iPhone マスクをしたままでもロック解除できる?設定方法をご紹介
コロナ渦でマスクを日常的にするのが当たり前になり、マスクをしていては顔認証ができないため、今までFace IDを利用していた方はとても不便な思いをしていることと思います。
この記事では、そのような悩みを解決するために、マスクをしたままでもFace IDが作動するように設定する方法をご紹介していきます。
この記事を読むと、以下の4つのことが分かります。
①Face IDの仕組みについて
②iPhoneのiOSについて
③マスクの状態でロック解除ができる設定方法
④認証システムの今後
Face IDの仕組み
Face IDとは、Appleが開発した顔認証システムのことです。
ユーザーが目を開いて画面を見つめているのを確認したら、3万以上の赤外線ドットを顔に投影し、このデータを解析することで顔の深度マップ、および2Dの赤外線画像を形成します。これらはデジタル署名を行ったうえで、iPhoneX以降に搭載されている「A11 Bionicチップ」のセキュリティコプロセッサー「SecureEnclave」に送信されます。そして「SecureEnclave」内のニューラルエンジンが、受信した深度マップと赤外線画像を数学的モデルに変換し、登録されている顔のデータと照合します。これが「Face ID」の大まかな仕組みです。(*1)
iPhoneX以降搭載されたこの顔認証システム「Face ID」はかなり浸透してきており、2022年4月時点では、欠かせないものとなっています。従来のiPhoneでは指紋認証だったのが顔認証になり、ロック解除がとてもスムーズになったと感じます。また、従来では電子決済も指紋認証で行っていたのが顔認証で行えるようになり、スムーズに決済できるようになりました。
iPhoneのiOSの確認
まず最初に、お使いのiPhoneのiOSがどのバージョンなのか確認しましょう。
iOSの確認は、iPhoneのホーム画面の「設定」→「一般」→「情報」→「システムバージョン」で現在のiOSの確認ができます。
iOSとは
まず、OSとはオペレーティングシステムの略称で、コンピュータが動作するために必要となるソフトウェアのことです。
iOSとは、Appleが開発したOSのことです。自社で開発しているソフトウェアであるため、常にOSが最新の状態でiPhoneを使用できます。
2022/03/15にリリースされたiOS15.4から「マスク着用時Face ID」を使って、マスクをしていてもロック解除できるようになりました。この機能はiOS15.4以降を搭載したiPhone12以降で利用できます。(*2)
よって、iPhone12以降のものを利用している方はiOSを最新のものにアップデートするだけでマスクをしていてもロック解除できます。
問題はiPhone12以前のものを利用している方です。上記の機能が利用できないため、この記事で設定方法をご紹介します。
マスクの状態でロック解除ができる設定方法
1.iPhoneの「設定」→「Face IDとパスワード」
2.「Face IDをセットアップ」を選択
既にFace IDを登録済みの方は「もう一つの容姿をセットアップ」を選択し、新しく顔認証の設定を追加します。新しいFace IDを登録できない場合は、過去に登録したFace IDをリセットしましょう。
3、顔認識の画面になったら、半分に折りたたんだマスクを顔に当てます。
片方の手でマスクを押さえるようにします。このとき、顔の4分の1がマスクで隠され、残りは露出した状態です。
この状態で、顔を上下左右に動かして登録します。「顔の認識が妨げられています」と表示されても登録が進められるようでしたら、気にせずに進めてください。もし認証されなくなってしまったら、マスクの位置を少しずらすようにします。
これでマスクをしたままでも、iPhoneのFace IDでロック解除できるようになります。マスクを外した状態でもロックは解除できますのでご安心ください。
マスクでの顔認証精度を高める方法
場合によっては、顔認証がうまくいかない場合もあるようです。
その場合は、マスクを先ほど登録した方とは反対側に折った状態で、2つ目のFace IDを登録しましょう。Face IDには2つの顔を登録できます。上述した方法で、左半分をマスクで隠した状態で登録したのであれば、2つ目は右半分をマスクで隠してFace IDを登録します。(*3)
補足
上記の方法で顔認証の精度を高めることはできるのですが、それでも完璧ではありません。うまくいかない場合は、登録する際に鼻を出した状態にすることで認識しやすくなります。
マナー違反といわれている「鼻出しマスク」の状態であれば、顔認証が成功するとの実験結果が出ています(図1)(*4)。普段はマスクをしっかりつけていて、顔認証の時だけマスクを鼻の下までずらせば感染リスクを抑えつつ顔認証を適切に利用できます。
図1.各条件の顔認証の結果(*4)
今後、認証システムはどう変化していくのか
この記事で取り上げた顔認証は現在主流になりつつあるが、顔認証にもまだまだ課題はあります。例えば、iPhoneの顔認証Face IDは精度が高いが、顔の正面からでしか認証できません。横顔や上下どの角度からでも認証できるようにしたり、端末を横にしても認証できれば、より便利になると思います。
今後は、さらに顔認証や指紋認証などの生体認証が主流になっていくと考えられます。なぜなら、生体認証にすることでパスワード忘れや流出のリスクを軽減することができるからです。さらに、2022年時点では電子決済が主流になりつつあり、今後さらに浸透してくると考えられるので、電子決済での認証に生体認証が用いられることが多くなります。しかし、生体認証にもデメリットはあり、指紋はどこかに残された痕跡からコピーするのが容易です。
よって、今後は「多要素認証」が用いられると思います。多要素認証とは、認証の3要素である「知識情報」、「所持情報」、「生体情報」のうち2つ以上を組み合わせて認証することを指します。(図2)(*5)
図2. 認証の3要素(*5)
多様性認証を用いることで、流出や改ざんのリスクはかなり低減され、セキュリティとしては安心できます。
また、今後ますます重要になってくるのは「行動的生体認証(行動バイオメトリクス)」だと言われています。行動的生体認証とは個々人の持つ身体的特徴をデータとして扱うものです。例としては、スマホの持ち方や歩き方、署名などが挙げられます。これらは個々人の行動のパターンや癖をデータとして扱います。他人にはすぐにまねできるものではありません。人は様々な行動を取るため、組み合わせを複雑化でき、それがセキュリティの向上に直結するという利点があります。
iPhoneにもこの行動的生体認証が適用されたら面白そうですね。スマホを手に持っただけで、認識してロック解除できるようになるなんて夢のようです。
まとめ
今後、iPhoneの認証システムがどう変化していくのか楽しみですね。また、iPhoneのみならず、認証システムが私たちの身の回りにどう影響してくるのか、さらに便利になっていくと思うと期待が膨らみます。
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参考文献
1. 価格.comマガジン「iPhoneX」の顔認証「Face ID」の仕組みやセキュリティはどうなっているのか?
https://kakakumag.com/pc-smartphone/?id=11137
2.Apple Support「iPhone12以降でマスク着用時にFace IDを使う」
https://support.apple.com/ja-jp/HT213062
3.AllAbout デジタル「マスクをしたままiPhoneの顔認証(Face ID)を解除する方法
https://allabout.co.jp/gm/gc/486029/?msclkid=1b300cf9bb9311ecb452ffb40ce6cc63
4.日経XTECH「マスクを着けたままで顔認証が可能か」
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nnw/18/011800128/011900001/
5.NRI SECURE「多要素認証とは?パスワードだけでは守りきれないクラウドのセキュリティ」
https://www.nri-secure.co.jp/blog/multi-factor-authentication