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建設DXにおいてUnityを使ったAR/VR技術はどのように活躍するのか?

建設業界はデジタルトランスフォーメーションが必要な分野として大いに注目を集めています。DXのアプローチは多様ですが、普及が進んでいるのがUnityを使った最新の視覚技術の導入です。

今回は、3DゲームエンジンのUnityが、ARやVRの導入・運用においてどのような役割を果たしているのか、メリットとともに解説します。

目次:

  1. DXについて
  2. Unityとは
  3. AR/VR技術が建設業にもたらすメリット
  4. 建設業におけるAR/VRの役割
  5. 建設業にAR/VRを導入する上でのポイント

DXについて

DXは、最新のデジタル技術を使った競争優位性の獲得に向けた一連の施策を指します。文書のデジタル化や、AIなどのツールを使った作業労働の自動化など、さまざまなアプローチによって実現することができ、予算や目的に応じてそのスケールもさまざまです。

建設業界におけるDXとしては、最新3Dモデリング技術の活用が挙げられます。BIMモデルをはじめとする3D技術を駆使し、設計業務の効率化や、現場作業の自動化、意思決定の迅速化などを推進することができます。

Unityとは

3Dモデリング活用を後押しするサービスとして、見逃せないのがUnityです。Unityは元々ゲーム開発に特化したプラットフォームとして知られてきましたが、近年はその汎用性の高さや3Dモデリング技術の高さ、そして無料のプラットフォームとして公開されているといった理由に後押しされ、本格的なDXの実現に向けた活用も進んでいます。

Unityはただ3Dモデルを作成するだけでなく、3Dモデルにまつわるさまざまな技術を提供できることでも知られています。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)もそんな技術の一種で、3Dモデルをより感覚的に把握したり、設計業務や現場での施工業務の効率化に活躍しています。

AR/VR技術が建設業にもたらすメリット

エンターテイメントのイメージが強いARやVRといった技術ですが、ビジネスの現場でも大いに活躍が期待されています。特に建設業においては、高いパフォーマンスを発揮する技術として、注目を集めています。

現場の見える化を促進できる

AR/VR技術は、現場の見える化へ大いに貢献します。ARゴーグルを通じて、建設予定地に原寸大の設備や建物の構造を描画したり、VRで完成予想図を描画し、情報共有を迅速化できたりします。

2D画面や図面を見ながら作業するよりもはるかに感覚的であることから、現場作業の効率化につながります。

技術の継承と作業員のスキルアップが高速化する

ARやVRといった視覚技術は、作業員の技量不足を補う存在としても有効です。ベテラン作業員が経験で理解している複雑な作業工程も、視覚技術を介して本格的なトレーニングを実行したり、作業プロセスのガイドラインを表示しながら作業にあたれたりすることで、スキルがなくとも短期間で取得、あるいは作業そのものを簡単にすることができます。

コスト削減につながる

ARやVRの導入で作業に必要な負担が小さくなれば、それだけ現場作業員の数を少なくしても、同じパフォーマンスを発揮できます。近年、建設業は深刻な人材不足に悩まされており、作業員の育成や健全な現場配置が成立しない原因となっています。

最新技術の導入で現場負担を軽減し、一人で何役もこなせるようになる、あるいはロボット導入を推進できれば、必要な人材を減らし、現場作業に必要なコストを減らすことにもつながるでしょう。

建設業におけるAR/VRの役割

具体的に、AR/VRといった技術はどのような役割を持つのでしょうか。具体的な機能について、ご紹介します。

関係者間の情報共有

1つ目は、関係者間の情報共有です。現場作業員への情報共有はもちろんのこと、建設に明るくない関係者への共有も、AR/VRを活用することで、迅速に必要情報を伝えられます。

紙の図面や言葉で伝えるよりも、実物モデルを眼前に表示した方が、はるかに感覚に訴え、理解を促せるためです。

短期間での意思疎通は、速やかな業務の遂行と、工期の短縮につながるでしょう。

設計モデルの現場での可視化

設計図面を現場で可視化するのも、AR/VRの役割です。建設途中の建物のなかで、これから施工する箇所をARで直接投影できれば、完成予想図を具体的にイメージできるため、作業のミスを防ぎ、短時間での作業完了を促せます。

図面とにらめっこをしながらの作業は時間がかかるだけでなく、作業員にイメージを持たせられづらいため、作業の遅れや質の低下につながりますが、これを丸ごと回避できるのがAR/VRの最大の強みと言えます。

遠隔支援

直接現場で指示やサポートを提供しなくとも、遠くからオンラインで支援ができるのも、ARやVRといった技術のなせる技です。ARゴーグルを通じてオンラインで今作業員が見ている施工現場をリアルタイムで共有し、どのように作業を進めればよいのか、どんなところに気をつけるべきなのか、細かく指示を出しながら作業を進められます。

現場監督が複数の現場へ足を運ぶ必要がなくなり、本社から直接指示が出せるようになります。

ハンズフリー操作

手を使わず、ハンズフリーで作業を進められるようになるのも、ARやVR技術の強みです。ARゴーグルをつけながら首の操作だけでマニュアルを表示したり、正確な図面を表示したりできるようになるので、両手を常に作業に集中させられるようになります。

手元が狂ってケアレスミスが発生したり、作業そのものが遅々として進まない事態を回避できます。

建設業にAR/VRを導入する上で必要なこと

建設業に対してAR/VRを導入する上では、以下の3つの要件を満たすことが大切です。確認しておきましょう。

DX人材を確保する

1つ目の要件は、DX人材の確保です。DXを進めようとしても、DXについての知見がなければ、どこからどのように始めてよいかがわからないものです。

DXを推進するための技術を持ったエンジニアの確保はもちろんのこと、DXを進めるにあたって、必要な知見を提供してくれるコンサルタントや経験豊富なCTOの配置が必要になるでしょう。また、必要なDX人材はどのような人物なのか、正しく判断ができる人間も求められます。

社内での技術研修

DXはただシステムを導入して終わりではなく、システムを社内で正しく使える仕組みや文化づくりも大切です。社員向けの技術研修やワークショップを導入前に実施し、実践で十分に活用できるよう促す施策が求められます。

社内研修が不十分だと、現場で満足にシステムを活用できなかったり、トラブルに見舞われた際、対処できずに業務が停滞するといったリスクもあります。外部からのDX人材に依存しないよう、既存社員向けの研修を強化しましょう。

目的に則った技術導入

DXには多くのアプローチがあるため、自社が抱えている課題に最適な技術を導入できるよう、前もってリサーチしておくことも大切です。目的に則った技術導入ができなければ、予算を無駄に圧迫し、DXの効果を実感できないケースに発展します。

DX推進の前には課題の洗い出しを行い、必要なソリューションを見極めておきましょう。

まとめ

UnityはDXにおいて大きな存在感を発揮するプラットフォームで、中でもAR/VR分野における活躍は目覚ましいものがあります。正しい運用方法について理解を深め、導入に向けて必要な課題検討を進めておきましょう。

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