html


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