1. TOP
  2. ブログ
  3. 3Dから7Dまで!BIM運用の様々な「側面」を考える

3Dから7Dまで!BIM運用の様々な「側面」を考える

BIMモデルには様々な活用方法があり、それぞれで異なる効果の発揮を期待されています。この多面的な活躍を表現する方法として、側面(Dimension)という言葉が使われることもあります。

今回はそんなBIMの様々な側面に注目して、運用の可能性をご紹介していきます。

目次:
①デザインに注目する3DのBIM運用
②時間的概念を追加した4DのBIM運用
③最適なコスト管理を実現する5DのBIM運用
④持続可能性に配慮する6DのBIM運用
⑤ライフサイクル管理を促す7DのBIM運用

デザインに注目する3DのBIM運用

最もスタンダードなBIM運用のあり方として、3Dの考え方が挙げられます。タテ・ヨコ・高さの概念を図面にもたらすことで、立体的な表現が可能になります。

3次元で図面を表現し、デザインの可能性を広げる

建物を3次元的に表現することは、実に多くのメリットをもたらしてくれます。実世界にある建物は全て立体的な構造を有しており、奥行きや高さの加減がそれを見たものや利用者に感動を与え、利便性を提供します。

実際に建物を立てずとも、図面で立体的な表現が可能になれば、それだけ設計者の創造性を刺激したり、情報を伝えるのが容易になります。

BIM運用の基礎となる3Dデザイン

2D図面では含意できる情報や表現には限りがありますが、3DのBIMはより詳細な情報を伝えられます。2Dでは部屋の間取りしか伝えられなかったのが、3Dでは建物の外観から内装まで、多くの情報を表現できます。

またBIMは単なる3Dデータにとどまらず、オブジェクトの中に多くの情報を内包できます。建物の材質や寸法、価格情報などを付与することで、BIMデータだけであらゆる情報共有を完結できます。

数値と3Dオブジェクトはリンクしており、3Dモデルの修正作業も数値を調整するだけで完了できる手軽さもあります。

時間的概念を追加した4DのBIM運用

BIM運用における4D活用とは、BIMを用いてプロジェクトのスケジュールへ前向きな影響を与えることを比喩的に表現した言い回しです。

情報共有を円滑に進め、スケジュールの改善を促進

BIMにおける情報共有の円滑化は、業務効率を向上させることで、結果的に既存の業務プロセスを改善する効果を期待できます。従来よりも設計にかける時間を短縮できるため、今後の事業計画やスケジュールについて、短縮効果をもたらしてくれます。

工期の短縮でコストパフォーマンスの向上を

一つのプロジェクトにかけられる時間が短縮すれば、それだけ建設にかかる費用は小さく抑えられます。人件費などの増加を防ぎ、業務時間の短縮にもつながるため、コストパフォーマンスの向上を実現します。
また、プロジェクト一つあたりにかかる時間を短縮できれば、新しいプロジェクトを受注できる時間とリソースの確保も実現します。コストを抑え、売り上げを伸ばすことも可能です。

最適なコスト管理を実現する5DのBIM運用

5Dは直訳すれば5次元という単語が当てはまりますが、BIM運用における5Dとは上記の運用メリットに加え、最適なコスト管理を実現することを表現したものです。

予算の評価を正確に行い、適切なプロジェクト管理を促進

従来の建設プロジェクトは、あらかじめ必要とされる推定量の資材を搬入し、そこにあるもので一つの建物を完成させるということが一般的でした。
しかしBIMを活用したプロジェクトの場合、建物の部材一つ一つのコストがあらかじめ設定されているため、細部まで丁寧なコスト管理が可能です。

この機能を活用して、建設中の建物が現在どれくらいのコストをかけているかをビジュアライズし、どれくらいの予算を投じているかを視覚的に把握できます。進捗状況をリアルタイムで確認しながら、今後どれくらいの資材・予算を必要とするかを推測し、無駄がないよう管理できます。

プロジェクトの無駄を減らし、効率的な建設を

これまではプロジェクトにかかる予算を原価だけでなく、輸送費や人件費なども別個に計算しなければなりませんでした。BIMデータを活用することで、支出については一括で計算が可能となり、マネジメントの効率向上にも役立ってくれます。単に視覚的に見やすくなるだけでなく、業務そのものの改善にも期待できるのがBIMの強みです。

持続可能性に配慮する6DのBIM運用

BIM運用における6Dとは、建物のサステナビリティに関する配慮も実現することを目標としたものです。

本当の意味で長持ちする建設物の実現を

BIMの6D運用においては、その建物のエネルギー消費量を評価し、環境負荷がどれくらいになるかを設計段階で検討します。あらかじめ建物がどれくらいのエネルギーを消費するかを把握しておくことで、街やその土地に与える影響を評価できるようになります。

エネルギー消費量を正確に把握できることは、まずその建物の運用コストを把握するのに役立ちます。いくら施工段階までを安く抑えることができても、その後数十年にわたって高額の維持コストが発生してしまっては、その価値も大きく損なわれます。

運用コストを正確に計算できることも、建物の資産価値を守る上では重要です。

SDGsへの貢献が求められるものづくり業界

建物がどれくらい維持管理にコストを要するかについては、企業が社会的責任を果たす上でも重要です。大量の電気を必要とし、尚且つ頻繁な改修工事やメンテナンスを必要とする建物は、省エネルギーの観点からも悪影響です。

燃費の悪い建設物は、どれだけ耐用年数に優れていてもその維持費でメリットがかき消されてしまいます。そのため建物は丈夫でも、誰も長い年月にわたって運用しようという気にはならないのです。

サステナブルではない建物を乱立してしまうと、企業は地球全体の将来に対する展望がなく、責任能力が低いとみなされてしまうため、ブランドにも大きく影響します。BIMを活用してコストパフォーマンスが高く、省エネで長い間維持できる建物を実現できるというわけです。

ライフサイクル管理を促す7DのBIM運用

サステナブルな建物を実現するためには、維持管理においてもサステナブルなシステムを導入する必要があります。7DのBIM運用とは、そんな維持管理のプロセスにBIMを採用しようというアプローチです。

建物の「ゆりかごから墓場まで」を実現

これまでの建物の維持管理のプロセスといえば、竣工後に図面などが運用会社へ渡され、それに基づいた独自の運用プロセスが開始されるというものでした。
しかし施工会社と運用会社が密に連携していたわけではないため、維持管理の段階で不必要な建物の検証や点検を行わなければならず、余計な負担が生まれていたのです。

BIMデータを採用することで、設計段階の図面作成はもちろん、維持管理にも活用できるため、情報共有に漏れが出ることはありません。適切な点検業務を遂行できます。建物が耐用年数に達するその時まで、適切な管理を実現します。

BIMデータ活用で、維持管理にもテクノロジーを

設計段階から活用しているBIMデータですから、維持管理もBIMデータを使ったロボットなどを用いて行うことも可能です。正確な点検業務はもちろんのこと、資材調達のサプライヤーなどもBIMから把握できるため、修理部品や備品の調達に困ることもありません。

おわりに

BIMデータは単なる3Dデータにとどまらず、多方面において活躍が期待できる技術でもあります。データを有意義に活用する方法についても検討が必要です。

 

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX

 

▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP