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iOS14.5「App Tracking Transparency」Meta(旧:Facebook)社や日本企業への影響は?

スマートフォン内の自身の検索履歴やサイト閲覧履歴などの行動情報が、どれくらい社会で使用されているか気になったことはないでしょうか。実は皆さんが想像するより遥かに膨大な情報が各アプリ運営企業に流出し、使用されています。
今回は、2021年4月26日にリリースされ、一時大きな話題を呼んだiOS14.5の「App Tracking Transparency」がどのような機能なのかと、これに対し批判的な立場にあるMeta(旧:Facebook)社の動向を紹介していきます。

この記事でわかること、
・トラッキングとは
・ iOS14.5「App Tracking Transparency」について
・Meta(旧:Facebook)社の動向と日本企業への影響

まずは、「App Tracking Transparency」を理解する上で重要となる、トラッキングについて説明したいと思います。

トラッキングとは

トラッキングとは、サイト内でのユーザーの行動を追跡・分析することを言います(*1)。「ユーザーがどのような経路でサイトに到達しているか」や「サイト内のどのようなページに、どれだけの時間滞在しているのか」、「どの広告をクリックし、どの広告はクリックされないのか」など、マス広告では不可能であった、消費者行動データの収集・蓄積を行うことが可能です。

トラッキングの使用目的は、「Webマーケティングの効果測定」にあります。自社サイトや自社メディアに訪れるユーザーには、どのような共通点があるのかなど、ユーザーの行動データを分析し、より効果的なマーケティング施策・戦略を立てることが可能になります。
逆に言えば、トラッキングを行えなければWeb広告は、データに基づいた施策ではなく、Webマーケターの勘頼りな施策を打つことになってしまいます。

トラッキングの危険性

前述で説明したように、トラッキングは企業にとってはメリットの多いシステムです。しかし、追跡・分析されるユーザーにとってはメリットがある反面、個人情報保護の観点で、少なからず危険性が存在します。

その一つの危険性が「セッションハイジャック」です。これは、ユーザーが使用するWebサーバーとブラウザ間において、やりとりされている通信情報を盗み出し、ユーザー本人に成りすまし不正なアクセスを行うことを言います(*1)。トラッキングシステムであるCookieで登録されている情報を利用されることが多いため注意が必要性です。

その他にも、トラッキングはユーザーの気付かないところで、位置情報や閲覧しているWebサイトなどの情報を送信しているので、使用するアプリやWebサイトに対する情報管理をユーザー自身で管理することが重要になります。

「App Tracking Transparency」とは

2021年4月26日にApple社よりリリースされたiOS14.5ですが、あるアップデート内容で一時話題になりました。それが、「App Tracking Transparency(*2)」の導入です。
皆さんもiOS14.5以降のアップデートから以下のような画像を複数回、見ているかと思います。

これまで、iPhoneユーザーはアプリからのトラッキングを拒絶することが出来ませんでした。そのため、「最近Googleで調べた内容に関連する広告が出るなー」と思った方もいるのではないでしょうか。

先ほど、トラッキングがどのようなシステムか説明した通り、企業はユーザーの消費者行動をデータとして収集・蓄積させ、データを分析させることで、「企業はユーザが検索した内容に関連する広告を表示させる」など効率的なマーケティング施策を打つことが可能でした。
しかし、このアップデートにより企業はiPhoneユーザーが使用するアプリ内のデータを、ユーザーの許可なしに収集することが出来なくなります。

導入された背景

この機能が導入された背景には、業界内での個人情報保護強化の流れがあることが要因です。
2021年1月28日の「データプライバシーの日」に、世界中で個人情報の保護に対する重要性を訴える様々な取り組みが行われました。Apple社はその中で、データのトラッキングに関する「A Day in the Life of Your Data(*3)」というレポートを公開し、トラッキングの許可をユーザー自身で行える機能「App Tracking Transparency」について示唆しました。

この個人情報保護に関するApple社の取り組みに対して、米国Google社が賛同する一方で、Meta(旧:Facebook)社は猛烈に批判しています。

次は、なぜMeta社は批判の立場にあるのか。また、「App Tracking Transparency」による日本企業への影響はどれだけあるのかを考えていきたいと思います。

