Revit Architecture ユーザー試験とは？認定資格取得のために覚えておきたいこと

BIMソフトの代表格でもあるRevitは、そのニーズとは裏腹に人材不足が各企業で続いており、Revitの運用スキルを持つ人材の価値が高まっています。ただ、Revitを使えることを証明するためには何らかの資格を持っておくことが大切ですが、中でも最も信頼性が高い資格とされるのが、Revit Architecture ユーザー試験です。

この記事では、そんなRevit Architectureユーザー試験の概要や、認定資格取得のために覚えておきたいことについて、解説します。

目次：

1. Revit Architectureとは
2. Revitでどんなことができるのか
3. Revit習得の重要性
4. Revit Architecture ユーザー試験とは
5. Revit Architecture ユーザー試験資格取得に使える主なサービス
6. 試験合格のためのポイント

Revit Architectureとは

そもそもRevit Architectureは、かつて存在したAutodesk社が提供するBIMソフトの一種です。複数のバージョンが存在した同社のBIMソフトですが、現在は「Revit」単体に統合され、従来の機能の大半を引き継いでいる状況となっています。

Revit Architectureはその名の通り、主に建設・建築業務に特化したBIM機能を備えていた製品ですが、Revitにおいてもその有用性は健在で、現在も建築業界におけるBIMモデリングに欠かせないソフトとして活躍している製品です。

Revitでどんなことができるのか

具体的に、Revitを使ってどのようなことができるのでしょうか。ここではRevitを使って実現することを、3つ紹介します。

ハイエンドなBIMモデルの作成

まず、RevitはハイエンドなBIMモデルの作成に対応している、プロフェッショナル向けの製品です。それに伴い価格はBIM製品の中でも高額な部類に入りますが、機能の多様さを踏まえると、その価格設定にも納得できます。

国内外を問わず、BIM活用といえばRevitと言われるほどグローバルに普及しており、プロ同士の情報共有も活発です。もちろん、BIMは初めて触るという初心者の方でも使いやすいよう、Autodesk公式のRevitチュートリアルも充実しているので、いきなりRevitからBIM経験をスタートさせるのも悪くないでしょう*1。

設計・施工業務の効率化

Revitを使ったBIMモデルの活用は、従来よりもはるかに効率的な設計・施工業務の実現に役立ちます。BIMモデルさえあれば、3Dモデルはもちろん、平面の図面情報やそのほか施工に必要なプロジェクトの情報を、全て内包することができるからです。

単一のデータを使って設計から施工、そして維持管理まで対応することができるため、図面作成の工程を大幅に省略し、極めて正確な情報をもとに質の高い業務を遂行できるでしょう。

建設DXへの貢献

Revitを使ったBIMモデル活用は、建設DXにおいて大きな役割を果たします。BIMをうまく業務に導入できれば、人手不足や生産性の向上といった、デジタル化の恩恵を受けられるからです。BIM運用を推進する上ではツールの整備が不可欠であり、グローバルスタンダードのRevitなら、環境面でのリスクや不安はありません。

Revit Architecture ユーザー試験とは

そんなRevitのさらなる普及を推進すべく、近年行われているのがRevit Architecture ユーザー試験です。この試験は、その名の通りRevit活用に関するノウハウやスキルを受験者に問い、実践的なスキルを証明するための資格を与えてくれます。

Autodesk社が主催するこの資格試験の信頼性は高く、日本国内はもちろん、海外でも一定の有効性を有しています。そのため、今後海外でのキャリアアップも検討している方の場合、積極的に取得しておきたい資格試験と言えるでしょう。

Revit Architecture ユーザー試験資格取得に使える主なサービス

Revit Architecture ユーザー試験は、それなりの難易度資格試験であるため、あらかじめ徹底した試験対策で準備しておくことは不可欠です。以下ではユーザー試験合格のために活用したい、主なサービスを紹介します。

Autodesk公式ガイド

Autodeskが主催ということもあり、ユーザー試験の資格合格のための準備ガイドが無料で配布されています。例題は出題の意図などがまとめられており、そのままその問題が出る、ということはありませんが、傾向を掴んで対策をする上で非常に有益です*2。

まずはこの公式ガイドを参考にしながら、どのような対策をして備えればいいのか、感覚を掴みましょう。

パーソルテンプスタッフ「オートデスク認定資格プログラム」

人材仲介サービス大手のパーソルは、2023年よりAutodesk認定スクールとしてユーザー試験合格に向けた専門のプログラムを開始しています*3。年間300人の合格を目標に開講されているこのプログラムは、現在無料講座が開講されており、建設・設計業界でキャリアアップしたい、リスキリングを図りたいと考えている人にとって、非常に良い機会となるでしょう。

試験合格のためのポイント

Revit Architecture ユーザー試験に合格する上では、以下の3つのポイントも最低限押さえておきましょう。

まずは実際にRevitへ触れてみる

最初に取り組みたいのが、Revitに触れてみるということです。そもそもRevitとはどういうソフトなのか、どのように動作するのかを理解しておかないと、実践的な知見を養えないため、受験の際も不利を被ってしまいます。

実際の現場でもソフトを正しく使えるスキルが求められるため、まずは触りながら試験対策を進めていく、という手順が大切です。

試験内容を把握し合格点獲得のプランを立てる

ある程度Revitについての知識を養えたという場合、試験対策を本格化していきましょう。ユーザー試験は必ずしも満点を取る必要はなく、73%以上の正解率があれば合格とみなされます*4。

他の資格試験も同様ですが、確実に点を取りたいところ、止むを得ず諦めても良いところを線引きし、効率の良い試験対策を実現しましょう。

関連サービスをフル活用する

Revit Architecture ユーザー試験の対策サービスは、上で紹介したものをはじめ、充実が進んでいます。自身のスキルや課題を踏まえ、最適な関連サービスを選び、有効活用することが大切です。

また、独学だけでは不十分と感じる場合は、対面のセミナーやプログラムにも顔を出し、現場で生の技術を取得することもおすすめします。

まとめ

この記事では、Autodeskが主催するRevit Architecture ユーザー試験の概要や試験対策について、紹介しました。ユーザー試験の合格には相応の勉強が求められますが、その分信頼性の高いライセンスを合格した際には得られます。

効果的な試験対策を実践し、確実に合格をものにしましょう。

　

参考：

*1 Autodesk「ヘルプ」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2022/JPN/?guid=GUID-5F030511-89D1-4223-B168-CE83343FDE52

*2 Autodesk「Revit Architecture ユーザー試験」

https://www.myautodesk.jp/certification/user_Revit.html

*3 PRTimes「人材派遣業界で初！Revit Architectureユーザー資格取得を支援 認定スクールとして東京・大阪で無料講座開設」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000162.000071141.html

*4 *2に同じ