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Googleが開発中のARヘッドセット「Project Iris」とは?

最近最もホットな話題といえば「メタバース」ではないでしょうか。
昨年はFacebookが会社名を「Meta」に変更し、今後メタバース関連事業を2本目の柱として巨額の投資をすることが発表されました。
 ここにきてGoogleも、仮想現実世界を舞台とした新たなビジネス領域に積極参加する動きが確実になっています。その一つとして最近The Vergeで報告されたリーク情報を中心に、ご紹介していきましょう。

この記事でわかること
 ・メタバース関連用語に関する基礎知識
 ・The Vergeによる「Project Iris」に関するニュースの内容について
 ・GoogleによるVR/AR分野へのこれまでの取り組みについて

メタバース関連用語に関する基礎知識の整理

 米国のTech系Webメディア「The Verge」は、2022年1月にGoogleでVR/ARヘッドセット関連のプロジェクトに関わっている人物2名から、匿名を条件にリークされた情報として、次のように伝えています。

 ・Googleが「Project Iris」という名称でMRヘッドセットを開発中
 ・2024年に製品化をめざしている
 ・現在のVR/ARヘッドセットより進化したMRタイプで、ターゲットはメタバース

 ここでいくつかの用語についてまず整理しておきましょう。*注1

◯VR/AR/MR
 もはや解説の必要がないぐらい身近になってきました。
 
 VRは「Virtual Reality」の略で、3Dモデリングされた仮想的なデジタル空間を意味します。この世界に私たちは、VRゴーグルや手足に装着したセンサー類を利用して、干渉することができます。

 ARは「Augmented Reality」の略です。
 VR空間のベースとなるのは、デジタルデータで構成された仮想的な空間ですが、ARの場合は現実空間がベースになるという違いがあります。

 AR対応のメガネなどを着用することで、現実空間にさまざまなデジタルコンテンツを重ね合わせて見ることができます。
 VRが「こことは違う世界」での体験なのに対して、ARは「現実世界に有用な情報をデジタル表示させる」ことを主体としています。

 MRは「Mixed Reality」の略です。
 概念としてARとの境目がそれほど明確ではありません。ARが現実世界にデジタル化された情報を重ね合わせて「拡張」するのに対して、MRはさらに一歩進めて、現実世界と仮想世界をより密接に「融合(Mixed)」するものと位置付けられます。

 例えば、ドラゴンボールに出てくるスカウターは、相手の戦闘力を分析し数値で示してくれます。これは、現実世界に存在する対象に対して、有用な情報を「付加」してくれるAR技術と捉えることができます。
 自動車のフロントガラスに各種情報を表示してくれるヘッドアップディスプレイも、このような技術の最も簡単な利用例です。

 スマートグラスを通じて現実社会を見たときに、その空間に合わせて恐竜が登場し、まるで実際にそこに存在するような動きを見せてくれる。これはMRのカテゴリーと考えることができます。
 少し前に世界中で大流行したポケモンGOなどは、当時AR技術として紹介されることが多かったようですが、カテゴリーとしてはMRに属するといっても良いでしょう。*注2

 このようなVR/AR/MRを総合して「XR(クロスリアリティ)」と表現することもあります。
 世界的な新型コロナの影響もあり、人と人が直接会うことで実現するコミュニケーションが困難になったことも、XRが注目を集めている大きな要因となっています。
 オンライン会議などのビジネスユースやイベント・教育・アミューズメントなど、幅広い分野へのXR技術の応用が期待されています。

 ◯メタバース
 メタバースは間違いなく、2022年最もホットなトレンドワードの一つでしょう。
 あのFacebook社が2021年には「Meta」へ社名を変更し、facebookやInstagramというSNS事業に並ぶ第二の事業の柱として、巨大な投資を発表したことからもその重要性がわかります。
 本稿の主題であるGoogleの「Project Iris」に関しても、このメタバースをターゲットとした戦略的な製品と捉えるべきだと考えています。

 メタバースには、実はまだ明確な定義は存在しません。
 インターネットの進化系であり、バーチャル空間内で人々がアバターなどを利用し、現実世界と同じような「生活」や「ビジネス」をすることができるプラットフォーム、というのが漠然としたイメージです。
 コミュニケーションの新たな形とも、ゲームやアミューズメントの究極的な形とも考えられます。

 先行する事例としては、一時大ブームを起こした「Second Life」が挙げられます。
 最近では「どうぶつの森」や「フォートナイト」などのゲームも、メタバースの一部と捉えることができるでしょう。

 Meta(旧Facebook)は現在、このメタバースの標準プラットフォームを創造することで、先行者利益を確保しようと躍起になっています。
 SNSを世界に広め巨額の富を築いた時代のfacebookの大成功を、再び狙っているのです。*注3

The VergeによるGoogleの「Project Iris」に関するニュースの内容

 さて、このメタバースを実現するために必要不可欠なものはなんでしょうか?

