Autodesk Maya Creativeとは?3ds Max・Blenderとの違いも解説
MayaとはAutodeskの3DCGソフトウェアで、アニメーションやレンダリングなどの機能が搭載されています。
この記事では3DCG制作の概要をはじめMaya・3ds Max・Blenderの特徴や価格の比較、MayaとMaya Creativeの違いについて解説しています。
MayaとはAutodeskの3DCGソフトウェア
まずMayaとはどのようなソフトウェアなのかについてご紹介します。
Mayaの特徴とは
AutodeskのMayaとは、アニメーションの作成やモデリング、シミュレーション、レンダリングなどの機能が盛り込まれた統合型の3DCGソフトウェアです。
プロフェッショナル向けのソフトウェアとしてリアルなキャラクターが再現できるため、映画やテレビ、ゲームの制作などに活用されています。(*1)
3DCGとは立体をコンピュータで表現する技術
3DCGとは、ゲームやアニメーション、映画、建築物の完成予想図、CAD、VR・MRなどさまざまなシーンで用いられている技術です。
3DCGを制作するソフトウェアには、多くのツールがセットになっている統合型と、ある特定の機能だけが盛り込まれている特化型に大別されています。
例えば、ポリゴンを作成する際の特化型3DCGソフトウェアには、Metasequoia(メタセコイア)などがあります。
Mayaは豊富なツールが強み
AutodeskのMayaは、もともと搭載されているツールが豊富なため、導入すればすぐに機能が利用できます。
また、スクリプトを活用すると自分の欲しい機能の追加も可能です。
プログラム言語の知識のある人はより利便性が高くなるといえます。
ただし、プログラムの専門的な知識がなくてもスクリプトを生成する方法があります。
例えばChatGPTを用いると、Maya向けにPythonのスクリプトが作成可能です。
プログラムに詳しいエンジニアが身近にいない場合でも、AIチャットボットを活用すればスクリプトの作成が可能となるケースもあるでしょう。
AIチャットボットに日本語の文章を入力してPythonでMaya向けのスクリプトを書くサンプルコードを呼び出し、そこから「決まった寸法の立方体を複数位置に配置したい」など条件を定義していくと、定義を反映したスクリプトが出力されるのです。(*2)
このような方法を活用すると、Mayaの利便性がより高められます。
Maya・3ds Max・Blenderの違いとは
3DCGには、AutodeskのMayaに限らず多くの種類があります。
特にMayaと3ds MaxはどちらもAutodesk社のハイエンド3DCGソフトウェアのため、どちらを選べばいいかわかりづらいことがあるかもしれません。
ここでは統合型3DCGソフトウェアとしてよく比較される「Maya」「3ds Max」「Blender」の特徴を表でまとめています。(3)(4)
Maya | 3ds Max | Blender | |
開発会社 | Autodesk | Autodesk | Blender Foundation |
制作物の例 | ・キャラクター・アニメーション制作・ゲーム開発 | ・アニメーション・CG制作・完成予想図 | ・アニメーション制作・3D映像・動画編集・VFX |
価格 | 858,000円/3年286,000円/1年36,300円/1か月 | 858,000円/3年286,000円/1年36,300円/1か月 | 無料 |
プラグインの量 | △ | ◎ | ◎ |
カスタマイズ性 | ◎ | ○ | ○ |
アニメーション機能 | ◎ | ◎ | ◎ |
対応OS | Windows・Mac・Linus | Windows | Windows・Mac・Linus |
また、それぞれのメリットデメリットは以下のとおりです。
Mayaのメリットデメリット
- ツールセットが豊富
- VFX(視覚効果)用途で人気
- 機能の拡張はスクリプトで作成が必要
- 対応しているプラグインが少ない
3ds Maxのメリットデメリット
- アニメーションCGに強い
- 完成予想図など建築関係のニーズが高い
- プラグインが充実している
- 高度な制作は有償プラグインが必要な場合も
- Windowsでしか利用できない
Blenderのメリットデメリット
- オープンソースのため無料で利用できる
- 日本語に対応している
- 操作が独特で習得に時間がかかる傾向
- サポートが充実していない
MayaとMaya Creativeの違いとは?