Meta(旧:Facebook)社の動向と日本企業への影響

Meta社が批判する理由

Meta社の主な収入源は、FacebookやInstagramで広告配信で得られる広告主からの収入であり、収入の約90%以上が広告事業がけん引しています(*4)。
なので、ユーザーにトラッキングの許可を委ねる今回のApple社の取り組みによって、ユーザーがトラッキングを拒絶すると、正確なターゲット広告を行えなくなり、広告収入の大幅な減少が見込まれていました。

事実、iPhoneユーザーの約8割近くが今回の「App Tracking Transparency」でトラッキングを拒絶しているという話も聞きますので、多くのユーザーがトラッキングによる自身の情報漏洩に対し抵抗感を抱いていることが読み取れます。

「App Tracking Transparency」の導入によってMeta社の収入は5割減になると予想されていましたが、2021年第2四半期(4月~6月)と第3四半期(7月~9月)はそれぞれ、

第2四半期(*5)
総売上高:290億7,700万ドル(前年同期比56%増)
広告売上高:285億8,000万ドル(前年同期比56%増)

第3四半期(*6)
総売上高:290億1,000万ドル(前年同期比35%増)
広告売上高:282億7,600万ドル(前年同期比33%増)

上記のようになり、当初見込まれていた売上減とは裏腹に、どちらの四半期とも大幅な売上増を記録しています。

ではなぜ、Apple社の取り組みによる影響がなかったのでしょうか。
それは、AndroidスマホとiPhoneの普及率が関係しています。

AndroidスマホとiPhoneの普及率

StatCounterから発表された2021年10月時点の世界モバイルOSシェアによると、Android:69.94%、iOS:29.38%(*7)であり、圧倒的にAndroidのシェア率が高いことが伺えます。つまり、約29%のiPhoneユーザーのトラッキングが実施できなかったとしても、約72%のAndroidユーザーのトラッキング情報によって、十分なターゲッティング広告を行うことが可能ということです。そのため、Apple社の取り組みによる影響が少なかったと考えられます。

日本企業への影響

一方で、日本におけるモバイルOSシェアは、AndroidとiOSが5割ずつ(*8)で推移しており、世界的に見てもiOSの割合が高いことがわかります。

iOS14.5以降の「App Tracking Transparency」による影響を受ける業界は、Facebook社のような広告プラットフォームを提供する企業と、デジタル広告を提供するデジタルマーケティング業界だと言われています。

先ほど、日本のモバイルOSシェアはAndroidとiOSが5割りずつだと紹介しましたが、この5割のiPhoneユーザーのトラッキング情報を収集できないとなると、iPhoneユーザーが多い日本の企業は世界と比較しても、的確なターゲティング広告が打てないなどの「App Tracking Transparency」による影響が顕著に現れてくると考えられます。

まとめ

今後も個人情報保護に対する各社の取り組みは強化され、デジタルマーケティング業界はこれまでのような、消費者行動に基づくマーケティング施策を行うことは困難になると考えられます。そのような環境が目まぐるしく変化する中で、十分なマーケティング施策を行なうための準備を、現在より検討していくことが重要です。

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参考
*1)MarkeTRUNK 「トラッキングってなに?インターネット利便性の向上に寄与している手法とは」
https://www.profuture.co.jp/mk/column/27326
*2)Apple Developer ‐ App Tracking Transparency
https://developer.apple.com/documentation/apptrackingtransparency
*3)A Day in the Life of Your Datax
https://www.apple.com/privacy/docs/A_Day_in_the_Life_of_Your_Data.pdf
*4)仕組み経営 「Facebookの収益構造とビジネスモデルを徹底解説」
https://www.shikumikeiei.com/facebook-business-model/
*5)Facebook社 2021年第2四半期(4月-6月)業績ハイライト
https://about.fb.com/ja/news/2021/07/2021_second_quarter_results/
*6)Facebook社 2021年第3四半期(7月-9月)業績ハイライト
https://about.fb.com/ja/news/2021/10/2021_third_quarter_results/
*7)statcounter モバイル&タブレットオペレーティングシステムの世界シェア
https://gs.statcounter.com/os-market-share/mobile-tablet/worldwide/#monthly-202104-202111
*8)[2021年]日本のiPhone・Androidシェア率調査結果|世界と比べたスマホシェア
https://simchange.jp/post-164095/

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