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オープンソースで使えるジェネレイティブAIの実力は?開発事例を紹介

ジェネレイティブAI(生成AI)はChatGPTやMidjourneyの登場により、広く世界に普及しつつある最先端技術です。多くのサービスは企業が独自に開発・運営しているものである一方、最近では生成AI需要の高まりに伴い、オープンソースでAIを開発する事例や、既存のAIをオープンソース化し、さらなるパフォーマンスの改善を進めようという動きもあります。

この記事では、そんなオープンソースで利用可能なジェネレイティブAIのポテンシャルや、実際の開発事例について、解説します。

目次:

  1. ジェネレイティブAIとは
  2. オープンソースと無料の違い
  3. ChatGPTはオープンソース?
  4. オープンソースの生成AIとして注目される「HuggingChat」について
  5. ジェネレイティブAIのオープンソース化に関する最近の動向
  6. オープンソースのジェネレイティブAIが抱える課題

ジェネレイティブAIとは

ジェネレイティブAIは日本だと生成AIという名前でも知られている、コンテンツ生成機能を備えたAIを指します。膨大な学習データベースに基づき、指定されたキーワードや指示に即したデータを生成することができます。

ジェネレイティブAIにはさまざまな種類があり、テキストを生成するものや、画像を生成するものが最もポピュラーです。最近では動画生成や音楽の生成をするジェネレイティブAIの開発も進んでおり、生成されるコンテンツの質も高まっていることから、プライベートからビジネスまで、多くの領域における活躍が期待できるテクノロジーと言えるでしょう。

オープンソースと無料の違い

ジェネレイティブAIのポテンシャルに多くの人が注目していることで、各企業で独自のAI開発が盛んに行われています。一部の企業にはAIの利用や開発をオープンソースで進めようとしているケースも見られますが、無料で利用できることとオープンソースであることには微妙な違いがあります。

まず無料で利用できるジェネレイティブAIは、サービスの利用そのものは無料ですが、直接AIのパラメータをいじったり、ソースコードを流用したりすることはできません。一方でオープンソースのジェネレイティブAIの場合、サービスの利用が無料であるのはもちろん、AIのソースコードについても公開されており、誰でも自由にAI開発に携われるようになっているのが特徴です。

そのため、オープンソースのジェネレイティブAIは、単一の企業による独自開発のような機密性は担保されませんが、集合知による効率的なAI開発の可能性を持っています。

ChatGPTはオープンソース?

ジェネレイティブAIの代表格でもあるのが、テキスト生成AIのChatGPTです。OpenAIが開発・運営するChatGPTは瞬く間に世界中で使用されるようになったサービスですが、基本無料での使用ができます。

ただ、ChatGPTはあくまでOpenAIの管理下にあるAIサービスであるため、第三者がその開発に携わることはできません。また、ChatGPTのフルパフォーマンスを体験するためには有料プランへの加入も必要なため、オープンソースのAIとは言えない点には注意が必要です。

オープンソースの生成AIとして注目の「HuggingChat」について

オープンソースAIについて深く知りたい場合、注目するべきなのが「HuggingChat」と呼ばれる新たに登場したジェネレイティブAIです。HuggingChatはアメリカのニューヨークに拠点を置くユニコーン企業のHugging Faceが開発したAIで、ChatGPTのように文章の作成やコードの作成を、自然言語によるプロンプトを送ることで可能な機能を提供しています*1。

HuggingChatの強み

現状ではChatGPTやBardなどの高水準の生成パフォーマンスは発揮できていませんが、このサービスの最大の特徴はやはりオープンソースであることです。多くのユーザーが同サービスを活用することで、一企業だけでは実現できないレベルの大規模な運用を繰り返し、性能の飛躍的な向上が見込めます。

また、HuggingChatのポテンシャルについてはChatGPTやGoogleのBardが陥っている「幻覚症状」、いわゆる存在しない情報をあたかも事実のように伝えてしまう出力が行われない点からも期待されています。

例え事実とは異なる問いであってもHuggingChatは確実にそのことは把握し、事実誤認をユーザーに与えないような情報の正確性の高さを維持できている点は、ChatGPTやBardにはない強みです*2。

HuggingChatに見るオープンソースAIの今後

また、HuggingChatのようなオープンソースのジェネレイティブAIは、オープンソースではないAIよりもはるかに学習の機会や課題解決の機会に恵まれていることから、将来的には最も優れたAIを創出する可能性があることにも言及されています。

Googleのエンジニアが書いたとされる手紙のリーク情報によると、オープンソースのAIはオープンソースコミュニティによる大規模な試行錯誤によって課題解決が効率的に進み、そのコストや開発にかかる時間についても企業のそれよりはるかに優れるということです*3。

大手テック企業にはないリソースやネットワークを有効活用できれば、オープンソースAIの飛躍的な進化が促され、現行のジェネレイティブAIを陳腐化させてしまう可能性もあるでしょう。

ジェネレイティブAIのオープンソース化に関する最近の動向

ここで、ジェネレイティブAIのオープンソース化に関する、最近の動向について気になるものをピックアップし、解説します。

画像生成AI「StableStudio」がオープンソースで登場

画像生成AIの「Stable Diffusion」の運営元として知られるアメリカのStability社は、有料サービスであるテキストから画像を生成するAIサービス「DreamStudio」をオープンソース化した「StableStudio」を新たに公開しました*4。

従来のサービスとは異なり、こちらのサービスではソースコードを一般に公開し、ユーザーのニーズを素早く汲み取り、改善を高速化させることを実現しています。

ChatGPTをオープンソースで再現する「Colossal-AI」

ディープラーニングのトレーニングを最適化するためのオープンソースプラットフォームである「Colossal-AI」は、ChatGPTのトレーニングプロセスをわずかなGPUリソースで、7.73倍も高速なトレーニングに再現することに成功しています*5。

AI開発の最大のネックは学習コストの大きさですが、オープンソースを活用してこの負荷を抑えることができれば、企業による学習負担を最小化し、より多くのAIサービスの普及が進むようになるでしょう。

まとめ

この記事では、オープンソースのジェネレイティブAIが持つ強みや、実際に活躍が期待されるオープンソースAIのHuggingChatについて、解説しました。

オープンソースAIは多くのユーザーが開発に参画することで、テック企業が実現し得ない驚異的なスピードでの改善を実現し、優秀なAIへと急速な進化を遂げています。今後ジェネレイティブAIのスタンダードは、あらゆる分野でオープンソース化されたサービスにとって変わっていくかもしれません。

 

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参考:

*1 ビジネス+IT「HuggingChatとは何か?ChatGPTとの比較でわかるオープンソース生成AIの驚きの性能」

https://www.sbbit.jp/article/cont1/113786

*2 上に同じ

*3 上に同じ

*4 窓の杜「有償の画像生成AIサービス「DreamStudio」がオープンソースに、名前は「StableStudio」」

https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1501827.html

*5 GIGAZINE「ChatGPTをオープンソースで再現、わずか1.6GBのGPUメモリですぐに使用でき7.73倍高速なトレーニングが可能」

https://gigazine.net/news/20230224-colossal-ai-chatgpt/

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