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フォトリアリスティックなCGアニメーションはどのようにして生まれるのか?作り方をご紹介

フォトリアリスティックなCGアニメーションはどのようにして生まれるのか?作り方をご紹介

3DCGやアニメーションの領域では、3Dエンジンやモデリングソフトの進化に伴い、目を見張るようなパフォーマンスの向上が進んでいます。まるで写真や実写を見ているかのような、フォトリアリスティックな3DCGアニメーションも登場しており、エンターテイメントとしてはもちろん、ビジネスの分野においても今後の活躍が期待できます。

今回は、そんなフォトリアリスティックなCGアニメーションがどのように生まれるのかについて、その作り方を見ていきましょう。

①CGアニメーションの制作プロセスと必要なツール
②フォトリアリスティックなオブジェクトの作り方
③3Dアニメーションの作り方

CGアニメーションの制作プロセスと必要なツール

まずは、CGアニメーションの制作プロセスから見ていきましょう。段階としては大きく分けて2つ存在し、初めに3Dオブジェクトの制作、そして制作した3DCGに対して、アニメーションを適用するという順序です。また、合わせて3DCGアニメーションに活躍するツールについてもご紹介します。

3Dオブジェクトの制作

3Dオブジェクトの制作段階では、コンピューターグラフィックスを使った3Dモデリングを実施します。コンピューターという2次元空間で立体的な表現を実現するためには、専用のモデリングソフトが必要です。3Dモデリングソフトは用途に応じて複数のソフトを使い分けるケースも珍しくなく、フォトリアリスティックなクオリティのモデルに仕上げる場合、ツールの備えは欠かせません。

AAA級タイトルのビデオゲームや映画といった、ハイエンド環境で利用されているのがAutodesk社のMayaです。3Dオブジェクトの制作はもちろん、書き出し作業であるレンダリングや、オブジェクトに動きをつけるアニメーション作業にも対応しているため、オールインワンなパフォーマンスを発揮します。

アニメーションの適用

3Dオブジェクトが完成したら、次にアニメーションを適用する作業に取り掛かります。ゲームや映画といった大規模プロジェクトの場合、3Dモデリングとアニメーションは別個の担当者が取り掛かるケースも珍しくなく、それぞれの専門領域でプロフェッショナルが活躍しています。

Mayaを使ってアニメーションを作ることもできますが、同じAutodesk社の製品だと、3ds MaxやMotionbuilderが併用されることもあります。詳しいアニメーションの作り方については、後述します。

フォトリアリスティックなオブジェクトの作り方

続いて、ここからはフォトリアリスティックな3Dオブジェクトを、どのように作り上げていくのかを見ていきましょう。優れた3Dモデリングソフトを販売しているAutodesk社は、そんなフォトリアルなモデリングを実現するためのポイントについて、丁寧な解説を提供してくれています*1。

基本形状の生成

まず取り掛かるべきは、基本形状の生成です。顔を形作るすべての基本的形状を少しずつスカルプトしていき、大まかな形が出来上がったら、オブジェクトの個性を表すディテール表現に取り組みます。

フォトリアリスティックなオブジェクトを生成する際、ポピュラーなモデルとなるのが人間の顔です。ここでは、人間の顔をまるで実写のようなクオリティに仕上げるための、詳細な生成方法をご紹介します。

肌の生成

人間の顔の基本形状を生成した後は、その表面を包む肌の生成をへと移ります。AutodeskではMayaをベースとした生成に加え、Arnoldを使った肌のディテール表現に取り組むことを推奨しています。ArnoldはAutodeskが提供するレンダリングソフトの一種で、シェーダーと呼ばれるツールを用いることで、従来の3Dグラフィックにありがちだった、いかにもなプラスチック的表現を和らげ、起伏のある本物の人間のような肌感を表現できます。

細かい光の反射率を微調整すれば、より人間らしい皮膚へと生まれ変わっていきます。

髪の生成

人間の顔を形作るのに欠かせないのが、髪です。髪はその人の性格や個性を表現するのに重要な役割を果たし、Arnoldには髪の毛専用のシェーダーも搭載されています。Mayaに実装されているツールと併用することにより、一人一人の髪型に微妙な変化をもたらし、彼らがまるで本当に実在しているかのようなモデルへと生まれ変わらせることが可能です。

目の生成

人間に限らず、生き物に「生き物らしさ」を与えてくれるのが、目です。強膜と虹彩の組み合わせ、そして角膜と結膜の組み合わせという2つのレイヤーを結合させることで、3Dの眼球に本物のような奥行きと輝きをもたらします。

着色とライティング

本体の形状が完成した後は、オブジェクトへの着色を行います。着色はテクスチャと呼ばれるデータを使って、質感に配慮しながら行います。

本体の着色が完了した後は、ライティングです。あらゆる物体を現実世界で認識できているのは、ひとえに光のおかげであるといっても過言ではありません。3D空間においてもこのライティングの効果をうまく活用することで、フォトリアリスティックな表現を実現可能です。

想定シーンをある程度考えた上で、もっとも作成した3Dオブジェクトが映えるライティング設定を試行錯誤してみましょう。

3Dアニメーションの作り方

オブジェクトが完成した後は、彼らに動きをつけるためのアニメーションの工程へと移ります。3Dアニメーションにおいては、主に以下の2つの方法で躍動感をもたらします。

リギング

1つ目は、リギングです。リギングとは、作成した3Dオブジェクトにバーチャルな骨格を与え、人間らしい動きができるよう手を加える作業です。

3Dモデリング作成はあくまでも外観の作成に留まっているため、人間のような複雑な動きを行うモデルをリギング抜きにして作り出すことはできません。

リギングを行い、骨格がどのように動くかを定義づけることで、まるで実写のような動きをもたらすことが可能です。

モーションキャプチャ

近年多くの作品で採用されつつあるのが、モーションキャプチャです。これは実在の俳優が専用の装置を身につけ、さまざまなアクションにおける一連の動作をキャプチャリングすることで、そのまま3Dオブジェクトへと動きを適用するというものです。

一つ一つのアニメーションをクリエイターが手作業で実装する必要がなく、人間らしい生身の動きを簡単に表現できることから、大手スタジオでは積極的に採用されています。

まとめ

フォトリアリスティックなCGアニメーションを制作するためには、優れたグラフィックスキルはもちろんのこと、高度な人体構造への理解も求められます。ビジュアル表現にこだわるだけでなく、挙動にも写実性のある表現をもたらすことで、3Dキャラに多大なリアリティを与えることができるようになるでしょう。

 

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*1 Autodesk「Arnold と Maya を使ってフォトリアルな CG キャラクターを作成する」
https://www.autodesk.co.jp/campaigns/arnold/maya

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