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ジェネレーティブシェイプデザインとは?技術の概要やCATIAとの関連について解説

近年のCADソフトは、AI技術の実装により高度な機能がさまざまなシーンで使用することができるようになってきました。特にハイエンドなCAD製品においては機能の多様化と高度化が著しく進んでおり、ものづくりのハイテク化を進める上での強力な推進力となっています。

この記事では、そんなハイエンドCADソフトの一種であるCATIAシリーズに実装されている、ジェネレーティブシェイプデザインについてその概要を解説します。

目次:

  1. CATIAについて
  2. ジェネレーティブシェイプデザイン(GSD)とは
  3. ジェネレーティブデザイン(GD)との違い
  4. ジェネレーティブシェイプデザインの活用法
  5. CATIA導入で得られるその他の強み
  6. CATIAを使った3Dモデリングのポイント

CATIAについて

そもそもCATIAは、フランスのダッソー・システムズというソフトウェア会社が提供している、ハイエンド3DCADソフトシリーズの総称です。

欧米圏を中心に広く使用されているCADソフトで、その高機能性からハイテク産業における導入事例を多数有しており、日本においても導入実績を誇る人気製品と言えます。

航空宇宙産業や自動車産業など、いずれの導入領域においても繊細な設計業務が求められるものばかりが揃い、CATIAシリーズに対する多大な信頼と実績が裏打ちされている証拠でもあると言えるでしょう。

設計から生産まで、CATIAシリーズがあれば一台で全ての業務を賄えるほどの汎用性を備えており、コストに見合った活躍が期待できる希少な製品です。

ジェネレーティブシェイプデザイン(GSD)とは

そんなCATIAシリーズに搭載されているモデリング機能の一種であるのが、ジェネレーティブシェイプデザイン(GSD)と呼ばれる機能です。

ジェネレーティブシェイプデザインは、簡単に言えば2Dスケッチから3Dモデルを生成するための機能です*1。3Dモデリングには大きく分けて、ソリッドモデリングとサーフェスモデリングの2種類が存在します。前者は体積を有する立体モデルを構築する方法で、後者は体積の概念が存在しない、面を組み合わせた3Dモデルを構築する手法です。

ジェネレーティブシェイプデザインは、ワイヤーフレームや平面から立体モデルを構築するための機能であり、サーフェスモデリング手法の一種であると言えます。高品質なモデリング作業を進める上では必ずと言って良いほど使用する機会の多いツールであるため、その使い方を覚えておくことが重要です。

ジェネレーティブデザイン(GD)との違い

ジェネレーティブシェイプデザインと似たような名称の技術に、ジェネレーティブデザインと呼ばれるものがあります。

ジェネレーティブデザインの概要

ジェネレーティブデザイン(Generative Design、GD)はAI技術の一種で、コンピューターを使ったデザインの自動生成技術を言うものです。

これまでデザインは人間の手で行うものと考えられてきましたが、生成AI技術の進化に伴い、ジェネレーティブデザインは近年少しずつ現場で導入されることが増えています。

ジェネレーティブデザインの最大の特徴は、要件をあらかじめインプットしておけば、それに基づいたデザインを短時間でいくつも生成してくれる点です。これまでは一つのデザインを考えるのにも多くの時間を要してきましたが、ジェネレーティブデザインを採用することで、デザイナーは要件に合ったデザインを少人数でいくつも用意することができます。

生成されるデザインに手直しを少し加えるだけで仕上げられることから、今後のデザイン・設計業務におけるスタンダードとなりうる技術と言えるでしょう。

また、ジェネレーティブデザイン(GD)とジェネレーティブシェイプデザイン(GSD)の間には直接的な関係はありません。ジェネレーティブシェイプデザインはあくまでサーフェスモデリングの機能の一つであるため、AIを使った作業が発生することはない点を覚えておきましょう。

CATIAでジェネレーティブデザインは使える?

ジェネレーティブデザインとジェネレーティブシェイプデザインの違いがわかったところでもう一つ気になるのが、CATIAにおいてジェネレーティブデザインの機能は使えるのかどうかという点です。

CATIAシリーズでは「ファンクショナル・ドルブン・ジェネレーティブ・デザイナー」と呼ばれる、独自のジェネレーティブデザイン機能を搭載しています*2。設計業務の効率化に加え、厳しい制約をクリアできるデザイン案をごく短時間で生成してくれるこの機能は、今後の設計業務における強力なパートナーとなるでしょう。

ジェネレーティブシェイプデザインの活用法

ジェネレーティブシェイプデザインは、サーフェスモデリングを実行するのに最適化したモデリング機能の一種です。

作成される面は基本的に厚みを持っておらず、ここに厚みを付与することもできますが、その場合はソリッドモデルとして扱う必要が出てくる点には注意しておきましょう。

プロダクトデザインにおける面の評価を実行する場合や、表面情報だけを扱ってプロダクトデザインを実行する際には頻繁に使用することになる機能です。

CATIA導入で得られるその他の強み

ジェネレーティブシェイプデザイン以外にも、CATIAには多様なモデリング機能が搭載されています。

サーフェスモデリングに用途を絞っても、

  • ジェネレーティブシェイプオプティマイザー
  • デベロップシェイプ
  • フリースタイルシェイパー

など、多様な機能が揃います。

ジェネレーティブシェイプオプティマイザーは、ジェネレーティブシェイプデザインの拡張機能であり、局所変形などに使えるより高度な機能を提供します。

デベロップシェイプは、平面展開面にある曲線を展開中のサーフェスに転写できる機能です。カラーマッピングを使って、発生しているひずみを特定することができます。

フリースタイルシェイパーは、自由曲線や曲面の作成と、その品質管理を実行できる機能です。制御点の編集によって曲面部分を加工し、微妙なディテールを追求することができます。

CATIAを使った3Dモデリングのポイント

CATIAを使って3Dモデリングを実施する場合には、

  • ソリッド
  • ワイヤーフレーム
  • サーフェス

の各種モデリングの違いを理解しておくことがポイントです。というのも、CATIAはそれぞれのモデリングにおいて豊富なツールを用意しているため、それらを使い分けられれば品質向上につながるからです。

例えば体積や重量の計算が必要な場合にはソリッドモデルを選ぶ、素早さを必要とする場合はワイヤーフレームモデルを選ぶ、曲面加工にこだわりたい場合はサーフェスモデルを選ぶなど、上手に使い分けられるとスキルアップにも繋がります。

まとめ

この記事では、CATIAシリーズに搭載されているジェネレーティブシェイプデザインについて解説しました。

ジェネレーティブデザインとは似て非なる機能ではあるものの、CATIAを使ったサーフェスモデリングにおいては必須の機能となるため、その使い方への理解を深めておきましょう。

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出典:

*1 KOCW「工学日本語」p.3

http://contents2.kocw.or.kr/KOCW/document/2019/uc/yoosangyong0305/8.pdf

*2 ダッソー・システムズ「ジェネレーティブ・デザイン」

https://www.cloud-ds.com/why3dexperience/generative.html

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