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スマートシティが加速!拡大する市場規模について

「スマートシティ」という言葉は、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし実世界では、未だに役所手続きには時間がかかり、交通渋滞は解消されず、あまり恩恵を感じることはありません。
本当にスマートシティへの取り組みは進んでいるのでしょうか?今回は具体的な事例と市場規模の予測について見ていくこととしましょう。

この記事でわかること
 ・スマートシティの意味と具体的な事例について
 ・スマートシティでどんなことが変わるのか
 ・スマートシティの市場規模について

スマートシティの意味と具体的な事例

スマートシティとは、具体的にはどんなものなのでしょう。基本的なことですが、まずはそこから共通認識を持っておく必要があります。
「スマートシティ」は最近よく聞く言葉ではありますが、大抵はぼんやりとしたイメージで話をしていることが多いように感じます。「なんか、IT技術を使って便利な街を作ること」ぐらいの認識しかありません。

内閣府によると「スマートシティ」の定義は次のようになっています。

『スマートシティは、ICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場と定義されています。』

内閣府 スマートシティ

辞書を引くときによくあることですが、わからない言葉を調べたら、その中にまたわからない言葉が出てくる。さらに、それを調べていくと、、、を繰り返すような文章ですね。 もう少し詳しく調べてみることにしましょう。
 
定義に出てくる「society 5.0」について、同じく内閣府の資料では次のように説明されています。

『サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)』

内閣府 Society 5.0

IT系や社会政策系では「固有名詞+ナンバリング」のような用語をよく見かけます。「ガバメント2.0」などがありますね。
「2.0」ぐらいまでは「次世代の」「新しい」「革新的な」のような感じで、なんとなくイメージしやすかったのですが、「5.0」まで細分化されるとさすがに良く分かりません。

とりあえずわかりやすくまとめると、

 ・IT技術を活用する。

最近、政府関係ではCommunicationを重視して、「ICT」という用語を積極的に使うようになっています。しかし別に特別なことではなく、「インターネットも含みますよ」と言うぐらいの意味だと考えて良いでしょう。

 ・目的は「都市や地域の抱える諸課題の解決」である。

上記のとおり、主体となるのは自治体などの公的機関です。
具体的な都市の抱える問題としては、交通渋滞の解消、行政手続きの利便性向上、簡素化、効率化、都市の情報の収集や視覚化とその活用、市民生活の向上などがあります。
この辺については、いくらでも付け加えることが可能で、産業振興や少子化対策など、選挙の時に候補者の公約に挙がるものは全部含まれると言って良いでしょう。

「持続可能な」については、あまり気にしなくても大丈夫です。最近の行政政策には必ず枕詞として使われており、あってもなくても大した意味を持ちません。
 
内閣府の資料まで調べてみましたが、結果的に「ICT技術を使って、住みやすい街を作ること」とまとめて良いのでないでしょうか。

しかし、スマートシティ実現のために重要となる3つのキーワードについては、把握しておく必要があります。「AI」「IoT」「MaaS」の3つです。
「AI」は人工知能。「IoT」はインターネットに接続できる機器。「MaaS」は移動性を伴ったサービスです。「どこでも利用できる形のサービス」と言い換えるとわかりやすいですね。

上記の事からも、「スマートシティ」とはインターネットとIT技術を活用し、どこにいても行政サービスを受けたり、行政から提供される情報にアクセスできるようにすること。と定義することが出来そうです。

例えば、引越しするときに、あちこちの窓口にいって、山ほど似たような書類を書かされ、丸一日時間をかけなくても手続きができるような社会。
わかりやすいイメージとしては、このような感じでしょうか。

しかし、単純な役所手続きだけがスマートシティの目指すところではありません。具体的な事例を見ながら確認してみましょう。

◯ニューヨーク州のスマートシティ

米国ではオバマ政権の時、いち早く「スマートシティ・イニシアティブ」を掲げ、その実現に取り組んでいます。
ニューヨーク州ではスマートシティを実現することで、「交通渋滞」「防犯対策」「経済成長」「景気変動」「市民サービスの向上」などの課題解決を目指しています。

さらに、もっと具体的に導入すべき技術や、コンセプトを明確に定めています。例えば交通・運輸分野では、「オンデマンドのデジタル交通」「自動運転車」技術を導入し、「移動時間の削減」「交通機関事業者の管理費削減」を実現することを目標としています。
このように、より具体的に技術と目標を設定することで、関係する民間業者が新たな市場に参入することができます。

スマートシティはこれから先、行政が一定の予算をかけて取り組むことが明らかですので、安定した受注が見込める魅力的な市場です。実際、スマートシティ実現に含まれる産業分野は「エネルギー関連」「施設・住宅」「水道」「都市設計・構築」「農業」など、非常に広範囲となっています。
当然ながら、関わる民間事業者も多く、「何か一つが実現できればスマートシティが完成する」というものでもありません。時間と労力をかけ、少しずつ実現に向けて動いていく必要があります。

スマートシティという言葉はかなり前から聞いているものの、一向に身近に感じないのには、このような事情も理由となっています。

他にも中国杭州地区では、アリババなどの中国IT企業が中心となって取り組んでいる「ET City Brain」も有名です。町中に数千台のカメラを配置し、交通状況の可視化を実現してきました。
国内でも千葉県柏市の「柏の葉 スマートシティ」や、神奈川県藤沢市の「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」などの事例があります。

