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Googleが力を入れるARって何?AR/VRの基礎知識やApple・Microsoftなどの戦略も解説します

最近、何かと話題のAR技術。
専用デバイスだけでなく、スマートフォンなどにも搭載が始まった比較的新しい技術ですが、それだけに「イマイチよくわからない……」という方もいらっしゃるはず。
今回は、そんな方に向けて、AR技術について簡単に解説していきたいと思います。

この記事では以下の3つのことがわかります。
1.AR技術って何?
2.Google・Apple・MicrosoftそれぞれのAR戦略
3.AR技術が切り開く未来の可能性と課題

 

ARとは拡張現実の略

ARとはAugmented Realityの頭文字をとった略称で、日本語では拡張現実と表現されることが多い単語です。
”拡張”現実という名の通り、現実世界の情報をベースにデジタル技術でそれを拡張するというのが基本的なスタイルで、例えば以下のような技術が既に開発あるいは実用化されています。
■代表的なAR技術の例
・ユーザーが見ている景色に関連する情報(例えば店舗の情報など)を表示するアプリ
例:セカイカメラなど
・スマートフォンのカメラの映像にキャラクター画像を合成して、あたかもその場にゲームのキャラクターが居るような演出をするアプリ
例:Pokémon GO(ポケモン捕獲・撮影時のARモード)など
この例からもわかるように、「現実世界のリアルタイムの映像に必要な情報を上書きする」のがARと覚えておけば、とりあえずは問題ありません。

 

VRとARは何が違うの?

ARと似たような技術で、VRというものもあります。
こちらは既にゲーム機市場を中心にさまざまなデバイスが登場しているので、もしかするとAR以上にイメージしやすい方もいらっしゃるかもしれません。
このVRはVirtual Realityを略したもので、日本語では”仮想”現実と表現されます。
ARの”拡張”に対して、VRは”仮想”という訳ですね。
そして、仮想という名の通り、VRは現実世界とのリンクによって仮想の世界を表現する事に重点を置いた技術となっています。
その為、現在はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を用いて外界からの視覚情報を遮断した上で、専用の映像コンテンツ(360度動画やゲームなど)を再生するスタイルが主流です。
ARが現実世界の情報を基に世界を作り上げる技術とするなら、VRは現実世界の情報に頼らず、1から世界を作り上げる技術といえるかもしれません。

 

AR技術に力を入れる意外な企業〜Google〜

 

Google Glassという先進的なデバイス

このように、一昔前ならSF作品の題材だったAR技術ですが、前述の例からも分かるとおり、ここ2〜3年ほどで一気に私達の身近な存在になってきました。
当然、ソフト・ハードを問わず多くのベンダーが技術開発に取り組んでいるのですが、なかでも大きく力を入れている企業の1つが検索最大手のGoogle。
同社では、まだAR技術がそこまで一般的ではなかった時代(少なくとも2012年頃)から、さまざまなデバイスやアプリを通してAR技術の開発を行っています。
なかでも代表的な存在が、2013年にテスト販売された「Google Glass」というデバイス。
こちらは、その名の通り眼鏡のレンズにさまざまな情報を表示できるハードウェアで、登場当初は大きな注目を集めました。
残念ながらこのGoogle Glassは商業的な意味での成功を収めるには至りませんでしたが、どのようなデバイスが一般向けとして適しているのかなど、多くの知見をGoogleや他の開発者に与えたことは事実でしょう。
もちろん、Googleがこの程度の失敗で懲りるはずがなく、その後はスマートフォン向けを中心にAR技術の開発を進めていくことになります。

 