 360度バーチャル空間で、深い没入感が得られること。さらにリアルタイムコミュニケーションを取ることが可能で、各種の情報や3Dモデリングされたバーチャルな対象が容易に視認できることではないでしょうか。

 その答えが、「高性能なVR/ARヘッドセット」であることは間違いありません。

 前述したThe Vergeの記事によると、現在「Project Iris」のプロジェクトには約300人が取り組んでおり、今後さらに数百人規模で雇用する予定があることが書かれていました。
 また、プロジェクトを率いるのは「Daydream(VR関連)」を担当した、クレイ・ベイバー氏であることなどが報じられています。

 このVR/ARヘッドセットについては、従来製品よりもはるかに高度な性能を持ち、より没入感の高いMR体験が実現されるとのことです。
 また、電源はバッテリーから供給され外部電源は必要としないことや、独自開発のSoCチップが搭載される予定など、具体的なスペックについても報告されています。
 かなり現実味が高い情報であることが推察できます。

 またOSについては、Android OSが利用されるということですが、The Vergeは独自の調査で、GoogleがAR OS開発を前提とした求人をしていることを発見しています。
 このことから、「Project Iris」用に独自OSの開発を進める可能性についても示唆しています。

GoogleによるVR/AR分野へのこれまでの取り組み

 
 GoogleによるVR/AR分野のハードウエア部門において、これまでの製品としては「Google Glass」が最も有名です。
 VR/AR分野が今後の重要な市場として注目を集めていた2012年に、世界中の期待を背負って登場しましたが、残念ながらプロダクトセールスとしては成功したとは言えない結果となりました。

 その後Googleは、VR/AR関連のハードウエア部門にはそれほど大きな動きを見せずにきました。
 その代わり、検索やGoogle MapへAR技術を応用するなど、ソフトウエアを中心としたVRエコシステムの構築に力を入れてきました。
 しかし、2020年にはスマートグラスメーカーであるNorthを買収し、Magic Leap社にも早くから投資するなど、外部のハードウエアメーカーから技術を導入する動きを行っています。

 また、2021年には「Project Starline」と呼ばれる、独自のコミュニケーションツールを発表しています。
 これは、遠隔地にいる相手とのコミュニケーションに利用されるデバイスと関連技術であり、相手の表情や動きをセンサーが取得することでリアルタイムで3D化し、再構成した画像をディスプレイに表示するというものです。

 目の前のディスプレイに表示されるのは、AIや機械学習・空間オーディオなどの最先端技術を駆使して構成されるデジタルデータですが、まるでリアルな人物とオンラインミーティングしているような体験を得ることができます。
 しかもヘッドセットは必要ありません。もちろん、好きなアバターへ変換してリアルタイム表示することも可能です。

 新型コロナの影響から、オンラインミーティングが日常的に行われるようになったことも、このような技術へのニーズを高めています。
 以前ならばVR/AR技術の主戦場としてはゲーム市場が有望でした。またVR/AR技術を利用するためには、ヘッドセットや高性能PCなど高額なハードウェアを必要とし、利用するには何らかのプラットフォームへ参加しなければなりません。

 そのため、一般ユーザーにとってはハードルがやや高めで、広く普及するにはやはり何らかのブレイクスルーが必要でした。

 今回、世界的な新型コロナパンデミックは、ひょっとしたらそのきっかけになるかもしれません。リアルなコミュニケーションを阻害する状況が続き、オンラインコミュニケーションへのハードルはかつて無いほど低くなっています。

 「実際に会ってみないと」はもはや過去の常識になり、オンラインが当たり前の社会が現実になっています。
 ビジネスミーティング・企業での採用面接・コンサートやイベント・教育など、一度オンラインの利便性や有効性、効果などを経験すると、リアルにこだわる必要性すら無くなる可能性があります。

 Google・Meta(旧Facebook)だけでなく、Apple社からも近いうちにVR/ARゴーグルをリリースする予定であることが報道されています。
 マイクロソフトなど、数多くのIT系企業が次の「ブルーオーシャン」の覇権を握ろうとし、しのぎを削っている現状はまさに、インターネット黎明期やSNSサービス勃興前夜の雰囲気があります。
 
 ひょっとしたら、まだ名前も知らない新しいスタートアップが、アメリカンドリームのように、急成長していく姿が見られるかもしれません。*注4

【まとめ】
 今回は、Googleが開発中のVR/ARヘッドセットに関するニュースを中心にまとめてみました。
 しかし重要なのは、単なる新しいデバイスということではなく、メタバースをキーワードにした覇権争いの一環として捉えることではないでしょうか。

 映画「アバター」「マトリックス」「レディプレーヤー」の世界が、もうすぐ私たちにとって身近なサービスとして登場するかもしれません。そう考えるとワクワクが止まりませんね。

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■参考文献
注1
The Verge “GOOGLE IS BUILDING AN AR HEADSET”
https://www.theverge.com/2022/1/20/22892152/google-project-iris-ar-headset-2024
注2
TIME&SPACE by KDDI 「注目の「XR」(クロスリアリティ)とは?VR、AR、MRとの違いと最新事例を紹介」
https://time-space.kddi.com/ict-keywords/20180816/2406
注3
cnet Japan 「いま話題の「メタバース」とは–知っておくべき5つのこと」
https://japan.cnet.com/article/35182844/
注4
cnet Japan 「グーグル、「そこに人がいる」感覚の3Dビデオチャット「Project Starline」を発表」
https://japan.cnet.com/article/35171003/
「アップルのVR/ARヘッドセット、開発に遅れか–リリースは2023年に?」
https://japan.cnet.com/article/35182145/

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