BIM原則適応で起こるこれからの建設DX(第1回)BIMのこれまでと現状
「BIM原則適応で起こるこれからの建設DX」では、芝浦工業大学・蟹澤教授にお話を伺っています。
国土交通省では2023年に「小規模を除く全ての公共事業にBIM/CIMを原則適用」としており、建設DXの大幅な推進が期待されています。BIM導入による影響や背景を知ることで、ぜひ理解を深めましょう。
建設業におけるDXのこれまで
90年代の日本の建築技術は最先端だった
建設業は他業種と比べると、古くからDXに関して先行している部分は多いです。
たとえば1990年代から2000年にかけては、各社が「全自動施工」に取り組みました。清水建設のスマートシステム、大林組のABCSといったシステムに代表されるように、現場を工場のように構築する仕組みがこの頃には開発されています。
また「ロボット開発」についても、1990年代当時は世界最先端の技術を誇っていました。溶接ロボット、左官の床ならしロボットなどが誕生し、現代にも技術が応用されています。
そしてBIMとも共通する「ソフトウェア」に関しては、90年代から3D化が進められていました。たとえば大成建設の「LORAN-T」というソフトは「3次元で設備の干渉をチェックする」といった機能を備えており、もはや「世界最初のBIM」と言ってもいいほど先進的でした。
失われた30年で技術も停滞
90年代には世界最先端の技術を持っていた日本ですが、その後のバブル崩壊の影響で停滞してしまいます。ゼネコンによる技術開発にはコストが掛かるため、安くて楽な「在来工法&職人の手作業」という方向に回帰してしまったのです。
現在では、他国の技術に先を行かれてしまっています。しかし世界で開発が進められている「プレハブ住宅」などは、もともと日本で先行していた手法です。世界は最近になってBIMとセットのシステム開発を進めたので、急激に引き離されてしまったという印象があります。
国土交通省が「BIM原則適用」を主導する理由
国土交通省の主導でBIM原則適用が行われている理由としては、下記2点が考えられます。
- 日本のBIM化は世界より遅れている
- BIMの「ガラパゴス化」を防ぐ
日本ではBIM化が遅れており、デジタル化の流れに乗って建設DXを推進したいという狙いがあります。
実際に2019年頃の建築業界では、まだBIMに関して手探りの状態でした。ようやくRevit等のBIMソフトが浸透し、BIM360のようなプラットフォームが活用されつつあるのが現状です。しかしいずれにしてもゼネコンだけの主導では普及が難しく、全面的な導入には至っていません。
また日本は「技術がガラパゴス化してしまいがち」という点が特徴です。国が音頭を取って共通化することでゼネコン単位での個別性を抑え、日本全体としてのBIM推進に繋げたいという目的があります。
ちなみに日本では「建築はBIM、土木はCIM」と使い分けられますが、世界では「建築も土木もBIM」と統一されているのが一般的です。
続きは、Build App Newsにて公開していますので、是非ご覧ください。
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