AutodeskのMayaには2つの製品があります。
ここではMayaとMaya Creativeの違いをご紹介します。
Maya LTは販売終了
AutoCADでもAutoCAD LTと同様に、もともとMayaにはMaya LTという製品がありました。
Maya LTは、Mayaの機能と価格を絞り込んだものですが、Maya LTのサブスクリプションは、新規、契約更新ともに終了しています。(*5)
Maya Creativeは従量課金制プランの製品
Mayaは、前述したシングルユーザーへのサブスクリプションに加えて、1日単位の従量課金制プランが利用可能です。
一方、Maya Creativeは従量課金制プランのみで提供されています。
「毎日使うわけではないけれど、ときおりMayaが使いたい」という場合には、Maya Creativeがおすすめです。
自分の好きなタイミングで利用できて費用も抑えられるため、より手軽に3DCGの制作ができます。
Autodesk Flexとは
Autodesk Flexとは、MayaやMaya CreativeなどAutodesk製品で利用できる従量課金制プランのことです。
ユーザーは、事前にAutodeskのパートナーからAutodesk Flexのトークンを購入して、適宜Autodesk Account上のユーザーに割り当てておきます。
トークンは、Autodesk製品の起動中に24時間ごと消費される仕組みです。(*6)
以下は24時間ごとに必要なトークンとかかる費用の目安です。
ここからわかるとおり、Maya CreativeはMayaの1/6のトークンで利用可能です。(*7)
- Maya:6トークン(2,376円/日)
- Maya Creative:1トークン(396円/日)
- 3ds Max:6トークン(2,376円/日)
- AutoCAD:7トークン(2,772円/日)
- Fusion 360:2トークン(792円/日)
- Revit:10トークン(3,960円/日)
サブスクリプションは使用頻度によらず利用できる期間を決めて契約をするため、頻繁に使用するユーザーの場合に便利です。
これに対して、Flexでは、トークンを購入するタイミングと使用する時期は関係がありません。
また利用人数に制限がなく適宜ユーザーを割り当てて利用できる製品が管理できるため、使用頻度が少ない場合や利用するメンバーが複数いる場合に役立ちます。
MayaとMaya Creativeの違いとは
MayaとMaya Creativeの機能の違いは大まかに分けると以下のとおりです。
モデリングやリギングなどが中心用途であれば、Maya Creativeで十分必要な制作が行えます。
Mayaは、Maya Creativeの機能を包括しているほか、モーショングラフィックスや流体表現などのダイナミクスが得意分野です。
また、SDKを使用したカスタムプラグインやMicrosoft .NET APIを用いたエフェクト機能は、Mayaのみで使用可能です。(*8)
Maya Creativeの得意分野
- アニメーション
- リギング
- モデリング
- レンダリング など
Mayaの得意分野
- モーショングラフィックス
- ダイナミクス
- シミュレーション
- エフェクト など
まとめ
AutodeskのMayaとは、3DCGによく使われる製品です。
MayaはWindowsやMacに対応し、スクリプトでカスタマイズができる特徴があります。
また、従量課金制プランの選択も可能で、3DCGのモデリングやリギングなどが用途の中心であれば、Maya Creativeの利用が便利です。
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参考URL
*1 https://www.autodesk.co.jp/products/maya/overview
*2 https://area.autodesk.jp/column/tutorial/maya_atoz/chatgpt-maya-script/
*3 https://www.autodesk.co.jp/products/3ds-max/overview
*4 https://www.blender.org/about/foundation/
*5 https://www.autodesk.co.jp/products/maya-lt/overview
*6 https://www.autodesk.co.jp/benefits/flex?term=500&tab=flex
*7 https://www.autodesk.co.jp/benefits/flex/flex-rate-sheet
*8 https://www.autodesk.co.jp/products/maya-creative/compare