Blenderで点群データを使用するための方法
フリーで使える3DモデリングソフトのBlenderは、無料とはいえ多様な使い方ができるため、そのポテンシャルを存分に発揮することが大切です。
この記事では、そんなBlenderで点群データを扱うための方法について、具体的な方法や更なるデータ活用方法を解説します。
目次:
- 点群データとplyファイル
- Blenderはplyファイルを読み込める?
- 点群データ運用に役立つ「Point Cloud Visualizer」とは
- Point Cloud Visualizerをインストールするには
- Point Cloud Visualizerの主な使い方
- plyファイルを手に入れる方法
点群データとplyファイル
点群データは、実在の3Dオブジェクトをスキャンした時などに生成される、点の集合体で構成された3Dデータです。通常の3Dデータは実線で立体構造を備えていますが、点群データは点のみで構成されています。
そんな点群データを保管・運用するための形式として知られているのが、plyファイルです。plyファイルは3Dスキャナを使って生成した3Dデータを格納することに特化したデータ形式で、3Dデータを扱う現場では頻繁に登場します。
点群データもply形式で格納されていることが多く、plyファイル、および点群データを問題なく扱えるスキルや環境を整えておくことは、3Dデータ運用において重要です。ply形式のファイルは広く普及している共通規格であるため、逆にBlenderで扱っている3Dデータをply形式で圧縮し、関係者と共有する機会も多いでしょう。
Blenderはplyファイルを読み込める?
Blenderからplyファイルに読み込めるのは確かですが、それではそもそもBlenderはplyファイルを読み込むことは可能なのでしょうか。結論から言うと、Blenderでもplyファイルを展開することは可能です。
ただ、運用に当たってはあらかじめアドオンをインストールしておく必要があるため、単体での運用は難しいと考えておきましょう。現在は必要がなくとも点群データは活用頻度が多いデータ形式であるため、あらかじめ環境を整えておくことをおすすめします。
点群データ運用に役立つ「Point Cloud Visualizer」とは
Blenderにて点群データを運用したい場合、役に立つのが「Point Cloud Visualizer」です。Point Cloud Visualizerは、Blender上でplyファイルの展開をサポートしてくれるアドオンで、点群データのスムーズな展開と編集を可能にする機能が搭載されています。
Point Cloud Visualizerは無料でインストールできるため、点群データやplyファイルを扱う場合には事前に導入しておきたいアドオンです。
Point Cloud Visualizerをインストールするには
Point Cloud Visualizerのインストールは、至って簡単です。まずは、githubの以下のページにアクセスしましょう。
アクセスすると「space_view3d_point_cloud_visualizer.py」というファイルがあるので、これをインストールすればPoint Cloud Visualizerの準備は完了です。
アドオンを起動するには、Blenderを立ち上げてメニューから[編集]へ遷移し、[プリファレンス]を選びます。するとプリファレンスダイアログが開くので、[アドオン]タブを開き[インストール]ボタンをクリックします。
そこから[ファイルからアドオンをインストール]をクリックすると、アドオンの一覧が表示され、Point Cloud Visualizerの項目にチェックを入れれば起動させることが可能です。
Point Cloud Visualizerの主な使い方
Point Cloud Visualizerは、無事アドオンとして追加が完了すると、[3Dビュー]のサイドバーに[Point Cloud Visualizer]のタブが新たに加えられています。まずはここを確認しましょう。
Point Cloud Visualizerの存在を確認できたのち、早速運用する場合は、まずオブジェクトデータをなんでも良いので作成します。そこで先ほどの[Point Cloud Visualizer]タブを開き、[PLY File:]の[Load]ボタンをクリックします。
するとファイル読み込みの画面が開くので、展開したいplyファイルを選択すれば、Blender上で点群データが展開できます。点群の表示は、[Point Cloud Visualizer]タブの[ドロー]をクリックすると行えます。また、同タブ内のステータスを調節することで、店の大きさなどを変更することもできるので、色々と触ってみると良いでしょう。
plyファイルを手に入れる方法
Point Cloud Visualizerは、あくまでplyファイルを展開・編集するためのアドオンであるため、plyファイルそのものを手に入れたい場合には別途入手経路を検討する必要があります。
plyファイルの入手方法としては、主に
- 一般公開・販売されているplyファイルを入手する
- 自ら3Dスキャンを実行してplyファイルを入手する
という2種類の方法が挙げられます。最も簡単なファイルの入手方法は、やはり一般に公開されている、あるいは販売されているplyファイルの入手です。地方自治体などの公共機関のサイトを訪問すると、市や県のplyファイルを公開しているケースがあり、これらを使ってBlender上で3Dの点群データを扱えます。
自身のスキルを磨く目的でplyファイルや点群データを扱いたい場合には、これらのデータを活用すると良いでしょう。また、plyファイルを販売しているケースも見られるため、別途扱いたいデータを見つけた際にはこれらのデータも活用しましょう。
2つ目の方法は、自ら3Dデータを生成する方法です。3Dスキャンは専用の機材がないとできないとされてきましたが、現在はスマホアプリのような簡便なものを使ってデータを作成できます。
有名な3Dスキャンアプリとしては、「KIRI Engine」と呼ばれるアプリが挙げられます。高品質なデータを生成できるだけでなく、iOSとAndroidの両方に対応しており、無料で月に3つまでスキャンすることが可能です。
既存のサービスを役立て、3Dデータの技術を磨きましょう。
まとめ
この記事では、Blenderで点群データを扱うための方法や、plyファイルの有効活用のアプローチについて解説しました。Blenderは無料でありながら、アドオンを活用することで更なる機能性を拡張可能です。
3Dデータや点群データを手に入れる方法も多様化しているため、ツールをうまく使って3Dデータ運用を発展させましょう。
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