このようにスマートシティは、行政が主体となって取り組む「新しい都市の形」であり、都市が抱える課題を解決する手法として期待されています。*注1

スマートシティでどんなことが変わるのか

スマートシティの目指すところは、各自治体の抱える課題によっても異なります。

例えば熊本県阿蘇市では、観光・防災を中心とした取り組みを進めています。阿蘇山は重要な観光資源であると同時に、噴火による災害に注意しなければいけません。
観光の新たなコンテンツとしてVR技術の活用や、監視センサーから取得した情報をリアルタイムで視覚化し提供することで、防災に役立てるなどの取り組みなどを行っています。

岐阜県多治見市では「日本一電気代が安い街」を目指しています。太陽光発電などを活用し、発電・蓄電・配電をAIによって最適化。さらにEVレンタカーサービスの導入や各種補助制度で、市中での発電や充電設備の拡大などを進めています。
電気代は電力会社が決めており、私たちではどうにもできないことですが、行政の取り組みで「安く」できるのであれば、実にありがたい取組です。

スマートシティの実現は、高齢者の生活支援や農業の効率的な運営など、さまざまな範囲に影響があります。ただし、今のところ「とりあえず、できそうな事を全部詰め込んでみました」的な資料がほとんどですので、実効性があるかどうかは検証が必要でしょう。

例えば「人が少なくなるから、ICTを使って効率化しましょう」だけでは、後継者がいない問題は解決できません。。
ICTを活用することによって、確かにいろいろなことが便利で効率的になりますが、それだけで根本的な課題が全て解消できる訳ではありません。

行政関連の資料や報告書を眺めていると、まるでスマートシティが全てを解決するような書き方をしているものも多くありますが、その辺は少し冷静に見る必要がありそうです。

さて、「スマートシティで何が変わるのか?」について、

『あなたが普段の生活で、不便に思うこと、面倒臭いこと、大変なことが全部解決します。さらに産業も活性化し、高齢者が安心して暮らせ、子育てにもしやすく、安全で住みやすい街になります。』

などが各種資料に書かれてある答えです。

このことが実現することが理想ではありますが、個人的にはスマートシティなんて看板を振り回さなくても、行政手続きぐらいオンラインで完結するように早くなって欲しいとと思っています。*注2

スマートシティの市場規模について

人口減少に伴い、各種産業の国内市場はどんどん縮小して行きます。そんな中、新しい可能性を秘めたスマートシティの市場規模には、誰もが興味を持つところでしょう。
しかも後押ししてくれるのは行政です。ほぼ確実に潰れることがないクライアントが、これから継続的に予算を出してくれるというのですから、これほど美味しい話はなかなかありません。

色々な調査会社・研究機関が将来の市場規模に対して予測を出しています。しかし、スマートシティと一口にいっても、そのカバーする領域はかなり広いため「どこまでを含めるか」によって多少数値に差が出てきます。あくまでざっくりとした数値と思った方が良いでしょう。

KPMGが各種資料をもとにまとめた予測によると、行政DX・スマートシティの国内市場規模は2026年に約1.2兆円、2030年には約6.5兆円となっています。これが本当なら、わずか数年で5倍へと急拡大する市場であり、将来の有望性は抜群です。

例えば世界に誇る日本アニメの市場規模は2021年時点で約2.7兆円であり、これは世界でのセールスまで含んでいます。このことからも、6.5兆円がどれだけ大きな市場か比較するとイメージが湧きやすいでしょう。

ちなみに、KPMGの調査では「労働者に支払われる対価」は別計算になっています。2026年に約1,800億円、2030年には約9.400億円と見積もられており、雇用拡大にも大きな効果が見込めます。*注3

世界レベルで見ると、2023年から年間25%を超える成長を続け、2030年には約7兆ドルと予測されています。
比較する対象が難しいのですが、例えば2019年の世界での元受収入保険料が約6兆3,000億ドルです。保険業界でどれだけの会社が存在し、どれだけの人が働いているかを考えると、スマートシティが非常に大きな市場であることがわかります。*注4

【まとめ】
民間ではとっくの昔に電子決済が普及し、ワンクリックで必要なものが届く世界になってます。企業でも在宅勤務が当然になり、スマホ一つでさまざまなサービスの恩恵を受けることができます。
便利で使いやすく多くの人が求められるものであれば。速やかに市場に供給されます。むしろ、行政の取り組みが遅すぎて、いつまでも旧態依然とした仕組みのままでいることが問題でしょう。
スマートシティを単なる合言葉ではなく、本当に実効性のある形で実現してほしいと願っています。

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■参考文献

注1

ニフティ不動産 「スマートシティってどこ?事例を紹介!市場規模や企業動向も解説します!」

https://myhome.nifty.com/column/area/200322292583/

注2

NEC 「スマートシティとは?海外事例や日本独自の構想から現状を解説」

https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sp/contents/column/20220210.html

注3

KPMG 「2030年市場展望と人材要件:行政(行政DX・スマートシティ(都市OS))」

https://kpmg.com/jp/ja/home/insights/2023/05/hr-strategy-smartcity.html

アニメーションビジネス・ジャーナル 

http://animationbusiness.info/archives/13790

注4

未来図メディア 「スマートシティが拡大傾向、スマートシティの市場規模をデータで解説」

https://www.mirait-one.com/miraiz/whatsnew/20230424.html

世界の保険市場

https://www.sompo-ri.co.jp/wp-content/themes/sompori/assets/pdf/fact_2021_02.pdf

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