GoogleレンズとAR Coreでスマートフォン向けAR技術の普及に努める

Google Glassの後、スマートフォン向けのAR技術開発にさらに力を入れ始めたGoogleですが、実は現在、その中のいくつかが結実しています。
まずご紹介したいのが、Googleレンズというサービス。
これは、スマートフォンのカメラで撮影した物の情報を表示できる技術で、Pixel3などの一部Android端末では標準のカメラアプリから、それ以外のAndroid端末やiOS端末ではGoogleフォトなどの対応アプリ経由で利用することができます。
筆者も以前Pixel3発売直前のタッチ&トライイベントで試してみた事がありますが、その精度はなかなかのもの。
一般に売られているような物なら割と正確に認識してくれるので、具体的な製品について調べたい時には大活躍してくれるでしょう。
そして、次にご紹介したいのが「AR Core」。
こちらはAndroidアプリの開発者向けに用意されているフレームワークで、これを使えばAndroid OS標準のAR機能を比較的簡単に実装することが可能です。
従来より簡単に機能が使えるということは、それだけ開発者がAR機能を搭載したアプリを開発しやすくなる(=AR対応アプリが増えやすくなる)ということ。
Android OSはスマートフォンやタブレット向けのOSと思われがちですが、メーカーが手を加えることで、さまざまな機器に対応できるというメリットがあります。
このメリットを押してAndroid OSの普及を図っていくというのが、Googleの1つの戦略なのかもしれません。

 

Apple・MicrosoftのAR技術戦略は?

ここまでGoogleの戦略を中心に取り上げてきましたが、もちろんライバル企業も負けてはいません。

 

Google同様ARに力を入れるApple

まずは、スマートフォンやタブレット・自動運転車など多くの分野でGoogleと競合している、コンピューターメーカー「Apple」。
Appleでは、Android OSのAR Coreと同じように、自社のiOS向けにAR kitというフレームワークを用意しています。
また、最新のiOS12ではARを使った簡易メジャー「計測」を標準機能として搭載していたり、眼鏡型デバイスの開発が噂されているなど、Google同様ARにはかなり力を入れている様子。
ただし、Googleのように検索エンジンやそれに関連する情報・技術をもっているわけではないので、Googleレンズのような検索連動型のAR技術はあまり得意ではないようです。

 

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Windows Mixed Realityで独自路線を行くMicrosoft

スマートフォン分野ではiOSやAndroidに敗北したものの、PC用OSの分野では依然として高いシェアを誇るMicrosoft。
同社が現在開発・普及を進めているのが「Windows Mixed Reality(通称MR)」という技術。
専用HMDを使うという点ではVRに似ていますが、実はVRだけでなくARも扱うことが出来るという優れもの。
自社でOSを含めた独自のスマートフォンを持たない事を逆手に取って、AR/VR両方対応できる技術を開発してしまおうということなのでしょう。
VRに対応する関係上、どうしてもデバイスが大きくなりがちですが、この辺りが改善されれば1つの理想型になってくるかもしれません。

 

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AR技術が切り開く未来と課題

ARはやっと普及が始まった技術なので、未だ私達が気付いていないようなアイディアを含め、大きな可能性が秘められています。
今後、AIや音声アシスタントの技術が発達すれば、それとARを組み合わせることで、買い物や観光といった一般向けの需要だけでなく、医療や建築など多くの分野で活用が進んでいくでしょう。
一方で、新しい技術が普及する際には、従来のルールや慣行との軋轢が生まれやすいことも事実。
特にARでは、
・不特定多数の人が居る場所での利用も多いこと
・外界の情報を認識する為に使用中のカメラ起動が必須となること
から、普及させる段階できちんとルールを話し合い、それを守っていく必要があります。
なかなか難しいところですが、ルール設定を後回しにし過ぎると、後々になってその技術がもつ可能性を削いでしまうなんて事も。
技術を”健全に”発展させていく為にも、ユーザー側・メーカー側双方の責任ある対応が求められているのではないでしょうか。

 

まとめ

今回はGoogleの例を中心に、AR技術の解説や主要なテック系企業の戦略、業界全体に求められる課題などについてご紹介しました。
手のひらサイズのスマートフォンでも、ハイスペックPC並みの処理能力を発揮出来る現在、ARは処理能力面での課題をクリアし、ようやく普及段階に入ってきたといえます。
恐らくは今後数年間で、今の何倍もの普及を見せてくれるでしょう。
Googleに限らず、またスマートフォンという形に限らず、ARの発展に今後も注目していきたいところです。

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